米南部テキサス州エルパソで22人が死亡するなど米国内で銃乱射事件が相次いでいることを受け、銃規制強化を求めるデモが17日、各地で始まった。市民団体などが呼びかけ、18日にかけて全50州で開かれる予定。参加者は、連邦議会下院が可決した銃購入者の身元確認を厳格化する法案を上院でも可決することなどを訴えた。
エルパソ事件の翌日にも中西部オハイオ州デイトンで9人が犠牲になる銃撃事件があり、米社会では銃規制強化を要求する声が改めて高まっている。
西部カリフォルニア州ロサンゼルスでは、市役所前に女性や学生ら約200人が集まった。「もうたくさんだ」「銃規制法を変えよう」などと書かれたメッセージボードを掲げ、「（上院）議会は仕事をして」と声を張り上げた。
2019年に銃乱射事件があった数十都市の名を手書きで列挙したTシャツを着た大学生、ローレン・マルケズさん（18）は「銃撃におびえながら暮らすのは疲れた。そもそも社会に銃は必要ないと思うが、少なくとも殺傷能力が高い銃の所持は禁止すべきだ」と怒りをあらわにした。
野党・民主党が多数派の下院は今年2月、銃販売時の身元確認の対象を展示会やインターネットでの個人売買にも拡大する法案を可決したが、銃規制に消極的な与党・共和党が過半数を占める上院では採決に至っていない。トランプ大統領は両事件の後、身元確認の厳格化などについて議会と協議する意向を明らかにしており、夏季休会中で9月上旬に再開する上院の対応が注目されている。
https://mainichi.jp/articles/20190818/k00/00m/030/204000c