【上海発】縮小が進むスマートフォン市場で、各メーカーが高価格化路線に舵を切っている。
話題の折り畳み機種を中心に価格が上昇し続ける中、中国の小米(シャオミ)は得意とする低価格機種を中国市場で発売し、競争が激化するスマホ市場で新たな一手を打った。
「価格は2999元(約4万9000円)から」。2月20日に北京市で開催されたシャオミの新製品発表会。この日、雷軍CEOが披露した最新機種「小米9」の価格に、会場からはどよめきが起こった。
雷CEOが強調したのは、他社の機種との比較だ。市場で先行する米アップルの「iPhone XS MAX」のほか、会社名は伏せたものの同じ中国勢の華為技術(ファーウェイ)とみられる「Mate 20 Pro」を引き合いに出し、ソニーとサムスン製のレンズを搭載したトリプルカメラの機能や無線充電技術などで優位性をアピールした。
比較対象としたのは、いずれも10万円を超える高級機種だ。
中国政府系のシンクタンクの中国信息通信研究院によると、2018年の中国国内のスマホ出荷台数は前年比15.5%減の3億9000万台だった。
世界市場も縮小しており、調査会社の米IDCは「19年は3年連続で減少する見込み」と予想している。
30万円に迫る価格の折り畳み機種が発表されるなど、一段と高級化するスマホ市場で、シャオミの戦略が功を奏するか注目だ。
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