フランス環境エネルギー管理庁（ＡＤＥＭＥ）は、１０日に公表したリポートで、フランスに新たな原子炉を建設することは経済的でないとの見解を示した。２０２０─２０６０年のエネルギー構成シナリオを検討したもので、政府による長年のエネルギー戦略にも、フランス電力公社（ＥＤＦ）(EDF.PA)の投資計画にも逆行する見解となった。
マクロン大統領は先月の演説で、原子力エネルギーが今後も低コスト、低炭素を約束する技術であり続けると述べたほか、新たな原子炉建設の計画を立案するようＥＤＦに指示している。
しかし、フランスとフィンランドで建設が始まっている欧州加圧水型炉（ＥＰＲ）２基の工期は予定より何年も遅れているうえ、当初予算を数十億ユーロ超過している。
ＡＤＥＭＥは、「ＥＰＲを基盤とする核産業開発には競争力がない」とし、新たな原子炉は構造的に損失を招くと付け加えた。
既存の原発の運転期間を過度に延長しつつ、ＥＰＲを新設する場合、発電能力過剰となり、再生可能エネルギーを含む全発電事業に対する利益が減少するとみられている。
そのうえでＡＤＥＭＥは、政府がＥＰＲ推進を強行しないかぎり、２０５０年までに再生可能エネルギーが発電全体に占める比率は８５％、２０６０年までに９５％超になると予想した。
ソース
新たな原子炉建設はフランスにとって非経済的＝環境当局 | ロイター
https://jp.reuters.com/article/france-nuclearpower-idJPKBN1OA07Q