「バスケットボール男子・１９年Ｗ杯アジア２次予選、日本７０－５６イラン」（１７日、大田区総合体育館）
東京五輪予選を兼ねるＷ杯出場を目指す世界ランク４９位の日本は、同２５位のイランを撃破し、通算４勝４敗とした。
今シリーズから実現したＮＢＡ入り間近の八村塁（２０）＝米・ゴンザガ大＝、渡辺雄太（２３）＝メンフィス・グリズリーズ＝のコンビを軸に、必勝を期す日本だったが、序盤は連係が機能せず、イランにリードを許した。
ただ、流れを引き寄せたのはやはり渡辺だった。第２Ｑの２４－２６の場面で、華麗なターンオーバーから、そのまま自ら持ち込んで決めて同点に。会心のプレーに、渡辺は咆哮し、観客を煽ってムードを高めた。
３１－３５で前半を折り返したが、圧巻だったのは、第３Ｑだ。八村、渡辺、八村、渡辺で連続８点を奪い、逆転すると、３９－３７から富樫の３ポイント、渡辺のダンクで一気に突き放し、流れを決定づけた。終わってみれば、八村が２５点、渡辺が１８点、２人でチーム得点の半分以上となる４３点を叩き出した。
２年ぶりの日本での試合となった渡辺は「まず言いたいのは、みなさんもっと僕に期待していたと思うんですけど、その期待に応える活躍ができなくてすいません」とまさかのコメント。ただ、「本当に楽しい時間だった。みなさんの声援のおかげでイランに勝つことができました」と、充実感を漂わせた。
八村も「日本一丸で勝つことができたと思います。フィジカルが強いチーム、リバウンドをすごく頑張りました」と、笑顔。この日は妹の誕生日ということもあり、「今日は実は僕の大好きな妹の誕生日です」と明かし、バースデーソングを歌うサービスぶりを見せた。
米・ゴンザガ大で活躍し、１次リーグで救世主となった八村と、グリズリーズとＮＢＡにも出場可能な「ツーウエー契約」を結んだ渡辺。２人はそれぞれ米国でのシーズンが始まるため、ここから１１月、来年２月のシリーズへの参戦は絶望的。それだけにこのイラン戦は是が非でも勝っておく必要があった。
日本が誇る２人の至宝が、東京五輪出場を目指すチームに最高の“置き土産”を残した。
https://www.daily.co.jp/general/2018/09/17/0011649332.shtml