北海道の南端・松前町。
この正月に松前漬けを楽しんだご家庭もあるだろうが、その発祥の地である。道内唯一の日本式城郭・松前城は町のシンボルであり、
戊辰戦争の舞台のひとつにもなった。
人口8000人に満たない穏やかな町が、戊辰戦争以来かという大騒ぎになったのは昨年11月末のことだった。
11月28日、北海道警のヘリや第1管区海上保安本部の航空機が、松前町沖約23キロの位置にある無人島・松前小島の港に避難した木造船を発見。
乗組員らしき複数の人間を確認した。
国内の日本海側の各地で、北朝鮮からのボロボロの木造船が流れ着いていた頃であり、当初はこれもまた、そのうちの一隻と見られていたのだが――。