防衛省や沖縄県に入った連絡によると２０日午後７時２０分ごろ、同県うるま市の伊計島で、米軍普天間飛行場（同県宜野湾市）所属の在沖縄米海兵隊ＡＨ１攻撃ヘリコプター１機が農道に不時着した。動力を伝達するトランスミッションと呼ばれる機器の故障が原因とみられる。
ヘリには２人が乗っていたが、けが人などはなく、機体の損傷はないという。ヘリは午後７時ごろに普天間飛行場をたち、夜間訓練が実施できるかどうか視察のために飛行。同２０分ごろに警告ランプが点灯して不時着。同４０分すぎに付近住民が県警うるま署に１１０番通報した。住民によると、着陸場所は住宅から約１キロ離れている。同県基地対策課の運天修課長は「地域住民に不安を与えるもので、あってはならないこと」と話した。
米海兵隊は２１日午前７時以降にヘリを離陸させるとしている。米軍は昨年１２月、同県名護市沿岸で米海兵隊の垂直離着陸輸送機ＭＶ２２オスプレイが大破した事故を起こしている。
◇伊計島の住民らが不安な夜
米軍ヘリが不時着した伊計島では、島の住民らが不安な夜を過ごした。不時着現場はサトウキビなどの畑の中の農道。現場から約１キロに住む伊計自治会の玉城正則会長（６０）は大きな音が聞こえて周辺を見渡すと、赤色灯が点滅していた。駆け付けるとヘリコプターが着陸しており、１１０番した。エンジンがかかったままで、米兵２人が立っていた。玉城さんは「いつかこういうことが起きると思っていた。不安だ」と声を震わせた。
漁師の浦添康則さん（６３）は「朝からヘリ４機が上空を飛び回っていた。まさか不時着するとは」と不安げに語った。
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