神社の政治利用から初詣ラッシュまで 「ル・モンド」紙がみた“神道のいま”（クーリエ）
しばしば国際的な争点ともなる靖国神社と異なり、あまり議論されることのない伊勢神宮。だが、目と鼻の先の伊勢志摩でG7サミットが開催されたことからもわかる通り、政治的な存在感は高い。仏高級紙は、この伊勢神宮を切り口に、「神道と日本政治」について深い議論を展開している。（中略）
安倍晋三首相が、2016年5月のG7サミットで各国首脳を迎えるのに、この神道の聖地を選んだのには下心があったはずだ（略）
先進国首脳会議を伊勢神宮の目と鼻の先で開催し、各国首脳を神宮参拝に誘ったことは、現代日本における宗教と政治権力の曖昧な関係を表している（略）
オーストラリア国立大学名誉教授の歴史学者、ガヴァン・マコーマックの意見では、安倍首相は、1945年の敗戦で失われたとされる日本の誇りを取り戻すために、『靖国神社の代わりに伊勢神宮を利用しよう』としている（略）
京都の国際日本文化研究センターの歴史学者、ジョン・ブリーンは、安倍首相のことを『戦後の歴代首相のなかで、最も神道にこだわる首相』だと言う（略）
国会や地方の）議員は現在、宗教団体やそれに近い組織の力を借りて、票や資金を集めている（略）
国家神道とは『伝統のでっちあげ』であった。国家神道は民間信仰としての神道と大きく異なってい（略）
それでも国家神道は、アイデンティティを形成するイデオロギーの源になり、天皇を中軸にした大衆の結束を強固にし、やがて1930年代の国粋主義につながっていく国家権力に、国民を従属させたのである（略）
超党派の政治グループである『神道政治連盟国会議員懇談会』には、与党自民党と野党民進党の304人の議員が参加している。この組織の会長は安倍晋三であり、安倍内閣の大半の大臣も会員である（略）
準宗教的右派の中心には、日本会議が存在している。1997年にふたつの団体が合併してできたこの組織には、様々な分野の人物が参加している（略）
（全文は以下より）
http://courrier.jp/news/archives/71942/
2017.1.3