露、EU政治家89人対象に「入国禁止リスト」作成 欧州で批判高まる
【ベルリン=宮下日出男】ロシアが欧州連合(EU)加 盟国の政治家ら89人を対象とする「入国禁止リスト」を 作成していたことが判明し、欧州で批判が高まっている。
EUはウクライナ情勢をめぐり、ロシアや親ロシア派勢力の関係者らに域内への渡航を禁じる制裁を発動しており、 露側が対抗措置を講じた形だ。
欧州メディアによると、リストに含まれるのは28加盟国のうち17カ国の政治家や軍、情報機関の関係者ら。
ク レッグ前英副首相やベルギーのフェルホフスタット元首相のほか仏与党の社会党幹部、メルケル独首相の欧州政策顧問への就任が決まった人物の名前も挙がっている。
リストは先週渡されたという。
EU報道官は入国禁止の根拠などの説明を受けておらず、「恣意(しい)的で正当性がない」とし、オランダのルッテ首相も「国際法に基づいていない」と非難。英外務省は「対露制裁の緩和が狙い なら、(適切な)方法でない」と批判した。
一方、ロイター通信によると、ラブロフ露外相は対象者について、EUが渡航禁止を科した計約150人に比べれ ば「極めて少ない数」で、批判は「ばかげている」としている。
http://www.sankei.com/world/news/150602/wor1506020035-n1.html
露、外国NGO=「望ましからぬ団体」指定 選挙前に締め付け強化
【モスクワ=遠藤良介】外国の非政府組織(NGO)を「望ましからぬ団 体」に指定し、活動を禁止できるとする新法がロシアで制定され、司法当局 が団体の選定作業に入った。
プーチン政権は、米欧がNGOを通じてロシアの情勢混乱を狙っていると主張しており、来年後半に予定される下院選に向けてNGOの締め付けをいっそう強めることが確実視される。
新法は、最高検が「憲法制度の基礎や国防力、国家安全保障に脅威を与え る」と認定する外国系NGOや、国際民間団体の活動を禁止する内容。容易 な拡大解釈を許す曖昧な法規定で、「望ましからぬ」とされた団体はマスコミやインターネットを通じての情報の流布も禁じられる。
一部の政権派議員は、国際関係の研究で知られる米カーネギー国際平和財団や、汚職・腐敗問題に取り組むトランスペアレンシー・インターナショナ ル、旧ソ連での弾圧の歴史を記録するメモリアルなどの“追放”を提唱してい る。
政権は昨年2月のウクライナ政変をはじめ、近隣諸国の政権転覆に米欧が関与しているとの疑いを抱いている。
選挙違反や汚職への批判が大規模デモ につながる事例が多いため、この種の監視活動を行うNGOへの警戒心はとりわけ強い。
http://www.sankei.com/world/news/150602/wor1506020038-n1.html