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◇まずは政党が女性議員育てる仕組みを構築すべきだ
自治体議会の女性に詳しい竹安栄子・京都女子大教授の話
女性議員が圧倒的に少ない事実を前に、そもそも民主主義とは何かを議員や有権者自身が問い直す時期ではないか。
全国平均では女性議員比率はようやく10%を超え、都道府県に女性ゼロ議会はなくなった。しかしこの10年ほどは「低位安定」という印象だ。
本来は性別、年齢、職業、障がいの有無など多種多様なアイデンティティーや立場から、できる限り公正に代表を選出する制度が求められているのに、現実はそうなっていない。「女性議員は1人いればいい」「1人はほしい」くらいの感覚の議会人が多いように思う。
02年に私たちが実施した調査では、政策課題として女性議員は福祉、医療、社会保障、教育などを重視するという結果が出た。女性は弱者への感性が鋭いといわれるが、それが裏付けられた形だ。
多様な人々の意思を代弁する議員が議論して、妥協点を見いだし、政策に反映させていく。それが議会制民主主義のはずだ。しかし、私たちはその原則を問わないまま、ずっと来てしまったのではないか。
男性議員だけを見ても、前職は自営業、会社役員、農林業の3種で5割以上を占めている。とても多様とはいえない状況だ。