毒チョウの姿まねるアゲハの擬態、遺伝子を特定
沖縄などにすむアゲハチョウが、天敵から逃れるために毒を持つチョウに姿を似せる「擬態」について、
東京大の藤原晴彦教授らの研究チームが「関係している遺伝子を特定した」と発表した。
科学誌ネイチャー・ジェネティクスに論文が掲載された。
このチョウは黒い羽に白い模様がある「シロオビアゲハ」で、一部のメスが毒を持つ「ベニモンアゲハ」という別のチョウに模様を似せている。
藤原教授らが、シロオビアゲハの遺伝子をすべて調べたところ、3個の遺伝子が模様の変化に関係していることが分かったという。
遺伝子の動きを止めると、通常のシロオビアゲハの模様に変わった。
アブやクモ、ゴキブリなども擬態をする種類があり、藤原教授は「他の生物の研究にも役立つ可能性がある」と話している。
◆基礎生物学研究所の長谷部光泰教授(進化生物学)の話
「擬態のような複雑な進化がなぜ起きるかは謎だった。進化学の大きな発見だ」
http://www.yomiuri.co.jp/science/20150310-OYT1T50101.html