20220729a
どくとりん
www.mod.go.jp/msdf/navcol/assets/pdf/ssg2020_12_03.pdf
軍事戦略策定という観点から軍事ドクトリンの分野具体的には作戦術の一要素として作戦デザインという考え方がある作戦術に関する研究は軍事の分野における効率的活用や手段のハイブリット化を踏まえれば重要な意義がある作戦術及び作戦デザインをイノベーションの観点から分析し今日的意義を確認しておくことが極めて有益だろう作戦デザインに関して米陸軍がイスラエル軍により開発されたシステミック作戦デザインを導入しドクトリンに取り込んでいる作戦デザインの源流であるシステミック作戦デザインは複雑であり計画立案に時間を要するより簡潔で適応性のあるデザイン技法へ発展させる必要性を説いている本稿では作戦デザインにおけるイノベーション技法の適用について経営に係るデザイン技法との比較検討を通じて明らかにする作戦術とは戦略目標を達成するために戦役を計画準備し実施することに関する理論と実践である作戦デザインとは指揮官が作戦環境をイメージし解決すべき問題を理解することそしてエンドステートを創り出すための作戦アプローチを発展させることである作戦デザインの目的は戦術における目標を達成しその成果を累積させ最終的に戦略の目標達成に至る道筋を明らかにすることである道筋が戦術から戦略目標達成までの任務に携わる人達で一つのストーリーとして共有される道筋は行動方針としてまとめられる行動方針は道筋を示す概略図とともに５Ｗ１Ｈを踏まえた簡潔な文章に転換される軍事における分析技法の目的は指揮官が現状と背景を理解し問題を浮き彫りにすることすなわち危機という事象の過去現在未来を理解することにあるこのような変化を把握するには原因と結果という因果関係を正しく理解することが必要とされるすなわち作戦計画を立案する前に指揮官は戦略的背景を理解することが要求される特定の危機が発生しているまた生起する可能性があるという文脈を分析することが必要とされる指揮官の作成する作戦計画としてこの文脈に含まれる問題を浮き彫りにすることが重要であり危機的状況の本質を理解することがこれを可能にするつまり指揮官による現状把握が作戦計画立案の重要なスタート地点となるインテリジェンスは指揮官に対し判断や意思決定の根拠となる情報を提供するこのような理解は極めて重要計画技法については三つの問いに答えなければならない１現在の状況は何か２より望ましい状況は何か３いかにして変えられるか計画はこれらの問いに答えることを通じて現状を望ましい姿に近づけるために作戦目標をいかに達成するかに焦点を当てて立案される作戦デザインの活動は線形的なプロセスだけではなくフィードバックを経て形成される非線形的なプロセスをも含むホーリスティックな活動でありイノベーション技法の特質をよく表している軍事及び経営両者とも脅威の現状について理解するため自己を取り巻く外部環境を分析する軍事においては紛争に対応する部隊の強みや弱み戦役の成功に係る機会や脅威を提供するとくに危機の歴史的経緯や地政学的意味については十分考慮して分析する以上の分析を静止画的な分析とすれば補完する形で環境の変化を予測するための動画的な分析手法であるシナリオ分析が軍事および経営で適用されている軍事におけるシナリオ分析は指揮官に状況認識を提供するという目的を堅持し危機の要因を明らかにすることが重要とされる自己を取り巻くマクロな環境すなわち問題の背景を理解した後問題の本質を理解するためミクロな環境を分析する軍事における目標達成に影響を与