投手「走り込み」もう古い? 長距離禁じて愛知で春4強 #1

1名無しさん@Next2ch:2018/07/14(土) 21:31:12.10 ID:zBETkk5g

 パワー野球全盛の時代、体重が減って喜ぶ球児がいる。

 6月下旬。今春の選抜に初出場した乙訓(おとくに、京都)で恒例の体重測定があった。捕手の薪谷(まきたに)宗樹(3年)は入学時から7キロ減の71キロ。「筋肉量、目標に届きました」。外部トレーナーで、「食トレ」を指導する会社「食育こ~ぼ」(京都府精華町)を営む南真人さん(37)と握手して笑った。

 同校では2015年から、希望者が食トレに取り組む。薪谷は体組成計の測定結果で、筋肉が体重の4割を超えた。「1年の時より、動きにキレが出ました」。市川靖久監督(35)も「入学時はぽっちゃり系だったけど、体がしまって瞬発力がでてきた」と認める。

 選抜で背番号1を付けた右腕の川畑大地(3年)も食トレに取り組む1人。体重は60キロ台。入学時と変わらず細身のままだが、直球の最速は20キロ近く上がり、140キロ台を連発するようになった。

 近年、大量に白米を食べる「補食」が球児の間に浸透した。だが、乙訓では、ピンポン球ほどに小分けしたおにぎりを食べる。

 南さんが解説する。「米は本来、ガソリンの役割です。こまめに摂取することが大事。一気に食べるとムチムチした体になる。必要なのは大きな体じゃなくて筋肉」。また、米の大量摂取は、血糖値の急激な上昇を招き、体調不良につながることもある。測定後の講義では、食事の効果やリスクが丁寧に説明される。

 「教えてもらうことで食に興味がわいて、何を食べればいいか考えるようになってきました」。薪谷は、真夏の水分補給について真剣にメモをとっていた。

 今春、日本高校野球連盟と朝日新聞社がとりまとめた高校野球実態調査では、食事・栄養について「指導している」と答えた学校は、15年前の55・9%から70・0%に増えた。そのうち、指導しているのが「外部のトレーナーやコーチ」と答えた学校は9%から25%に増加している。

 「300メートル以上は走らない」

 昨冬、西春(愛知)では、こんなルールが作られた。エースの尾崎聡大(3年)は戸惑った。「走り込み」は投手の体力と下半身強化に欠かせない、と言われてきたからだ。一方、大リーグで活躍するダルビッシュ有(カブス)ら、長距離走に懐疑的な目を向けるトップ選手もいる。

 尾崎は不安を感じつつ、ルールを守った。ランメニューは短距離だけ。バドミントンのラケットを振ってフォームを固めたり、トレーニング用の重い球で投球練習をして腕の振りを強めたり。投球動作に直結する練習に専念した。

 迎えた春の県大会。秋は初戦で敗れたチームが、中京大中京などの強豪を倒して4強に。投手陣は東邦に敗れた準決勝以外、2失点以内に抑えた。尾崎はいま、思う。「走るのと投げるのとでスタミナは違うのかな」。進学校の西春は平日の練習時間が1時間半だけ。以前は「精神面を鍛えるため」と走り込みを重んじていた森藤秀幸監督(37)は、「生徒が最も伸びるために、何が大事か」と考え、時間のかかる長距離走をやめた。

 昔ながらのトレーニングと決別し、新しい知識で効率よく成長する。そんな球児たちの体は、もっと強くなりそうだ。(小俣勇貴)

https://www.asahi.com/articles/ASL726CTLL72PTQP00V.html

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