東京電力福島第1原発で移送中の汚染水が耐圧ホースから漏れた問題で、東電が当初の計画より高濃度の汚染水を移送していたのにもかかわらず、原子力規制委員会に報告していなかったことが3日、分かった。同日の規制委で報告された。田中俊一委員長は「汚染水の管理が全くできていない」と指摘、事務局の原子力規制庁に監視強化を指示した。
規制庁によると、漏れた汚染水がためられていたタンクは比較的低濃度の雨水や地下水などを貯蔵する目的で使われていた。しかし、東電は5月15日に、地下貯水槽にたまっていた高濃度の汚染水をタンクに移送。漏えいはこのタンクからタービン建屋への移送時に起きており、結果的により高い濃度の汚染水が漏れた。
規制庁は、今回の移送に使われたホースが仮設で、漏えいリスクがあることは把握していたが、タンク内に地下貯水槽からの汚染水が入っていることは東電から報告を受けていなかったという。法令上の報告義務はないが、規制庁担当者は「汚染水管理の面では問題だ」と話している。
ソース
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2015060300888