Wikimedia財団はNSAによる包括的な通信監視によって
個人情報取得に伴うプライバシー権の侵害だけでなく
萎縮効果を生じさせることで表現の自由を侵害し
インターネットにおける情報の共有が妨げられると主張しています。
例えば、アラブの春として知られる2010年以降のアラブ諸国で起こった大規模な反政府デモに関連して
アメリカ政府は2008年に制定された外国情報監視法の下
エジプトと緊密な情報交換を行うという約定を取り付けています。
つまり、エジプトでのインターネット利用者の情報はNSAに筒抜けであり
このような状況の下ではWikipediaを編集することで政府関連機関の監視対象におかれ
さまざまな不利益を被ることを危惧して、ユーザーが編集を躊躇することがあり得るというわけです。
そして、このような情報発信を躊躇させる萎縮効果は
アメリカ・エジプトのインターネット利用者に限定した問題ではなく
NSAが上流監視によって世界中の通信を傍受していることに鑑みれば
世界中の表現の自由がNSAによって侵害されているというのがWikimediaを含む8団体の主張です。
Wikimedia財団のライラ・トレティコフ氏は
「インターネットの根幹に食指を伸ばすNSAによって民主主義の根幹が脅かされています」
との声明を発表しています。
一方、今回の訴訟についてロイター通信にコメントを求められたNSAは何も回答していません。
以下ソース
http://gigazine.net/news/20150311-wikipedia-suit-nsa/