しかし、そもそもtDCSの万能性や劇的な効果に疑問符をつける見解も現れ始めています。
ハーバードメディカルスクールのフェリペ・フレグニ博士は
tDCSによって学習速度が高まるという研究を発表しましたが
若者に大人のような効果がみられなかったケースや場合によっては有害な影響を与えるケースがあるなど
tDCSによる効力が個々人によって大きく異なることを明らかにしています。
さらにメルボルン大学のジャレッド・ホーバス博士が、これまでのtDCSに関する
神経応答速度、酸素レベル、脳の電気活動を含む30種類の論文について
恣意的な研究の抽出を避けて分析するメタアナリシスを行ったところ
tDCSによる信頼性の高い効果があったのはわずかに1例だけだったとこと。
効果が疑問視される場合さえあるtDCS治療ですが
実用性や実効性が疑わしいという理由だけで切り捨てるには惜しい側面もあると述べるのはホーバス博士。
それは、tDCSは医学的理由や宗教上の理由で
カフェインやアルコールの摂取が許されない人に対しても使えることや
人間が常に勉強や仕事のために認知能力を高めたいという欲求を持つのは当然だからとのこと。
また、従来の伝統的な療法では有効性が発見できていない疾患を持つ人の「希望」にもなりえるからだとのこと。
「仮にtDCSが完全なるプラセボ(偽薬)だったとしても
10%でも効果的だと感じる人がいるならば、誰が意味がないと言えるでしょうか?」とホーバス博士は述べています。
画像等
http://i.gzn.jp/img/2015/03/10/hacking-brain/a01_m.jpg
以下ソース
http://gigazine.net/news/20150310-hacking-brain/