安価でSS書くわ ID:qZafbA7R

45ジャスパー◆3VwoWSjoHw:2015/03/12(木) 20:01:54.01 ID:qZafbA7R

???「君、ちょっと待ちなさい」

ガキ「あ?なんだババァ。口元に鼻くそついてんぞ」

ババァ「鼻くそじゃないわクソガキ!ほくろですほくろ!よく見なさいほらっ!」

ガキ「いや汚い汚い。毛穴の奥に悪魔でも住んでんのかよ。なんか黒いぞ」

ババァ「だからこれほくろ!何度も言わせないでぶっ殺すわよ!」

ガキ「……なんだよ」

ババァ「ポケットの中見せなさい。私はずっとあなたを監視していたの」

ガキ「……」

ババァ「私は万引きGメンの咲子(さきこ)。あなたが店の商品をポケットに入れるところをこの目で確認しました」

ガキ「はぁ……」

咲子「溜め息つきたいのはこっちよ……。とにかく、これからお店の事務所まで来てもらいますからね」

ガキ「けっ……」

咲子「……」

ーーーーーーーーーー

咲子「えーっと……。チロルチョコが3つ……」

咲子「きな粉味と、コーヒーゼリー味と……なんだっけこれ。ニ、ニガー?」

ガキ「ヌガーな。それ黒人の前で言ってみ?俺よりタチの悪い黒いガキ産まれると思うぞ。鼻くそつけてな」

咲子「……」

店員「お前自分がしたことわかってるのか?なんだその態度」

ガキ「別に……」

咲子「はぁ……いいです。これ以上そんな態度とるようなら警察呼びますから」

ガキ「……」

咲子「この場はガキと二人きりにしてください。店員さんは仕事に戻って大丈夫です」

店員「でも……」

咲子「……いいから戻れや犯されてーか?」ボソッ

店員「ひっひいぃいいぃいッ!」

ドアバタン

ガキ「……?」

咲子「さて、ゴホン。私としてもあまり拘束する気はありません。素直に自分の罰を認めて、お店の人に謝罪をすれば許してくれると思います」

ガキ「けっ……」

咲子「あのねぇ……君のために言ってるのよ。ご両親をあまり悲しませないであげて」

ガキ「……親なんていねーよ」

咲子「……はぁ」

咲子(これは骨を折りそうね……。ククク、楽しみぃ)

咲子「わかりました。まぁ、ジュースでも飲んで。一旦心を落ち着かせてから話し合いましょう」

ガキ「……」

咲子「私は少し出てくるわ。その間に少しでも頭冷やしてちょうだいね」

ドアバタン

ガキ「あーあ……」

ガキ「チロルチョコぐらい買えば良かった……」

ガキ「なつみちゃん、心配してんだろうなぁ……」

ガキ「……」

ゴクゴク

ガキ「甘っ。オレンジジュースとか、子供扱いしてんじゃねーよあのババァ……」

48ジャスパー◆3VwoWSjoHw:2015/03/12(木) 20:59:42.93 ID:qZafbA7R

ーーーーーーーーーー
ドアガチャ

咲子「……」

ガキ「……グーグー」

咲子「ふふっ……寝てる寝てる。本当、頭の悪い子って好きだわぁ」

ガキ「……グーグー」

咲子「それじゃあ早速……」

ピタッ

ーーーーーーーーーー
ガキの夢


なつみちゃん「うふふ~うふふ~♪」

ガキ「待ってよ~なつみちゃ~ん!」

なつみちゃん「嫌~!私を捕まえて~!」

ガキ「もう~!追い付けないよ~!」

咲子「……」

咲子(なんてベタな夢なの……。なんでポケットティッシュを追いかけてるの……)

なつみちゃん「キャッ!冷た~い!」

ガキ「ほらほら~。なつみちゃんが悪いんだぞ~!」バサッバサッ

なつみちゃん「も、もう……!溶けちゃうでしょ……!」

ガキ「くらえくらえ~!」バサッバサッ

なつみちゃん「ちょっまじで!まじで溶けちゃうって!」

ガキ「あはははははは~!」バサッバサッ

なつみちゃん「アッアアアアア!!溶けるぅぅぅう!!海と一体化しちゃうゥウゥウウ!!!」

咲子「……」

ガキ「ご、ごめんなつみちゃん!俺、つい楽しくて……」

なつみちゃん「」シュワアアアア

ガキ「なつみちゃあああああああんッ!」

ガキ「俺……なんてことしちまったんだ……クッ」

咲子「ゴホンッ!」

ガキ「!?……なんでてめーが……。てかこれ俺の夢……だよな」

咲子「そうね。私はあなたを叱りに夢までやってきた。万引きがいかに悪いことか分かってくれた?」

ガキ「はぁ?……いや冗談じゃねーよ。夢でぐらい幸せ見せてくれよ」

咲子「ふふっ……まぁ冗談ですけどね。簡単な話よ」

ガキ「……」

咲子「私サキュバスなの。知ってる?サキュバス」

ガキ「いや……」

咲子「夢魔(むま)。夢の中で男の精気を食らい尽くす」

ガキ「全然意味わかんねぇ……」

咲子「……それにしても、あなたの夢って綻びがないのね。この位の子はとても複雑で、景色や色合いがメチャクチャなものなんだけど」

ガキ「いや、意味わかんねぇって。なんで俺こんなに意識はっきりしてんだ……」

咲子「私がいるもの。夢魔に襲われた子は、外部からの衝撃……もしくは私に精気を吸いとられるまではこちらがリアルなの」

ガキ「……」

咲子「最も、あなたが精気を失って目を覚ましたとしたら、それはもう事実上の死ね」

ガキ「……まじで」

咲子「ええ。体ひとつ動かせないでしょうね」

ガキ「……俺死ぬの?」

咲子「そうね。誰もあなたを起こすことはできないでしょう。そもそも店員には部屋に入るなと言ってるし」

ガキ「……」

咲子「まぁそう悲観しないで。私が生きていくための糧になるのだから」

ガキ「……なんちゅう身勝手な」

咲子「万引きしたあなたに言われたくないです」

ガキ「……確かに」

咲子「ふふふ……ごめんね。じゃあ早速━━」

ガタガタガタガタガタ

咲子「なっ!?」

ガキ「崩れていく……」

咲子「どいうこと!?まさか店員の野郎勝手に……!」

ガキ「……」

咲子「覚えておいて!私はまたあなたの前に現れる!絶対にあなたの精気を食い尽くしてやる……!」

ガキ「……うるせぇ鼻くそ」


ガタガタガタガタガタ……!

51ジャスパー◆3VwoWSjoHw:2015/03/12(木) 21:34:21.19 ID:qZafbA7R

???「……もう、はやく起きなさいよ!」

ガキ「……?」

???「こらガキ!」

ガキ「な、なんだよ……」

???「なんだよじゃないでしょ全く……!どうもすみませんうちの子が……」

店員「いやティッシュに謝られても」

ガキ「なつみちゃん……」

なつみちゃん「あんたどうして万引きなんか……。私、失望した……!あんたをこんな子に育てた覚えはないッ!」

ガキ「……なつみちゃんが起こしてくれたの?」

なつみちゃん「まぁね……。詳しいことは帰ってから……」

ガキ「……」

マスター「どうもご迷惑おかけして……。本当に、本当にすみませんでした……」

ガキ「ジジイ……」

なつみちゃん「ほらあんたも謝りな!」

ガキ「……」

ガキ「……サーセンデシャ」

店員「……まぁこちらとしても、当人が謝罪して、更正してくれるなら大事にはしませんがね」

マスター「本当ですか……!ありがとうございます……。帰ってキツく言って聞かせます……」

店員「……くれぐれも、今後犯罪に手を染めないように!では」

ドアバタン

ガキ「……ふぅ。チョロいもんだな。言葉って便利」

なつみちゃん「あんたちょっとは反省しなさいよ……」

ガキ「……」

マスター「帰るぞ」

ガキ「……怒んねーの」

マスター「……怒られたいのか?」

ガキ「いや……」

なつみちゃん「……」

ーーーーーーーーーー

カランカラン

なつみちゃん「たっだいまー!」

ガキ「相変わらず客いねーんだな」

マスター「……」

ガキ「んで……。どうして俺が捕まってるの知ってんだ。店員から連絡でもいったのか?」

マスター「いや……」

ガキ「じゃあどうして」

なつみちゃん「私よ」

ガキ「……え?だってなつみちゃんティッシュじゃん」

なつみちゃん「いやそうだけど。私はガキにこれまで何度も食べられたわよね?」

ガキ「うん。俺の成長の証だね」

なつみちゃん「だから……なのかはわからないけど、私はあんたの夢の中でも、私としての意識があるの」

ガキ「……でもなつみちゃん溶けちゃったじゃん」

なつみちゃん「ティッシュの部分はね。でも挟まれたキャバクラのカードは生き残ってたの」

なつみちゃん「喋ることはできなかったけど、あんたと……夢魔?の会話を聞き取るくらいはできた」

ガキ「……」

なつみちゃん「それをお爺さんに報告したら、血相変えてここを飛び出すんだもん。びっくりしちゃった」

マスター「……」

ガキ「ジジイ……お前……」

マスター「……」

マスター「これは、我が家の運命なのかもしれんのう……」

ガキ「どういうことだ……?」

マスター「話すべき……じゃろうのう。お前の両親のことを……」

ガキ「……」

52ジャスパー◆3VwoWSjoHw:2015/03/12(木) 22:48:38.43 ID:qZafbA7R

マスター「お前の父の名は乳男。母の名はママ子じゃ」

マスター「仲睦まじい夫婦じゃったよ。どこにでもありふれた、小さな家庭を築いていた……」

マスター「じゃがな、あれはお前が5歳のとき……じゃったかな。一人の女が現れた」

ガキ「まてよ……俺が5歳のときって、俺は両親の顔や名前すら覚えてないんだぞ」

マスター「まぁ聞け。その女は乳男にひどく惚れ込んでおったそうじゃ。妻がいる身と知りながら」

ガキ「……」

マスター「当然、乳男は相手にしなかった。大事な息子も産まれ、仕事も忙しかったからな」

マスター「女は乳男のそんな態度がさぞ気にくわなかったのじゃろう。無視を続ける乳男の妻、つまりお前の母親のママ子をな」

殺したんじゃ

ガキ「」ゾワッ

マスター「乳男は嵐のように怒り狂った。わしが会いに行ったとき、すでにあやつに昔の面影はなかったよ」

ガキ「……」

マスター「女を殺すために乳男はあらゆる手段を尽くした。が、女は死ぬどころかその状況を楽しんでいた」

マスター「なぜなら、女は人外の者じゃったから」

ガキ「……まさか」

マスター「そう、お前が出会った女。サキュバスの咲子じゃ」

マスター「それから乳男は行方をくらました。わしが知っているのは、これだけじゃ」

ガキ「……」

なつみちゃん「……」

ガキ「で、なんで俺が5歳まで両親と一緒だったなんて言うんだよ。さっきも言ったが、俺にはそんな記憶はない」

マスター「……正直に言うが、わしもわからん。わしが話してるうち、お前が何か思い出すのではと……」

ガキ「……なんだよそれ」

マスター「息子と最後に会ったとき、言われた言葉がある」

なつみちゃん「……」

ガキ「……」

マスター「 『親父、いつかお前の店に俺の息子が現れる。そのときは、何も言わずに、ガリガリ君を与えてやってくれ』 」

マスター「わしもその真意はわからんが、きっとお前がここに来ることを知っておったんじゃろう」

ガキ「……」

マスター「じゃからわしは、それを守らなければならない。まだ今日はガリガリ君を食ってはないな?」

ガキ「あぁ……」

マスター「……ほれ」

ガキ「……巨峰かよ」

マスター「ソーダ味は駄目じゃ。わしが好きだから」

ガキ「この前くれたろ。寄越せよソーダ味」

マスター「駄目じゃあああああ!それ以上冷蔵庫に近寄ったら殺すぞ」

ガキ「……」

ガキ「まぁいいけどよ」ガリガリ


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