プロットも書かずに書き出しだけ書いた小説 ID:meWNoOP4

1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2019/06/04(火) 04:21:15.95 ID:meWNoOP4

漠然とディストピアとかSFっぽいの書きたいけど設定もストーリーも浮かばない

 2020年、日本は喧しいほどにフィーバーしていた。
 
56年振りのオリンピック、10年振りの「年号の0をレンズにしたメガネ」の着用、体に優しい合法覚せい剤「安全ドラッグ」の発売開始、フィーバーしない方がおかしい。

 それなのに俺の喫茶店は相変わらず閑古鳥が大フィーバーで鳴いてるだけ。どいつもこいつも浮かれて騒ぐ第二次バブル時代の東京で、俺の店だけがボッチの携帯が如く静かに営業していた。

 原因は明白。安全ドラッグの全面禁止だ。

 今や喫茶店はコーヒーやタバコを楽しむ場所というより安全ドラッグをキメる場所と化している。ちょうど、数年前までのドトールとタバコの関係のような感じだ。
 そんな風潮の中で安全ドラッグ禁止を謳う喫茶店に人などこよう筈もない。



「今日も客来ねぇなぁ……」
「そりゃあ今時こんな喫茶店に人なんて来ないっスよ。そろそろ解禁したらどぉスか?」

一人も客がいないフロアを眺めながら溜息をついていると、バイトの芦田が『安全ドラッグ禁止』の張り紙を指差しながら呆れ顔でそう言った。

「俺は自ら安全と名乗るモンは信用しねぇんだ。女の言う安全日しかり安全を売りにするジャンクフードしかり」

オリンピックによって増える外国人観光客をリピーターにする為、安全性の検証をロクに行わず合法化を急いだ、なんて噂もあるくらいだ。そう易々と受け入れられるものではない。
その上、従来の違法薬物よりかなり効力は少なくなっていると言われているが覚醒剤は覚醒剤。使用者が騒いだり暴れたりする事もある。ゆったりする事を目的としている喫茶店には邪魔でしかない。

「なぁに言ってんスかぁ~。マスターばっきばきの童貞じゃないっスか」
「は、はぁ!? 童貞なワケねぇじゃん! この世に女は【俺に抱かれたい女】と【もう一度俺に抱かれたい女】の二種類しか居ないと言われてる超絶プレイボーイの俺が童貞なわけねぇじゃんッ!!!!」
「少なくともここに一人抱かれたくない女がいるっスよ」
「う、うるせいやい! お前みたいなガキンチョは女に入らねぇんだよ!」

クソ……いつぞや訳知り顔で『女は脇毛生えなくていいよなぁ』と言ってから完全に童貞扱いされてしまっている。
確かに童貞といえば童貞だけれども、俺の場合は精神的に成熟した精神的非童貞だ。馬鹿にされるのは心外だ。

「まぁマスターの貞操はどうでもいいっスけどね。というか安ドラ無しでどうやってお客呼ぶんすか?」


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