翌日、考えを改めた>>1がチェスターコートを纏い職場に赴くといつもと違う雰囲気に気が付く
地の底から響く唸りの様にどこか重くも密やかに、しかし止むことのないざわ付きを靴の底から体中に伝わるのを感じながら同僚にこの異様さの原因を聞いてみた
すると同僚は暗い顔で、上司が昨日の夜、急病で亡くなったと眉をひそめながら>>1に伝えた
>>1はその瞬間わけがわからなかった、理解できなかった、たくさん考えた
>>1は只管立ち尽くし意識を手繰った
気にかけてくれた上司、お節介でも人がよく皆に慕われた上司
そんな人があっけなく死んてしまったのだ
同僚の声が意識を呼び戻させた
「おい>>1、上司だけどお前に言伝があるんだよ」
同僚はそう言いながら>>1に二つ折りにされた紙を渡してきた
>>1は真っ白な頭で紙を受取り開くとそこにはこう書いてあった
「厚着しろよ」
上司は、死ぬ間際も>>1の事を気にかけていてくれたのだ
>>1は押し殺した感情が爆発して只ひたすらその場で泣き崩れた