アレクシオス「……いや、そっちが腹を割る気が無いなら、ここまでだ。祝宴は中止だ
こちらも最後の一仕事を終えたら、しばらくこのリューンから離れることにする」
アプリコット「ねえ兄貴、放っといちゃって良いの？」
ヴィーヴィ「腐っても冒険者でしょ、なら自身の力量と引き際くらい弁えてるはずよ
それが無くてくたばるようなら別の冒険者、別の冒険者の手に負えないようなら
何れあたしたちにお鉢が回ってくる、それだけの話……じゃあね不動産屋」
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かくして彼らは出会ったものの、運命は交わることなく別れていったのであった
空洞を出た後で一行が真っ先にやったこと、それは伝手の取れる限りの建築・不動産業者に
この空洞の上に建つ屋敷が、全く居住に適さない事実をチクることだった。発生源は不明だが有毒ガスに
地下水脈による地盤の侵食および水脈を通じた魔物の侵入。これだけの根拠があれば十分だった
（なお証拠として持ち帰ったスキュラの牙は、その臭さで関係者から多くの顰蹙と僅かの興味をかっていた）
それらに時間を費やしたため、調査に時間がかかったとして報酬は減額されたものの
住めない売れない、魔物も侵入してくる土地と屋敷という、比較にならない巨額の不良債権を
ムカつく依頼人に押し付けることに成功したのだった。（ちなみにセレナは『世界樹と女神教』の教祖
『聖徒ヤル』が今回の事件の原因となった吸血鬼であることを、例の教会のど真ん前で吹聴しまくっていた）
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そして報酬は減額されたものの、それを理由にアレクシオスは宿のツケを踏み倒し
また不動産屋から受け取った報酬を店主に伝えず、全額パーティの財布に放り込んだのだった
即ちこれ丸儲け……加えて四人がついにレベル９に到達した、となればいざ技能購入の旅へ出発だ！
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