ですりん「い、いやぁ......さわらないでぇっ......」ジタバタ ID:zDTxsv43

87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/09/15(火) 23:45:41.90 ID:zDTxsv43

............そしてエリカは暴漢を完膚なきまでに叩きのめし、パリの晩餐会へも悠々と時間を余らせ出席した。うふふ。やっぱり私は優雅で素敵だわ......。

..................
............
......


「......ぃ......おい............おい、おきろお」

全面を冷たいコンクリートで覆われたその部屋に、ペシリと頬を叩く音がこだまする。

「......?......ここ......は......」
「おお、やっと起きたかお」

少女はまだ、自分の置かれている状況が判然としていないようだった。

「......エリカは......パリの............い
っ!」

しかし、身動ぎと共にズキリと響いた右足の痛みが、少女を夢から連れ戻した。
右足首に、歪な鉄輪と、鎖がはめられている。
中には返しがついていて、少しでも鎖がつんのめれば、それは少女の細い足に噛みついた。

「なっ......なんなの......これっ......」

足の痛みと、恐怖、そして体を自由に動かせない苦痛が、少女を襲う。

「おっおっお。エリカたんおはようお」

この時、少女は初めて男の存在に気づいた。
油の浮いた顔に、フケだらけでボサボサの頭。
だらしない体に毛むくじゃらの手足。
とても美丈夫とは言えない醜男が、気味の悪い笑みを浮かべて立っている。

「......だ、誰よあなたっ......」
「......僕かお?僕は......エリカたんの子供の父親になる男だお」
「はぁ!?......な、なにいってんのあんた!......気持ち悪い......っ!」

男の言動に、生理的な嫌悪感がエリカの背筋に走る。
しかしそんなエリカを見て、男は尚更興奮しているようであった。

「......おっおっ。......いいお。......そういう感じ、最高だぉ......」

恍惚とした表情で顔を近づけてくる男。
きつい口臭と体臭が少女に降りかかる。

「......近寄るな、変態!」
「おっ......エリカたんは、その変態と今から一つになるんだお......」
「......っ!」

ぐに、といきなり胸を揉みしだかれ、恥ずかしさと怒りがわき出る。
男はなおもとまらず、少女の下着の中に手を忍ばせてきた。

「......ふ、ふざけんなっ!」

とっさに顔をふり、男の耳に噛みつく。
男はすぐに少女を降りきったが、耳を少し切ったのか、左頬に血が垂れていた。

「......ってぇーなお。......抵抗は良いけど暴れんじゃねえお」

男は苛立った様子で再び少女を愛撫し始める。
すかさず少女は指に噛みついた。
痛みからか、男は一瞬身を引き、そして次に少女の腹に拳を入れた。

「............ってーなお!なにしやがんだお!」
「......うぐっ......」

腹部に重い鈍痛が広がる。胃が押し上げられ、少女はその場に嘔吐した。

「......このクソアマ、ちょっと攻撃的すぎるお。上下関係をゆっくり教えてやらねえとだお」

コンクリートの床に滴り落ちる吐瀉物を見ながら、何故自分はこんなことになっているのかを自らに問う少女。薄汚れた天井に吊るしてある電球に、羽虫が幾匹集まっていた。


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