ですりん「い、いやぁ......さわらないでぇっ......」ジタバタ #72

72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/09/14(月) 01:50:55.42 ID:m7Nh0/g8

エリカがショッピングモールにつくと、時計は12時半を指していた。
西口を入ってすぐ左のカフェテラスに、見知った顔を見つけたエリカは、少し口角を上げた。

「あらですりん。貴女がエリカより早いなんてね」
「久しぶりだね、エリカ」

最近連絡がなく心配していたが、相変わらずゆるい笑みを浮かべながら彼女はそう返してきた。
手元には飲みかけのカプチーノが置いてある。

「ああ、エリカもなにか飲もうかしら」

負けじと、近くに居た店員にコーヒーを注文する。
しばらくすると、一杯の熱々のコーヒーが運ばれてきた。

「カプチーノなんて、ですりんは相変わらず子供っぽいわね」

そう言って一口。うぇぇ、苦い。

「うふふ。はい、砂糖」

察したように砂糖をいれてくれる友人に、少しほっこりとする。

「......それで?何よ、話したい事って。エリカも暇じゃ無いんだから、端的に話してよね」

もちろん一日暇である。

「うん。実は......」
「な、なによ......」

ごくりと生唾を飲み込むエリカ。

「実はね......エリカに、......エリカに会わせたい人が居るの!」

満面の笑みを浮かべるですりん。

「......はぁぁ!?」

生唾を戻したくなるエリカ。

「うふふ。ごめんねエリカ......黙ってて......でもその人凄く素敵な人なの。今朝もね......」

溢れだす自慢話を、ちょっとまったと話を遮る。

「え、え、......深刻な感じで呼び出しておいて、あんたがエリカにしたかったのはコイバナ......!?」
「え?なにかいけなかった?」
「はぁ......心配して損したわよ......もう」

呆れたような安心したような表情のエリカ。
安堵からか、少し眠くなってきた。

「......ああ、ですりんのせいで欠伸が出るわよ......で?何よ。今朝も?」
「うふふ、今朝もね」
「......うん......なに......?」
「今朝もたくさん虐めて貰ったのよぉ」

そう言って腕を捲るですりん。そこには、大小いくつもの痣や傷跡が犇めいていた。

「は、はぁっ!?あんた!!それ......どお......したの......よ......」

吸い込まれるような眠気に襲われるエリカ。
回りの景色がグルグルと溶けてゆく。

「うふふ。どうしたの、エリカ。眠いの......?もう。しょうがないんだから」
「あ......んた......な......たの......ょ」

そして、エリカは暗い暗い眠りに堕ちていった。

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