怖い話貼ってけ

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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 11:05:18.29 ID:DiW1eZu/

504 :連休厨 :02/05/02 01:50
5年前、私が中学だった頃、一人の友達を亡くしました。
表向きの原因は精神病でしたが、実際はある奴等に憑依されたからです。
私にとっては忘れてしまいたい記憶の一つですが、
先日古い友人と話す機会があり、あのときのことをまざまざと思い出してしまいました。
ここで文章にすることで、少し客観的になり恐怖を忘れられると思いますので、綴ります。

私たち(A・B・C・D・私)は皆家業を継ぐことになっていて、高校受験組を横目に暇を持て余 していました。
学校も、私たちがサボったりするのは受験組の邪魔にならなくていいと考えていたので、
体育祭後は朝学校に出て来さえすれば、後は抜け出しても滅多に怒られることはありませんでした。

ある日、友人A&Bが、近所の屋敷の話を聞いてきました。
改築したばかりの家が、持ち主が首を吊って自殺して一家は離散、空き家になってるというのです。


505 :連休厨 :02/05/02 01:53
サボった後のたまり場の確保に苦労していた私たちは、そこなら酒タバコが思う存分できると考え、
翌日すぐに昼から学校を抜けて行きました。
外から様子のわからないようなとても立派なお屋敷で、こんなところに入っていいのか少しびびりましたが、
ABは「大丈夫」を連発しながら、どんどん中に入って行きます。
既に調べを付けていたのか、勝手口が空いていました。
書斎のような所に入り、窓から顔を出さないようにして、こそこそ酒盛りを始めました。

でも大声が出せないのですぐに飽きてきて、5人で家捜しを始めました。
すぐCが「あれ何や」と、今いる部屋の壁の上の方に気が付きました。
壁の上部に、学校の音楽室や体育館の放送室のような感じの小さな窓が二つついているのです。
「こっちも部屋か」
よく見ると壁のこちら側にはドアがあって、ドアはこちら側からは本棚で塞がれていました。
肩車すると、左上の方の窓は手で開きました。
今思うと、その窓から若干悪臭が漂っていることに、そのとき疑問を持つべきでした。
それでもこっそり酒を飲みたいという願望には勝てず、無理矢理窓から部屋に入りました。

2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 11:05:53.36 ID:DiW1eZu/

506 :連休厨 :02/05/02 02:14
部屋はカビホコリと饐えたような臭いが漂っています。雨漏りしているのか、じめっとしていました。
部屋は音楽室と言えるようなものではありませんでしたが、
壁に手作りで防音材のようなものが貼ってあり、その上から壁紙が貼ってあることはわかりました。
湿気で壁紙はカピカピになっていました。
部屋の中はとりたてて調度品もなく、質素なつくりでしたが、小さな机が隅に置かれており、
その上に真っ黒に塗りつぶされた写真が、大きな枠の写真入れに入ってました。
「なんやこれ、気持ち悪い」と言って、友人Aが写真入れを手にとって持ち上げた瞬間、
額裏から一枚の紙が落ち、その中から束になった髪の毛がバサバサ出てきました。
紙は御札でした。
みんなヤバと思って声も出せませんでした。
顔面蒼白のAを見て、Bが急いで出ようと言い、逃げるようにBが窓によじ登ったとき、
そっちの壁紙全部がフワッとはがれました。
写真の裏から出てきたのと同じ御札が、壁一面に貼ってありました。


561 :連休厨 :02/05/02 20:24
「何やこれ」
酒に弱いCは、その場でウッと反吐しそうになりました。
「やばいてやばいて」
「吐いてる場合か急げ」
よじのぼるBの尻を私とDでぐいぐい押し上げました。
何がなんだかわけがわかりませんでした。
後ろではだれかが「いーーー、いーーー」と声を出しています。
きっとAです。祟られたのです。
恐ろしくて振り返ることもできませんでした。
無我夢中でよじのぼって、反対側の部屋に飛び降りました。
Dも出てきて、部屋側から鈍いCを引っ張り出そうとすると、「イタイタ。引っ張んな足!」とCが叫びます。
部屋の向こうではAらしき声が、わんわん変な音で呻いています。
Cはよほどすごい勢いでもがいているのか、Cの足がこっちの壁を蹴る音がずんずんしました。


562 :連休厨 :02/05/02 20:26
「B!かんぬっさん連れて来い!」
後ろ向きにDが叫びました。
「なんかAに憑いとる!裏行って神社のかんぬっさん連れて来いて!」
Bが縁側から裸足でダッシュしていき、私たちは窓からCを引き抜きました。
「足!足!」
「痛いか?」
「痛うはないけど、なんか噛まれた」
見ると、Cの靴下のかかとの部分は丸ごと何かに食いつかれたように丸く歯形がついて、唾液で濡れています。
相変わらず中からはAの声がしますが、怖くて私たちは窓から中を見ることができませんでした。
「あいつ俺に祟らんかなぁ」
「祟るてなんや、Aはまだ生きとるんぞ」
「出てくるときめちゃくちゃ蹴ってきた」

「しらー!」
縁側からトレーナー姿の神主さんが真っ青な顔して入ってきました。
「ぬしら何か!何しよるんか!馬鹿者が!」
一緒に入ってきたBは、もう涙と鼻水でぐじょぐじょの顔になっていました。
「ええからお前らは帰れ。こっちから出て、神社の裏から社務所入って、ヨリエさんに見てもらえ。
 あと、おい!」
と、いきなり私を捕まえ、後ろ手にひねり上げられました。
後ろで何かザキっと音がしました。
「よし行け」
そのままドンと背中を押されて私たちは、わけのわからないまま走りました。

それから裏の山に上がって神社の社務所に行くと、中年の小さいおばさんが白い服を着て待っていました。
めちゃめちゃ怒られたような気もしますが、それから後は逃げた安堵感でよく覚えていません。

3以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 11:06:28.45 ID:DiW1eZu/

564 :連休厨 :02/05/02 20:34
それからAが学校に来なくなりました。
私の親が神社から呼ばれたことも何回かありましたが、詳しい話は何もしてくれませんでした。
ただ、山の裏には絶対行くなとは言われました。
私たちもあんな恐ろしい目に遭ったので、山など行くはずもなく、学校の中でも小さくなって過ごしていました。

期末試験が終わった日。生活指導の先生から呼ばれました。
今までの積み重ねまとめて大目玉かな、殴られるなこら、と覚悟して進路室に行きました。
すると私の他にもBとDが座っています。神主さんも来ていました。生活指導の先生などいません。
私が入ってくるなり神主さんが言いました。
「あんなぁ、Cが死んだんよ」
信じられませんでした。
Cが昨日学校に来ていなかったことも、そのとき知りました。
「学校さぼって、こっちに括っ取るAの様子を見にきよったんよ。
 病院の見舞いじゃないとやけん、危ないってわかりそうなもんやけどね。
 裏の格子から座敷のぞいた瞬間にものすごい声出して、倒れよった。
 駆けつけたときには、白目むいて虫螺の息だった」
Cが死んだのにそんな言い方ないだろうと思って、ちょっと口答えしそうになりましたが、
神主さんは真剣な目で私たちの方を見ていました。
「ええか、Aはもうおらんと思え。Cのことも絶対今から忘れろ。
 アレは目が見えんけん、自分の事を知らん奴の所には憑きには来ん。
 アレのことを覚えとる奴がおったら、何年かかってもアレはそいつのところに来る。来たら憑かれて死ぬんぞ。
 それと、後ろ髪は伸ばすなよ。
 もしアレに会って逃げたとき、アレは最初に髪を引っ張るけんな」


565 :連休厨 :02/05/02 20:36
それだけ聞かされると、私たちは重い気持ちで進路室を出ました。
そのとき神主さんは、私の伸ばしていた後ろ毛をハサミで切ったのです。
何かのまじない程度に思っていましたが、まじないどころではありませんでした。
帰るその足で床屋に行き、丸坊主にしてもらいました。


568 :連休厨 :02/05/02 21:02
卒業して家業を継ぐという話は、その時から諦めなければいけませんでした。
その後私たちはバラバラの県で進路につき、
絶対に顔を合わせないようにしよう、もし会っても他人のふりをすることにしなければなりませんでした。

私は1年遅れて隣県の高校に入ることができ、過去を忘れて自分の生活に没頭しました。髪は短く刈りました。
しかし、床屋で「坊主」を頼むたび、私は神主さんの話を思い出していました。
今日来るか、明日来るか、と思いながら、長い3年が過ぎました。

その後、さらに浪人して、他県の大学に入ることができました。
しかし、少し気を許して盆に帰省したのがいけませんでした。
もともと私はおじいちゃん子で、祖父はその年の正月に亡くなっていました。
急のことだったのですが、『せめて初盆くらいは帰ってこんか』と電話で両親も言っていました。
それがいけませんでした。


569 :連休厨 :02/05/02 21:11
駅の売店で新聞を買おうと寄ったのですが、中学時代の彼女が売り子でした。
彼女は私を見るなりボロボロと泣き出して、BとDがそれぞれ死んだことをまくし立てました。

Bは卒業後まもなく、下宿の自室に閉じこもって首をくくったそうです。
部屋は雨戸とカーテンが閉められ、部屋じゅうの扉という扉を封印し、
さらに自分の髪の毛を、その上から一本一本几帳面に張り

4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 11:07:03.54 ID:DiW1eZu/

570 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/05/02 21:16
胸が強く締め付けられるような感覚で家に帰り着くと、家には誰もいませんでした。
後で知ったことですが、私の地方は忌廻しと云って、
特に強い忌み事のあった家は、本家であっても初盆を奈良の寺で行う、という風習があったのです。
私は連れてこられたのでした。


571 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/05/02 21:17
それから3日、私は39度以上の熱が続き、実家で寝込まなければなりませんでした。
このとき私は死を覚悟しました。仏間に布団を敷き、なるだけ白い服を着て、水を飲みながら寝ていました。

3日目の夜明けの晩、夢にAが立ちました。
Aは骨と皮の姿になり、黒ずんで、白目でした。
「お前一人やな」
「うん」
「お前もこっち来てくれよ」
「いやじゃ」
「Cが会いたがっとるぞ」
「いやじゃ」
「おまえ来んと、Cは毎日リンチじゃ。逆さ吊りで口に靴下詰めて蹴り上げられよるぞ、かわいそうやろ」
「うそつけ。地獄がそんな甘いわけないやろ」
「ははは・・・地獄か、地獄ちゅうのはなぁ」

そこで目を覚ましました。
自分の息の音で喉がヒイヒイ音を立てていました。
枕元を見ると、祖父の位牌にヒビが入っていました。


572 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/05/02 21:19
私は考えました。
アレの話を私と同じように多くの人に話せば、アレが私を探し当て、私が憑依される確率は下がるのではないか。
ここまでの長文、たいへん失礼しました。おおざっぱな書き方では、読んだ方の記憶に残らないと思ったのです。
読んだ方は申し訳ないのですが、犬に噛まれたとでも思ってください。
ご自分の生存確率を上げたければ、この文章を少しでも多くの方の目に晒すことをおすすめします。

5以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 11:09:12.42 ID:DiW1eZu/

39 :長文スマソ:03/02/04 17:50
先月のことです。Aと俺は山へ測量に入りました。

山の測量に行く時は、最低3人で行くようにしていたんですけど、
行くハズだった奴がインフルエンザで倒れて、他に手の空いてる人も居なかったんで、
しょうがなく2人で行くことになったわけです。
でもやっぱり不安だったんで、境界を案内してくれる地元のおっさんに、ついでに測量も手伝ってくれるように頼みました。
おっさんは賃金くれればOKという事で、俺たちは3人で山に入りました。

前日からの雪で山は真っ白でした。
でもポールがよく見えるので、測量は意外にサクサク進みました。

午前中一杯かかって尾根の所まで測ったところで、おっさんの携帯が鳴りました。
おっさんはしばらく話をしていましたが、通話を終えると、急に用事ができたので下りると言い出したのです。
おいおいって思ったんですけど、「あとは小径に沿って土地の境界やから、そこを測っていけばイイから」って言われて、
小径沿いだったら大丈夫かもな、まぁしゃーないか、みたいなムードで、
結局、Aと俺の二人で続きをやることになりました。

ところが、おっさんと別れてすぐ、急に空が曇ってきて天候が怪しくなってきました。
「このまま雪になるとヤバイよな」なんて言いながら、Aと俺は早く済まそうと思ってペースを上げました。


640 :639:03/02/04 17:51
ところで、俺らの会社では山の測量するのに、ポケットコンパスって呼ばれている器具を使っています。
方位磁石の上に小さな望遠鏡が付いていて、それを向けた方向の方位や高低角が判るようになっています。
軽くて丈夫で扱いが簡単なので、山の測量にはもってこいなんです。
俺はコンパスを水平に据え、ポールを持って立っているAの方に望遠鏡を向けて覗きました。
雪に覆われた地面と、枝葉に雪をかかえた木立が見えますが、ポールもAの姿も見えません。
少し望遠鏡を動かすとロン毛の頭が見えたので、次にポールを探して、目盛りを読むためにピントを合わせました。
『あれ?』
ピントが合うと、俺はおかしなことに気付きました。
俺たちはヘルメットを被って測量をしていたのですが、Aはなぜかメットを脱いでいて、後ろを向いています。
それにAの髪の毛は茶髪だったはずなのに、今見えているのは真っ黒な髪です。
『おかしいな』
望遠鏡から目を上げると、Aがメットを被り、こっちを向いて立っているのが見えました。
が、そのすぐ後ろの木立の隙間に人の姿が見えます。
もう一度望遠鏡を覗いて、少し動かしてみました。

6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 11:09:49.78 ID:DiW1eZu/

641 :639:03/02/04 17:53
女がいました。立木に寄りかかるように、後ろ向きで立っています。
白っぽい服を着ていて、黒い髪が肩を覆っていました。
『こんな雪山に・・・なんで女?』
俺はゾッとして、望遠鏡から目を離しました。
「おーい!」
Aが俺の方に声を掛けてきました。
すると、それが合図だったかのように、女は斜面を下って木立の中に消えてしまいました。
「なにやってんスかー。はよして下さいよー」
Aのその声で、俺は我に返りました。

コンパスを読んで野帳に記入した後、俺は小走りでAのそばに行って尋ねました。
「今、お前の後ろに女立っとったぞ、気ぃついてたか?」
「またそんなこと言うて、止めてくださいよー」
笑いながらそんなことを言っていたAも、俺が真剣だとわかると、
「・・・マジっすか?イヤ、全然わかりませんでしたわ」と、表情が強ばりました。


642 :639:03/02/04 17:54
Aと俺は、あらためて木立の方を探りましたが、木と雪が見えるばかりで女の姿はありません。
「登山してるヤツとちゃうんですか?」
「いや、そんな風には見えんかった・・・」
そこで俺は気付きました。
あの女は、この雪山で一人で荷物も持たず、おまけに半袖の服を着ていたんです。
「それ、ほんまにヤバイじゃないっスか。気狂い女とか・・・」
Aはかなり怯えてました。
俺もビビってしまい、居ても立ってもいられない心持ちでした。

そんなことをしているうちに周囲はだんだん暗くなって、とうとう雪が降ってきました。
「はよ終わらして山下ろ。こらヤバイわ」
俺たちは慌てて測量作業を再開しました。

天候はドンドン悪化して、吹雪のようになってきました。
ポールを持って立っているAの姿も見にくいし、アッという間に降り積もる雪で小径もわかりづらくなってきました。
携帯も圏外になっていました。
俺は焦ってきて、一刻も早く山を下りたい一心でコンパスを据え付けました。
レベルもろくに取らずに、Aの方に望遠鏡を向けようとしてそっちを見ました。
すると、さっきの女がAのすぐ後ろに立っていました。


645 :639:03/02/04 18:10
今度は前を向いているようですが、吹雪のせいで良く見えません。
Aは気付いていないのか、じっと立っていました。
「おーい!」
俺が声をかけてもAは動こうとしません。
すると、女のほうが動くのが見えました。
慌てて望遠鏡をそっちに向けてビビリながら覗くと、
女は目を閉じてAの後ろ髪を掴み、後ろから耳元に口を寄せていました。
何事か囁いているような感じです。
Aは逃げようともしないで、じっと俯いていました。
女はそんなAに囁き続けています。
俺は恐ろしくなって、ガクガク震えながらその場に立ち尽くしていました。

やがて女はAの側を離れ、雪の斜面を下り始めました。
すると、Aもその後を追うように、立木の中へ入って行きます。
「おーい!A!何してるんや!戻れー!はよ戻ってこい!」
しかしAはそんな俺の声を無視して、吹雪の中、女の後を追いかけて行きました。
俺は測量の道具を放り出して後を追いました。
Aはヨロヨロと木立の中を進んでいます。
「ヤバイって!マジで遭難するぞ!」
このままでは自分もヤバイ。
本気でそう思いました。
逃げ出したいっていう気持ちが爆発しそうでした。
周囲は吹雪で真っ白です。

7以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 11:10:26.57 ID:DiW1eZu/

647 :639:03/02/04 18:11
それでも、何とかAに近づきました。
「A!A!しっかりせえ!死んでまうぞ!」
すると、Aがこっちを振り向きました。
Aは虚ろな目で、あらぬ方向を見ていました。
そして、全く意味のわからない言葉で叫びました。
「*******!***!」
口が見たこともないくらい思いっきり開いていました。ホンキで下あごが胸に付くくらい。
舌が垂れ下がり、口の端が裂けて血が出ていました。
あれは完全にアゴが外れていたと思います。
そんな格好で、今度は俺の方に向かってきました。
「・・・****!***!」
それが限界でした。
俺はAも測量の道具も何もかも放り出して、無我夢中で山を下りました。
車の所まで戻ると、携帯の電波が届く所まで走って、会社と警察に電話しました。


648 :639:03/02/04 18:12
やがて捜索隊が山に入り、俺は事情聴取されました。
最初はあの女のことをどう説明したらよいのか悩みましたが、結局見たままのことを話しました。
警察は淡々と調書を取っていました。
ただ、『Aに女が何かを囁いていた』というところは、繰り返し質問されました。

翌々日、遺体が一つ見つかりました。
白い夏服に黒髪。
俺が見たあの女の特徴に一致していました。

俺は警察に呼ばれて、あの時の状況についてまた説明させられました。
その時に警察の人から、その遺体についていろいろと聞かされました。
女の身元はすぐにわかったそうです。
去年の夏に、何十キロも離れた町で行方不明になっていた女の人でした。
ただ、なぜあんな山の中に居たのかはわからない、と言うことでした。
俺はあの時のことはもう忘れたいと思っていたので、そんなことはどうでもエエ、と思って聞いていました。

けれど、一つ気になることがありました。
女の遺体を調べたところ、両眼に酷い損傷があったそうです。
俺は、Aのヤツそんなことをしたのか、と思いましたが
どうも違ったみたいで、その傷は随分古いものだったようです。
「目はぜんぜん見えんかったはずや」
警察の人はそう言いました。


649 :639:03/02/04 18:13
結局、Aの行方は今でもわかっていません。
残された家族のことを考えると、Aには生きていて欲しいとは思いますが、
あの時のことを思い出すと、正直なところ、もう俺はAに会いたくありません。

ただ、何となく嫌な予感がするので、先週、髪を切って坊主にしました。

8以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 11:11:35.53 ID:DiW1eZu/

655 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/04 19:16
>>639
アレ?この話
・後ろ髪引っ張られる
・目が潰されている
・坊主にする

これって、どっかで聞いたような・・・


664 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/04 20:50
>>655
すごい気になる。教えれ。


667 :655:03/02/04 20:58
>>664
単なる思いつきで自信ないんですけど、
前スレのパート?で似たような話を見たような・・・
廃屋で何かに憑かれて神主さんが出てくるやつ。
後ろ髪を引っ張って取り憑くとかなんとか・・・


70 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/02/04 21:06
>>667
自己責任?(※>>1の話)


672 :655:03/02/04 21:51
>>670
そう!それです!
さっき過去ログのpart13見てきました。その話です。


673 :639:03/02/04 23:12
>>670 672
ああ、やっぱりそう思いますか。
俺もその話、前に読んだことがあって、
そんで、今回のことで気になりだして、髪の毛ボーズにしたんです。

Aも髪の毛のばしてたし。
あの話(自己責任)の方言見てると、女が行方不明になった町に近い感じがしたし、
俺はまあ勝手に、女に憑いてたモノがAに移って、それで女は死んでもたんかなぁって考えて。
で、Aは今どこにおるんやろうって思うと、なんか怖くて髪の毛切ったんです。

ここへ書き込んだのは、ちょっと感じワルイかもしれへんけど、誰かの反応を見たかったんです。
俺の不安が(自己責任の話と共通点がある)普通レベルのものなのか、妄想レベルなのかが知りたかったんです。

9以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 15:41:40.52 ID:jllz2dov

なんとも懐かしいの引っ張ってきたな

10以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 16:58:30.79 ID:XT9BYMn+

815 : 可愛い奥様@\(^o^)/[sage] 投稿日:2015/04/13(月) 16:32:23.70 ID:UUGPFXjd0.net [1/1回]
>>777
ロスのリトル東京が韓国系に乗っ取られている話は聞いた事があったけど、
サンパウロもなんだ…

私が聞いたのは、海外の日本人がお金持ちの方がお金を寄付してくれて
日系人限定の老人ホームを作って(老化とともに日本語しか話せなくなる人が
いて、現地の老人ホームに入れないから、日本人同士で助け合いのために作った)、
スタッフもボランティア中心でやっていた。入居条件が日本国籍か、元日本国籍限定
だったんだけど、一人の在日が日本語話せるし入れて欲しいといいはじめて(安いんだ)
その人と特例で入れたら、在日がたくさんやってくるようになって、その後韓国人も
入るようになって、最後には日本人は入れなくなった。ボランティアで働いている日本人は
やめさせてくれなくて相談してた。日本人の寄付と労力の上に、韓国人が居座っちゃった。

11以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 18:31:35.11 ID:5+OoSvfM

鏡に向かってお辞儀したら真後ろの畳に真っ黒いやつが座ってたって話読みたい

12以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 19:38:02.15 ID:DiW1eZu/

>>11
長いからリンク貼る
http://nazolog.com/blog-entry-3364.html

13以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 20:01:28.08 ID:Z798eHJk

こわひ

14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 20:41:11.27 ID:5+OoSvfM

>>12
ありがとうこれだ!

15以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 21:27:23.66 ID:DiW1eZu/

167 :1/3:2007/02/05(月) 22:47:31 ID:uuWi3n130
一週間前の話。

娘を連れてドライブに行った。
なんてことない山道を進んでいって、途中のドライブインで飯食って。
で、娘を脅かそうと思って、舗装されてない脇道に入り込んだ。
娘の制止が逆に面白くって、どんどん進んでいったんだ。
そしたら、急にエンジンが停まってしまった。
山奥だからケータイもつながらないし、車の知識もないから、娘と途方に暮れてしまった。
飯食ったドライブインも、歩いたら何時間かかるか。
で、しょうがないからその日は車中泊して、次の日の朝から歩いてドライブイン行くことにしたんだ。

車内で寒さをしのいでるうち、夜になった。
夜の山って何も音がしないのな。たまに風が吹いて木がザワザワ言うぐらいで。
で、どんどん時間が過ぎてって、娘は助手席で寝てしまった。
俺も寝るかと思って目を閉じてたら、何か聞こえてきた。
今思い出しても気味悪い、声だか音だかわからん感じで
「テン(ケン?)・・・ソウ・・・メツ・・・」って何度も繰り返してるんだ。
最初は聞き間違いだと思い込もうとして、目を閉じたままにしてたんだけど、
音がどんどん近づいてきてる気がして、たまらなくなって目を開けたんだ。


168 :2/3:2007/02/05(月) 22:48:10 ID:uuWi3n130
そしたら、白いのっぺりした何かが、めちゃくちゃな動きをしながら車に近づいてくるのが見えた。
形は『ウルトラマン』のジャミラみたいな、頭がないシルエットで、足は一本に見えた。
そいつが、
例えるなら『ケンケンしながら両手をめちゃくちゃに振り回して身体全体をぶれさせながら』向かってくる。
めちゃくちゃ怖くて叫びそうになったけど、なぜかそのときは、
隣で寝てる娘がおきないようにって変なとこに気が回って、叫ぶことも逃げることもできないでいた。
そいつはどんどん車に近づいてきたんだけど、どうも車の脇を通り過ぎていくようだった。
通り過ぎる間も、「テン・・・ソウ・・・メツ・・・」って音がずっと聞こえてた。

音が遠ざかっていって、後ろを振り返ってもそいつの姿が見えなかったから、ほっとして娘の方を向き直ったら、
そいつが助手席の窓の外にいた。
近くでみたら、頭がないと思ってたのに、胸のあたりに顔がついてる。
思い出したくもない、恐ろしい顔でニタニタ笑ってる。
俺は怖いを通り越して、娘に近づかれたって怒りが沸いてきて、「この野郎!!」って叫んだんだ。
叫んだとたんそいつは消えて、娘が跳ね起きた。
俺の怒鳴り声にびっくりして起きたのかと思って、娘にあやまろうと思ったら、
娘が「はいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれたはいれた」ってぶつぶつ言ってる。

16以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/13(月) 21:28:19.43 ID:DiW1eZu/

169 :3/3:2007/02/05(月) 22:48:49 ID:uuWi3n130
やばいと思って、何とかこの場を離れようとエンジンをダメ元でかけてみた。そしたらかかった。
急いで来た道を戻っていった。娘はとなりでまだつぶやいている。
早く人がいるとこに行きたくて、車を飛ばした。

ようやく街の明かりが見えてきて、ちょっと安心したが、
娘のつぶやきが、「はいれたはいれた」から「テン・・ソウ・・メツ・・」にいつの間にか変わってて、
顔も娘の顔じゃないみたいになってた。

家に帰るにも娘がこんな状態じゃ、って思って、目についた寺に駆け込んだ。
夜中だったが、寺の隣の住職が住んでるとこ?には明かりがついてて、娘を引きずりながらチャイムを押した。
住職らしき人が出てきて、娘を見るなり俺に向かって「何をやった!」って言ってきた。
山に入って変な奴を見たことを言うと、残念そうな顔をして、
「気休めにしかならないだろうが」と言いながらお経をあげて、娘の肩と背中をバンバン叩き出した。

住職が泊まってけというので、娘が心配だったこともあって、泊めてもらうことにした。
娘は『ヤマノケ(住職はそう呼んでた)』に憑かれたらしく、
49日経ってもこの状態が続くなら、一生このまま正気に戻ることはないらしい。
住職はそうならないように、娘を預かって、何とかヤマノケを追い出す努力はしてみると言ってくれた。
妻にも俺と住職から電話して、なんとか信じてもらった。
住職が言うには、あのまま家に帰っていたら、妻にもヤマノケが憑いてしまっただろうと。
ヤマノケは女に憑くらしく、完全にヤマノケを抜くまでは、妻も娘に会えないらしい。

一週間たったが、娘はまだ住職のとこにいる。毎日様子を見に行ってるが、もう娘じゃないみたいだ。
ニタニタ笑って、なんともいえない目つきで俺を見てくる。
早くもとの娘に戻って欲しい。

遊び半分で山には行くな。

17以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/14(火) 19:53:42.87 ID:h0bsW81Y

一人暮らしをしている大学生の男がいた。
男が住んでいるのはごく普通のアパートだが、たまにおかしなことが起こった。
大学から帰ってくるとカーテンの形やゴミ箱の位置などが微妙に変わっている気がするのだ。
最近は誰かにつけられてる様な気もしてきた、流石に気味が悪くなってきた男は大学の友人に相談した。

男が「もしかして…ストーカーかな?警察に言うのが一番良いと思うけど…
警察は実際に被害が無いと動いてくれないって聞くしなぁ…どうしよ……。」
と困っていると、友人は
「…じゃあ大学に行ってる間ビデオカメラで部屋を撮影しておいて、もしストーカーが部屋に侵入してるのが撮れたらそのテープもって警察に行けば良いじゃん、不法侵入してるわけだからさすがに警察も動いてくれるだろ。」
と具体的な解決策を提示してくれた、やはり持つべきは友!
これは良い案だ!と思った男は早速次の日の朝、部屋にビデオカメラを設置して録画状態のまま大学へ行った。

大学から帰ってきた男は焦った、久々に部屋に違和感がある、
「これは期待出来る、マジにストーカー写ってるかも…」
と思いながらビデオの録画を止め、再生した。

しばらくは何も写らなかった。
しかし夕方になると、知らない女が包丁を持って部屋に入ってきたのだ。
「…!!!!!!」

ビビった男はすぐに友人に電話をかけた、
「ヤッベー! 写ってる写ってるストーカー写ってる!!!!」
と若干興奮気味に伝え、それからは録画を見ながら友人に内容を実況した。
「ゴミ箱漁ってるよぉ…」「今度は服の匂い嗅いでる…キメェ!!」

今までコイツは何回も来ていたのかと思うと男は背筋が凍る思い
だった。「これで警察も動いてくれるなぁ」と少しホッとしてると、画面の中の女は押入れに入った。

「うっわ…押し入れの中入ったよ、しかもなかなか出てこない……」
などと友人と喋っていると、また誰かが部屋に入ってきた。

男は言葉を詰まらせた。
部屋に入って来たのは自分だった。
そしてビデオの中の自分はカメラに近付き録画を止める。


そこでビデオは終わっていた。

18以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/14(火) 21:09:57.26 ID:UfJ+1FRv

見てる

19以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/14(火) 21:13:07.95 ID:ZcrSBccP

見てない

20以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/14(火) 21:26:59.10 ID:BUqe26AM

やっぱ読まなきゃよかった

21以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/14(火) 22:10:48.93 ID:h0bsW81Y

348:仲居(神奈川県) :2010/08/29(日) 22:15:52.10 ID:B9sTwHC/0
むかーしテレクラでアポった女が見るからにメンヘラで、ごめんなさいして車で帰ろうとしたら
すごい形相で「なんでよ!」っていいながら窓から手を突っ込んできて掴まれた
怖くなって急いで車出したけど、女は窓にしがみついて離れず、
待てやぁぁ!とかいいながらひきずられてる
ますます怖くなって思い切りアクセル踏んでドリフト気味に交差点を曲がったら、
ポーン!と飛んで道の向こう側の畑を

ゴロゴロ転がって行った 
もう西部警察みたいだったけど、死んでないよな?

349:メンヘラ(神奈川県) :2010/08/29(日) 22:18:55.73 ID:Dl5D0qA90
>>348
8年くらい前か?

351:仲居(神奈川県) :2010/08/29(日) 22:23:39.84 ID:B9sTwHC/0
>>349
そのくらい。平塚の田舎の方
つかお前の名前怖すぎだろw

360:メンヘラ(神奈川県) :2010/08/29(日) 22:41:12.99 ID:Dl5D0qA90
>>351
車はワンボックスか

367:仲居(神奈川県) :2010/08/29(日) 22:55:59.29 ID:B9sTwHC/0 []
>>360
もうやめて

22以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/14(火) 22:12:06.66 ID:BUqe26AM

奇跡の再開

23以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/14(火) 23:28:54.13 ID:g97QwKlL

>>21
コピペなのか洒落怖なのか知らんけどこれ好き

24以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/15(水) 22:58:47.76 ID:Ia0dqshj

25以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/16(木) 07:03:16.72 ID:hUk05uoF

>>15
Tさんの方じゃない元ネタ初めて見た

26以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/16(木) 19:19:44.81 ID:jRk4MTx0

116 名前:た 投稿日:2000/09/30(土) 19:18
マユミという名の女子高生が学校に向かって歩いていました。
いつもと同じ時間に、いつもの道をいつもと同じ速さで歩いていく。
すると、ふと目の前に同じ学校の制服が見えた。近づいていくと、それは同じクラスの生徒で、
しかもいつもいじめられている女の子だ。クラス全員が彼女をイジメていた。
先生もイジメを知りながらも見て見ぬふりをしていた。
女子校なので、結構エグイことをする。無視をする時もあれば、
使用済みの生理用品を机の上に置いたりなんてこともあった。
マユミちゃんも、特に彼女を憎らしいと思ったことはなかったが、
自分だけイジメをしないわけにもいかず、周りにあわせて、
無視やひどいことを言ったりしたりしていた。
だんだん近づいていくと、いじめられっこの彼女がとっても嬉しそうな顔をしているのが見えた。
幸せそうな笑顔で飛び跳ねている。
マユミちゃんは、その姿を不思議に思いながらも彼女のすぐ近くまで来た。
彼女はマンホールの上で跳ねていた。とっても幸せそうな顔をして、
なぜか「九、九、九…」と言っている。
「何してるの?」尋ねてみた。
しかし、彼女は返事をせずに「九、九、九…」といいながら跳ねている。
「無視してんじゃないよ」今度は口調を強めて言った。
しかし、彼女は返事をしないで、相変わらず同じことを続けている。

27以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/16(木) 19:20:51.27 ID:jRk4MTx0

117 名前:名無しの多摩っ子 投稿日:2000/09/30(土) 19:22
今まで、特別に彼女を憎らしく思っていなかったが、嬉しそうに、
しかも自分を無視したことで、何か急にとてつもなく強い感情が湧き起こってきた。
しかし、それを抑え込んで、「なんで、そんなことしてんのよ?」もう一度尋ねた。
それでも、彼女は何も聞こえないみたいに嬉しそうに跳ねている。
ここにきて、マユミちゃんの中で今までと違った感情が生まれた。
ひょっとしたら‘マンホールの上で数字を言いながら跳ねる’ということは
とっても楽しいことではないのか、そんなことを思った。
バカらしいとは考えつつも、微かにそんな思いが頭の中をよぎった。
複雑な思いに戸惑いを感じながらも、
とにかくマンホールの上で楽しそうに跳ねる彼女の邪魔をしたくなった。
いじめられっこの彼女がなんでこんな楽しそうにしているの、なにか納得できない、
そんな感情に身を任せ「ちょっと退きなさい。私がやるから」そう言って、
強引に彼女を押しのけ、マンホールの上に立った。
足をわずかに曲げ、すこし腰を低くしてから思いっきり上に跳びあがる。
その瞬間、となりに押しのけられた彼女がすばやく渾身の力でマンホールの蓋を取った。
マユミちゃんは真っ直ぐマンホールの下に落ちていく。
彼女は蓋を閉めて、とっても幸せそうな顔で、再びその上でジャンプして、
今度は「十、十、十…」と言いはじめた。

28以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/16(木) 19:25:09.64 ID:tv1wXVhT

おう‥‥

29以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/16(木) 19:39:07.38 ID:L2WHVaXW

マンホールの蓋、素手でジャンプして着地までに取れへんやろ…

30以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/16(木) 20:58:26.82 ID:MS9f2YqW

軽くて丈夫な蓋に変えてたのかもしれないし…

31以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/16(木) 21:14:12.53 ID:Rv31u3nt

軽い蓋としても、ジャンプしてる瞬間に抜き取れなければ…と考えると怖いな

32以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/16(木) 23:02:17.79 ID:MS9f2YqW

>>31
ゾッとした

33以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/16(木) 23:09:08.03 ID:SluNruwF

怖い話

34以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 19:55:20.31 ID:UNkunrjA

908 1/1 sage 2008/08/26(火) 09:45:56 ID:VFtYjtRn0
親父の実家は自宅から車で二時間弱くらいのところにある。
農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗る
ようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。
じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。
でも、最後に行ったのが高校三年にあがる直前だから、もう十年以上も行っていないことになる。
決して「行かなかった」んじゃなくて「行けなかった」んだけど、その訳はこんなことだ。

春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われてじいちゃんの家にバイクで行った。
まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこでしばらく寛いでいた。そうしたら、

「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ…」

と変な音が聞こえてきた。機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じがした。
それも濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるような感じだった。
何だろうと思っていると、庭の生垣の上に帽子があるのを見つけた。
生垣の上に置いてあったわけじゃない。
帽子はそのまま横に移動し、垣根の切れ目まで
来ると、一人女性が見えた。まあ、帽子はその女性が被っていたわけだ。
女性は白っぽいワンピースを着ていた。

でも生垣の高さは二メートルくらいある。その生垣から頭を出せるってどれだけ背の高い女なんだ…
驚いていると、女はまた移動して視界から消えた。帽子も消えていた。
また、いつのまにか「ぽぽぽ」という音も無くなっていた。

35以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 19:56:07.69 ID:UNkunrjA

909 2/9 sage 2008/08/26(火) 09:46:59 ID:VFtYjtRn0
そのときは、もともと背が高い女が超厚底のブーツを履いていたか、踵の高い靴を履いた背の高い男が女装したかくらいにしか思わなかった。

その後、居間でお茶を飲みながら、じいちゃんとばあちゃんにさっきのことを話した。
「さっき、大きな女を見たよ。男が女装してたのかなあ」
と言っても「へぇ~」くらいしか言わなかったけど、
「垣根より背が高かった。帽子を被っていて『ぽぽぽ』とか変な声出してたし」
と言ったとたん、二人の動きが止ったんだよね。いや、本当にぴたりと止った。

その後、「いつ見た」「どこで見た」「垣根よりどのくらい高かった」
と、じいちゃんが怒ったような顔で質問を浴びせてきた。
じいちゃんの気迫に押されながらもそれに答えると、急に黙り込んで廊下にある電話まで行き、どこかに電話をかけだした。
引き戸が閉じられていたため、何を話しているのかは良く分からなかった。
ばあちゃんは心なしか震えているように見えた。

じいちゃんは電話を終えたのか、戻ってくると、
「今日は泊まっていけ。いや、今日は帰すわけには行かなくなった」と言った。
――何かとんでもなく悪いことをしてしまったんだろうか。
と必死に考えたが、何も思い当たらない。あの女だって、自分から見に行った
わけじゃなく、あちらから現れたわけだし。

そして、「ばあさん、後頼む。俺はKさんを迎えに行って来る」
と言い残し、軽トラックでどこかに出かけて行った。

36以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 19:56:44.68 ID:UNkunrjA

910 3/9 sage 2008/08/26(火) 09:48:03 ID:VFtYjtRn0
ばあちゃんに恐る恐る尋ねてみると、
「八尺様に魅入られてしまったようだよ。じいちゃんが何とかしてくれる。何にも心配しなくていいから」
と震えた声で言った。
それからばあちゃんは、じいちゃんが戻って来るまでぽつりぽつりと話してくれた。

この辺りには「八尺様」という厄介なものがいる。
八尺様は大きな女の姿をしている。名前の通り八尺ほどの背丈があり、「ぼぼぼぼ」と男のような声で変な笑い方をする。
人によって、喪服を着た若い女だったり、留袖の老婆だったり、野良着姿の年増だったりと見え方が違うが、女性で異常に背が高いことと頭に何か載せていること、それに気味悪い笑い声は共通している。
昔、旅人に憑いて来たという噂もあるが、定かではない。
この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村、今で言う「大字」にあたる区分)に地蔵によって封印されていて、よそへは行くことが無い。
八尺様に魅入られると、数日のうちに取り殺されてしまう。
最後に八尺様の被害が出たのは十五年ほど前。

これは後から聞いたことではあるが、地蔵によって封印されているというのは、八尺様がよそへ移動できる道というのは理由は分からないが限られていて、その道の村境に地蔵を祀ったそうだ。
八尺様の移動を防ぐためだが、それは東西
南北の境界に全部で四ヶ所あるらしい。
もっとも、何でそんなものを留めておくことになったかというと、周辺の村と何らかの協定があったらしい。例えば水利権を優先するとか。
八尺様の被害は数年から十数年に一度くらいなので、昔の人はそこそこ有利な協定を結べれば良しと思ったのだろうか。

37以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 19:57:21.90 ID:UNkunrjA

911 4/9 sage 2008/08/26(火) 09:49:15 ID:VFtYjtRn0
そんなことを聞いても、全然リアルに思えなかった。当然だよね。
そのうち、じいちゃんが一人の老婆を連れて戻ってきた。

「えらいことになったのう。今はこれを持ってなさい」
Kさんという老婆はそう言って、お札をくれた。
それから、じいちゃんと一緒に二階へ上がり、何やらやっていた。
ばあちゃんはそのまま一緒にいて、トイレに行くときも付いてきて、トイレのドアを完全に閉めさせてくれなかった。
ここにきてはじめて、「なんだかヤバイんじゃ…」と思うようになってきた。

しばらくして二階に上がらされ、一室に入れられた。
そこは窓が全部新聞紙で目張りされ、その上にお札が貼られており、四隅には盛塩が置かれていた。
また、木でできた箱状のものがあり(祭壇などと呼べるものではない)、その上に小さな仏像が乗っていた。
あと、どこから持ってきたのか「おまる」が二つも用意されていた。これで用を済ませろってことか・・・

「もうすぐ日が暮れる。いいか、明日の朝までここから出てはいかん。俺もばあさんもな、お前を呼ぶこともなければ、お前に話しかけることもない。
そうだな、明日朝の七時になるまでは絶対ここから出るな。七時になったらお前から出ろ。家には連絡しておく」

と、じいちゃんが真顔で言うものだから、黙って頷く以外なかった。
「今言われたことは良く守りなさい。お札も肌身離さずな。何かおきたら仏様の前でお願いしなさい」
とKさんにも言われた。

38以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 19:58:22.99 ID:UNkunrjA

912 5/9 sage 2008/08/26(火) 09:50:22 ID:VFtYjtRn0
テレビは見てもいいと言われていたので点けたが、見ていても上の空で気も紛れない。
部屋に閉じ込められるときにばあちゃんがくれたおにぎりやお菓子も食べる気が全くおこらず、放置したまま布団に包まってひたすらガクブルしていた。

そんな状態でもいつのまにか眠っていたようで、目が覚めたときには、何だか忘れたが深夜番組が映っていて、自分の時計を見たら、午前一時すぎだった。
(この頃は携帯を持ってなかった)

なんか嫌な時間に起きたなあなんて思っていると、窓ガラスをコツコツと叩く音が聞こえた。
小石なんかをぶつけているんじゃなくて、手で軽く叩くような音だったと思う。
風のせいでそんな音がでているのか、誰かが本当に叩いているのかは判断がつかなかったが、必死に風のせいだ、と思い込もうとした。
落ち着こうとお茶を一口飲んだが、やっぱり怖くて、テレビの音を大きくして無理やりテレビを見ていた。

そんなとき、じいちゃんの声が聞こえた。
「おーい、大丈夫か。怖けりゃ無理せんでいいぞ」
思わずドアに近づいたが、じいちゃんの言葉をすぐに思い出した。
また声がする。
「どうした、こっちに来てもええぞ」

じいちゃんの声に限りなく似ているけど、あれはじいちゃんの声じゃない。
どうしてか分からんけど、そんな気がして、そしてそう思ったと同時に全身に鳥肌が立った。
ふと、隅の盛り塩を見ると、それは上のほうが黒く変色していた。

39以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 19:59:08.90 ID:UNkunrjA

913 本当にあった怖い名無し sage 2008/08/26(火) 09:51:23 ID:VFtYjtRn0
一目散に仏像の前に座ると、お札を握り締め「助けてください」と必死にお祈
りをはじめた。

そのとき、

「ぽぽっぽ、ぽ、ぽぽ…」

あの声が聞こえ、窓ガラスがトントン、トントンと鳴り出した。
そこまで背が高くないことは分かっていたが、アレが下から手を伸ばして窓ガラスを叩いている光景が浮かんで仕方が無かった。
もうできることは、仏像に祈ることだけだった。

とてつもなく長い一夜に感じたが、それでも朝は来るもので、つけっぱなしの
テレビがいつの間にか朝のニュースをやっていた。画面隅に表示される時間は確か七時十三分となっていた。
ガラスを叩く音も、あの声も気づかないうちに止んでいた。
どうやら眠ってしまったか気を失ってしまったかしたらしい。
盛り塩はさらに黒く変色していた。

念のため、自分の時計を見たところはぼ同じ時刻だったので、恐る恐るドアを
開けると、そこには心配そうな顔をしたばあちゃんとKさんがいた。
ばあちゃんが、よかった、よかったと涙を流してくれた。

下に降りると、親父も来ていた。
じいちゃんが外から顔を出して「早く車に乗れ」と促し、庭に出てみると、どこから持ってきたのか、ワンボックスのバンが一台あった。そして、庭に何人かの男たちがいた。

40以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 19:59:57.52 ID:UNkunrjA

914 7/9 sage 2008/08/26(火) 09:52:24 ID:VFtYjtRn0
ワンボックスは九人乗りで、中列の真ん中に座らされ、助手席にKさんが座り、
庭にいた男たちもすべて乗り込んだ。全部で九人が乗り込んでおり、八方すべてを囲まれた形になった。

「大変なことになったな。気になるかもしれないが、これからは目を閉じて下を向いていろ。
俺たちには何も見えんが、お前には見えてしまうだろうからな。
いいと言うまで我慢して目を開けるなよ」
右隣に座った五十歳くらいのオジさんがそう言った。

そして、じいちゃんの運転する軽トラが先頭、次が自分が乗っているバン、後に親父が運転する乗用車という車列で走り出した。
車列はかなりゆっくりとしたスピードで進んだ。おそらく二十キロも出ていなかったんじゃあるまいか。

間もなくKさんが、「ここがふんばりどころだ」と呟くと、何やら念仏のようなものを唱え始めた。

「ぽっぽぽ、ぽ、ぽっ、ぽぽぽ…」

またあの声が聞こえてきた。
Kさんからもらったお札を握り締め、言われたとおりに目を閉じ、下を向いていたが、なぜか薄目をあけて外を少しだけ見てしまった。

目に入ったのは白っぽいワンピース。それが車に合わせ移動していた。
あの大股で付いてきているのか。
頭はウインドウの外にあって見えない。
しかし、車内を覗き込もうとしたのか、頭を下げる仕草を始めた。

無意識に「ヒッ」と声を出す。
「見るな」と隣が声を荒げる。

慌てて目をぎゅっとつぶり、さらに強くお札を握り締めた。

41以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:00:43.10 ID:UNkunrjA

915 8/9 sage 2008/08/26(火) 09:53:50 ID:VFtYjtRn0
コツ、コツ、コツ
ガラスを叩く音が始まる。

周りに乗っている人も短く「エッ」とか「ンン」とか声を出す。
アレは見えなくても、声は聞こえなくても、音は聞こえてしまうようだ。
Kさんの念仏に力が入る。

やがて、声と音が途切れたと思ったとき、Kさんが「うまく抜けた」と声をあげた。
それまで黙っていた周りを囲む男たちも「よかったなあ」と安堵の声を出した。

やがて車は道の広い所で止り、親父の車に移された。
親父とじいちゃんが他の男たちに頭を下げているとき、Kさんが「お札を見せてみろ」と近寄ってきた。
無意識にまだ握り締めていたお札を見ると、全体が黒っぽくなっていた。
Kさんは「もう大丈夫だと思うがな、念のためしばらくの間はこれを持っていなさい」と新しいお札をくれた。

その後は親父と二人で自宅へ戻った。
バイクは後日じいちゃんと近所の人が届けてくれた。
親父も八尺様のことは知っていたようで、子供の頃、友達のひとりが魅入られて命を落としたということを話してくれた。
魅入られたため、他の土地に移った人も知っているという。

バンに乗った男たちは、すべてじいちゃんの一族に関係がある人で、つまりは極々薄いながらも自分と血縁関係にある人たちだそうだ。
前を走ったじいちゃん、後ろを走った親父も当然血のつながりはあるわけで、少しでも八尺様の目をごまかそうと、あのようなことをしたという。
親父の兄弟(伯父)は一晩でこちらに来られなかったため、血縁は薄くてもすぐに集まる人に来てもらったようだ。

42以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:01:20.36 ID:UNkunrjA

916 9/9 sage 2008/08/26(火) 09:54:54 ID:VFtYjtRn0
それでも流石に七人もの男が今の今、というわけにはいかなく、また夜より昼のほうが安全と思われたため、一晩部屋に閉じ込められたのである。
道中、最悪ならじいちゃんか親父が身代わりになる覚悟だったとか。

そして、先に書いたようなことを説明され、もうあそこには行かないようにと念を押された。

家に戻ってから、じいちゃんと電話で話したとき、あの夜に声をかけたかと聞
いたが、そんなことはしていないと断言された。
――やっぱりあれは…
と思ったら、改めて背筋が寒くなった。

八尺様の被害には成人前の若い人間、それも子供が遭うことが多いということ
だ。まだ子供や若年の人間が極度の不安な状態にあるとき、身内の声であのよ
うなことを言われれば、つい心を許してしまうのだろう。

それから十年経って、あのことも忘れがちになったとき、洒落にならない後日談ができてしまった。

「八尺様を封じている地蔵様が誰かに壊されてしまった。それもお前の家に通じる道のものがな」

と、ばあちゃんから電話があった。
(じいちゃんは二年前に亡くなっていて、当然ながら葬式にも行かせてもらえなかった。じいちゃんも起き上がれなくなってからは絶対来させるなと言っていたという)

今となっては迷信だろうと自分に言い聞かせつつも、かなり心配な自分がいる。
「ぽぽぽ…」という、あの声が聞こえてきたらと思うと…

43以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:38:02.04 ID:3VtnJ0iO

鼠先輩の事か

44以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:39:00.12 ID:Z5ZjU49C

初見は相当ビビったわ

45以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:46:01.78 ID:IkwcdEO5

伝説クラスのオカルト話は作り話が多いのかな
楽しめるからいいけどホントの話が読みたい

46以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 20:46:02.33 ID:QO35HcAG

あの絵のせいで八尺様が全く怖くなくなった

47以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:08:46.00 ID:9P+32sWv

俺は八尺様よりアキコの方が怖い

48以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:10:24.84 ID:UNkunrjA

>>47
貼って貼って

49以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:41:51.96 ID:9P+32sWv

208: あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/06/21 10:59 ID:
三年近く前、泉の広場のところで、ヘンな女がうろついていた。
通勤の帰りによく見かけた。

三十前後で、赤い色のデザイン古そなドレスっぽい服着てて、小柄で、
顔色悪く目がうつろ。髪は背中近くまであって、伸ばしっぱなしに見えた。
目立つ服の色となんか独特の雰囲気があって目がいってしまう。
でも怖い(キ印っぽい)感じして、
何気なく観察はしても目はあわせんようにしてた。
女はいつも広場の中をうろうろしてた。

地下出口出たとこの何本か外れた飲み屋筋に
立ちんぼのねーちゃんの多い場所があって、
そこのねーちゃんかな?と思ってた。
ある日の仕事帰り、広場内の薬局の店頭で
コスメの安売り見てた。私は買い物するの時間かけるほうで、
そん時も多分一時間近く店にいたと思う。
その夜も女は広場をうろついていて、
いつものことなんで特に気にとめてなかった。

でも、店から出た時、視線感じて顔上げると、
広場の真ん中の噴水を隔てて、女がこっち見てた。
なんかヘンな感じがした。私は目が悪くて、眼鏡かけてても
少し離れた場所だと相手の顔とかよく見えないのに、
女は妙にくっきり見えたんよ。3Dみたく。

目があった途端、気持ち悪くなった。
何か本能的に怖くて、びしぃ!とチキン肌立って。

(うわ、ヤバい)(でも何が?)

自分でも思考回路謎のまま、それでも反射的に
店内に戻ろうとしたけど、金縛りかかったみたいに身体が動かん。
助け求めようとして声すら出ないことに気付いた。
いつもふらふら歩いてるはずの女が、すっと素早く近寄ってくる。
明らかに普通じゃない様子で、髪振り乱してドレスの裾ゆらしてこっち来るのに、
誰も気付いてくれない。

もの凄い顔で笑ってて、その表情の怖さにふーっと気が遠くなった。
だって、目のあるとこ、全部黒目にかわってるんやで。
怖い、もうあかんって思ったときに、
いきなり誰かが後ろからぎゅっと腕を掴んできた。

驚いて顔上げる(ここで身体の自由が戻った)と、男の人で、
話しかけようとしたら「静かにして」って小声で注意された。
呆然として顔見上げてると、男の人はますます手をぎゅーっと
握ってきて、怖い顔で前を見てる。吊られて視線戻したら、
女がすぐそばに立ってて、男の人を呪い殺しそうな目つきで睨んでた。
すごい陰惨な顔してて、怖くて横で震えてたけど、
女はもううちのことは眼中にない感じで、

「…………殺す……」

って、つぶやいて、男の人の横をぶつかるみたいに通りすぎて店内に入ってった。

男の人はその後、私をぐいぐい引いて、駅構内までくると、
やっと手を離してくれた。
駅が賑やかで、さっきあったことが信じられんで呆然としてると、
「大丈夫か?」って声かけてきたんで、頷いたけど、
本当はかなりパニクってたと思う。相手の名前聞いたりとか、
助けてもらった?のにお礼言うとか、まともにできなかった。

男の人は改札まで見送ってくれた。
別れ際に、「もうあそこ通ったらあかん」
とか言われて、

「でも仕事あるし」
「命惜しかったらやめとけ」

答えようがなくて黙ってると、

「今日は運よかったんや。あんたの守護さんが俺を呼んで
あんたを守ってくれたんやで」

「………………」

「たまたまやねん。わかるか?
あんたが助かったの、たまたま守護さんがわかるもんが、

50以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:43:33.76 ID:9P+32sWv

たまたまそばにおった、それだけやで。あいつにとり殺されたくなかったら、
もう通らんとき」

(守護さんって何やのん。守護霊のことか?)

霊なんて見たことなかったから、自分の体験したのが何なのか
わからなかった。(正直、今もわからない)
女はどう見ても生身の人間に見えた。
それで返答に困ってると、その人は私に何度も一人で通るなよと繰り返して、
行ってしまった。

未だにアレが何だったのかわからない。
私は二ヶ月後、そこの仕事場辞めたけど、その間夜は泉の広場は一度も通らなかった。
男の人も、女も共に謎。
男の人の名前、聞いて置けばよかった。助けてくれたんなら(今も半信半疑だけど)お礼言いたかった。
反面、かつがれたんかな?と思わなくもない。(でも目的は何さ?)
すっきりしない。

始め、この体験談大阪の心霊スポットスレにカキコしようかと思ったけど、
霊体験かわからないんで(だってあんなリアル幽霊ってありか? どう見ても人間に見えた)、
こっちにしました。かつがれたならそれはそれで不可解な話(藁
ということで。
少しだけ後日談があるけど、これもすっきりしない話なんで、
はしょります。
長くなって、スマヌ。

51以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:44:36.66 ID:9P+32sWv

222: あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/06/21 14:57 ID:
>208
あの、それ心当たりある。

俺、泉の広場に近いところにあるニューハーフの店によく行くんだけど、そこの常連さんの女から
それと同じような話聞いたことあるし、俺もその男の方は見たことあるかも知れない。
泉の広場って近くに堂山(ニューハーフと女装の店が多い場所)があるから、女装してるおかしなのが
いたりするけど、その女から聞いたのは、こんな話だった。
泉の広場で人を待ってると、明らかにおかしな女がいる。服装までは聞いてないけど、すぐにキティと分かる
ような感じだそうだ。

で、その化物っぽい女がうろうろしてて、目を合わせてしまったらしい。
そうしたら、なんだか雰囲気が普通じゃない男が現れてその女の手をつかんで引っ張っていった。
見た常連さんは力が抜けてしまったって。
その男なんだけど「見るなよ」って言ったそうだ。

俺のはただ変な人を見ただけかも知れないけど、普通の格好した中年の男が「またおるやんけ」って広場の中央
のモニュメントみたいなの見てつぶやいてた。
別に変な人はいなかったけど、待ち合わせしてて、なんとなくその男の方みたらもういなくなってた。
ちょっとゾッとしたよ。その話聞いた後のことだったし。
分かり辛くてごめん。

52以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:45:48.60 ID:9P+32sWv

238: 本当にあった怖い名無し:2005/04/17(日) 02:10:00 ID:ma0wf6RbO
長くなるのでそういうの嫌な人はスルーしてくれ。

ある夏の日、高校生だった俺はコンビニで立ち読みをしてた。
コンビニって、本並べてある棚がガラスで出来てて道に面してる壁に置いてあるところが多いじゃないですが?
(解りにくい表現で申し訳ない。)

んで、ふとガラスの壁に本読みながら目をやると、真夏なのに、真っ赤なコート着てる女が立ってたんです。
その時は、真夏にコートなんて物に違和感感じず、その女がかなり綺麗だったんで、

『可愛い姉ちゃんがいるなー』

くらいで、気にせず雑誌読んでた。
それで、雑誌読みながらも、ちらちら女の方見てたんです。
そしたら気のせいか、段々こっちに近づいてきてるんですよね。

『ちょっとおかしくないか?』

段々そう感じてきて、真夏に真っ赤なコートもおかしいだろと思いだした。
ちょっとやばい人だなこれは
そう感じて、目を合わさないように、もう読み終わった雑誌を黙々と眺め続けた。
そして、5分くらい?経って、

『もう、どっか行っただろ』

って思って見てみたんですよ。
そしたら…
いるんですよ。
しかも、ガラスに当たるか当たらないかの真近に。
でも、それよりびっくりしたのが女の目。

さっきまで可愛いと感じてた顔は全く変化なかったんですが。
目だけがまるでクレヨンで塗り潰したように真っ黒。
顔は笑うでもなく怒るでもなく無表情。
真っ黒な目だけが、ずっとこっちを見つめてるんです。

あまりにびっくりし過ぎて10秒くらい見つめあったまま硬直してしまいました。
読んでいた雑誌を落としてしまい、落ちた音で我に帰り、雑誌を拾おうと下に目をやると…
怪談の漫画みたいなのが落ちてたんです。
僕が読んでいたのは、メンズノンノ。
それは間違いありません。
しかし、落ちてたのは怪談の漫画。
しかも、気付いてしまった。

その漫画の表紙のサブタイトルには、

『大阪泉の広場に出る赤い女』って。

僕がいるコンビニは泉の広場から怪談をあがってすぐのコンビニ。
(オカ板では今でも泉の広場の女の話が出てますね。)
もう、一心不乱でヘップの方まで走って逃げました。
あまり恐くなくてすいませんでした。

それからは恐くて泉の広場には近寄っていません。
また、泉の広場から徒歩10分ほどのホテルで、盆に心霊体験もしています。
(ホテルの心霊体験スレに最近書き込み済み)
あそこらへんは、ほんとやばいですね。
ホテル名はプリ●ス。

また、その落ちていた本のタイトルがどうしても思い出せません。
ただ、真っ黒の表紙に赤い文字でタイトルとサブタイトル。
大きさはコロコロコミック(今もあるんですかね?)くらいのやつでした。

53以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:46:30.00 ID:9P+32sWv

169: 名無しの歩き方@お腹いっぱい。:2005/04/18(月) 15:39:13 ID:5TaReH2q
俺は三重在住ですがよく学校終わった後大阪行きます。
ヘップ行ったり、ロフト行ったりしてブラブラします。あと映画を見る。
その後泉の広場に行って、そこで大阪の高校に行った友達と会います。
俺は8時過ぎに泉の広場に着くけど、いつも友達は8時半に来ます。
先月は、その30分の間にドコモショップに入って暇つぶしをしました。
そしたら店に真っ赤なロングコート着た女の人が来ました。

「派手やなぁ」としか思ってなかったけど、いつのまにか俺と肩とか腕が
当たるくらいに近寄ってきていたので、次第に不快な気分になってきました。
俺はドコモのカタログを見ていたので、その女が横からカタログを
盗み見(?)しているのだろうと思って、女のほうを睨んでやろうとしました。

そしたら・・・その女はカタログを見ていたんじゃなくて俺の顔を
じーっと見ていたんだった・・・もっと驚いたのがその女の顔で、
パッと見は普通の顔なんだけど、目だけが真っ黒。白目がない。
その顔で無表情でこっちを見続けてるから怖くなって逃げた。

54以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:50:24.57 ID:9P+32sWv

248: ②:2005/07/27(水) 22:17:12 ID:kvq77pw10
2001年の9月初旬、まだ覚えてます。ものすごく残暑のひどい暑い日でした。
買い物をするために梅田に元彼と行きましたが、トイレに行きたくなったので
私はその今のヨドバシ側に出るJRの出入り口の手前を右に曲がってすぐの
トイレに行きました。彼にはトイレのまん前にあるキオスクの前で待ってもらうこと
にしました。

そして私だけトイレへ。女性が数人並んでいたので私もその後に並んだのですが
その時に手を拭くハンカチを持って入るのを忘れたのに気づき外で待ってくれている
元彼のところへ戻りました。

トイレの入り口は男性トイレの入り口と女性トイレの入り口が向かいあうようにあって
その真ん中にティッシュの自販機が置いてあるという構造でした。
その自販機の向こう側、つまり男性トイレのまん前に女性が立っているのに気づきました。
ぱっと目に入ったのは長い髪と真っ赤な口紅でした。

雨も降ってないのにカサを手首にかけ、手首の部分がひどく汚れたコートを着ていました。
ただ私の記憶ではそのコートの色は赤ではなくベージュというかサラリーマンの方がよく
着られるような無難な色だったような気がします。

しかしこの時点でこの暑いJR構内でコートを着ているということ、そして雨も降ってないのに
カサを持っていることを不審に思いました。ああ、この人は精神を患ってるんじゃないかな?と
直感的に思いながら再度目線をあげ目を見てギョっとしました。

私は精神科で看護師として勤務している関係上、逝っちゃってる人もさほど怖いとか
思ったことないんですね。おまけに霊感体質であるためいたずらに心霊スポット
に行くこともない。だから悪い霊に取り付かれることもなかったんですよ。
つまり、霊とか逝っちゃってる人に恐怖を感じたことっていうのは皆無だったんです。
それまでは。

55以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:51:50.97 ID:9P+32sWv

249: ③:2005/07/27(水) 22:17:49 ID:kvq77pw10
明らかに浮いちゃってる服装に長い腰に届くくらいの髪。
そしてわりと整った顔だったと思います。。。。。。。が。。。
口紅が真っ赤なんですよ。もうほんと真紅。

で、横顔でしたが目が皆さんが言うように黒目ばっかり。。のように見えました。
なぜかというと彼女が目を必要以上にがっと見開かれてるんです。
わざと必要以上に目を見開いてるんですよ。そして薄ら笑い。
直視できない!!と思いました。

というより見ちゃだめ。「ヤバイ。怖い」と思いました。あんな感覚は
初めてでした。とにかく駄目。キオスクのところその女性から言うとはす向かい
に隠れるように立っている元彼のところへ走って行き「あの人怖い。怖いよーでも直視したらあかん」
と訴えました。彼は彼女に気づいてなかったようですが私に言われ彼女のほうに
目線を向けギョっとした顔をしました。ただ出もの腫れ物所かまわずでとにかく
用をたしたかった。すぐもどるからと言ってトイレに戻って用を足し彼女が視界に
入らないように彼とそそくさとその場を去りました。

56以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 21:52:25.74 ID:9P+32sWv

250: ④最後:2005/07/27(水) 22:20:57 ID:kvq77pw10
その後もいやな感じ、その時の真っ赤な口紅とあの見開かれた目と薄ら笑いは
アタマからはなれず1日2人でどんよりした気分で過ごしました。
もう2度と会いたくない。そんな思いからその周辺に近づくことは避けてました。

今はもうそのトイレはつぶされてなくなっています。
その後彼女を見ることもありませんでした。
彼とは事情があって別れましたが、今日このスレを見て怖くなって電話で
確認しました。

彼もしっかりあの日のことを覚えていました。
ただ1点彼と記憶が違う点を除いて。
彼は電話で言いました。「たしか赤いコート着てたなぁ」
もうぞっとしました。
ただもしかしたら口紅があまりにも真っ赤すぎて(本当に有り得ないくらい真っ赤だったんです)
コートも赤と記憶しちゃったのかもとも言ってました。

あれから大阪駅構内って泉の広場も含めてきれいになりましたよね。
全体的に暗かった構内も明るくなったし。
以上が私の赤福(かもしれない)体験です。幽霊ではないと思う。
むしろキ印系の方だと思う。
ただあの異常な妖気というか彼女がこっちに与える恐怖感というか不気味さ
ってなんなんでしょうね?
古い話&乱文でスマソ
もう2度と会いませんようにと心から願います。

57以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 22:29:28.92 ID:IkwcdEO5

ありがとう怖い
トイレ行けない

58以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 22:33:46.20 ID:Z5ZjU49C

泉の広場よく通るわ・・・こええよ

59以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 23:08:55.74 ID:UNkunrjA

関東住みでよかった
こういう不特定多数の目撃情報が集まる話は怖い
ヒサルキとかくねくねとか

でもなんでアキコ?名前出てなくない?

60以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/17(金) 23:16:18.87 ID:9P+32sWv

アキコじゃないわアキちゃんだわ
なんか赤いワンピースの街娼婦の話がその辺にはあってその話の女の名前だそうな

61以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/18(土) 00:21:05.22 ID:6q4VJgDp

クネクネは怖かったな

62以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/18(土) 14:55:40.40 ID:YmeadJ/2

ヒサルキ関連は不思議怖い感じだなぁ

63以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/18(土) 15:14:17.38 ID:azmFq5hl

384 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/23 22:49
小学校の時に転校してきた奴で、少し変わった奴がいた。
家はやや貧乏そうで、親父さんがいないみたいだった。
お袋さんは2,3回見たことがあるけど優しそうな人で、そんなに不幸そうではなくて普通に明るい奴だった。
でも変わってるのは、そいつがどんな真夏でも、絶対に長袖を着つづけていた事だった。
寒がりって訳ではなかった。夏休み前とか、長袖シャツに半ズボンで学校に来てたし。
あと、プールの授業にも絶対出なかった。


なにか体にコンプレックスがあるのかな?ってようやく気付いて来た頃、
クラスの悪ガキ達の間で、そいつをよくからかうようになった。
その長袖シャツを剥ぎ取ろうと、みんなでからかったんだ。

ある日、そいつが無性に怒り出して暴れて、そいつの指が俺の目に入った。
俺は涙がボロボロッと出てきて、他の奴らはそれに感化されてカンシャクを起こして、
数人で本気になってそいつの服を剥ぎ取った。
そうしたら、そいつの右腕にヘンな物が…
『うまれてきてくれてありがとう(ハートマーク)だいすきなわたしのあかちゃん○○くん(ハート)
 ままはとってもうれしいです(ハート)いいこにそだってね(ハート)○○ままより(ハート)』
と、すこし歪んだ刺青が施されていた。
お袋さんの、お手製だったのかな。

そいつは、その後しばらくしてまた転校してしまった。
それから一回も会ってないけど、今はどこにいるんだろう?
今そいつも、俺と同い年の25歳か…


385 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/23 23:08
>>384
うううっ・・・。
親がバカなばっかりに・・・。


387 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/24 00:12
バカっつーかサイコだろ。


388 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:03/10/24 00:28
>>385
>>387
でしょうね。母親は普通だけどちょっと変わった人かな?って感じだった。
あと、そいつの体臭っていうか、服から匂ってくる「家の匂い」が、
かなりイヤな、でもどこでも嗅いだ事のない匂いだったのが印象に残ってます。


389 :384,388:03/10/24 00:33
刺青の文面はうろ覚えだし、なにしろかなり歪んでたので(成長のせい?)けっこう適当です。
全部ひらがなとハートマークだけだったのは覚えてます。
ハートマークは赤だったか黒だったか…
この刺青彫ってるときに、「この子は将来大人になる」って当たり前のことは考えつかなかったのか…。
でも、可愛いだけの名前を子供につける親の心境も一緒なのでしょうか。
サイコさんの行動は基準にならないか…

64以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/18(土) 15:18:36.24 ID:NT2GHF/f

怖いっていうかなんだろう

65以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/18(土) 15:20:12.69 ID:cjvn5XCW

ヒサルキ初めて知ったけど怖いな

66以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/18(土) 17:35:21.18 ID:xPDW/RH0

>>63
これ初めて見た
2003年かぁ…

67以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/18(土) 17:42:02.28 ID:xPDW/RH0

150 :本当にあった怖い名無し:2014/01/05(日) 09:09:12.57 ID:DCbcOtgG0
俺が大学時代の20年以上前の話。

友達がワンボックスの車を買ってもらったからって、仲の良い女の子達も誘って紅葉狩りに行ったんだ。
山奥で湖があって山道を歩くようなところなんだけど、結構有名なとこだったみたいで、
丸太で階段とか手すりが作ってあって整備されてて歩きやすいし、気温も丁度良くて本当に気持ちよかった。


151 :sage:2014/01/05(日) 09:13:19.37 ID:DCbcOtgG0
しばらく歩くと、黄色と黒のロープが厳重に張られてて通行止めになってるところがあった。
コース的にそっちにも行けてしまうけど、
こっちに来ちゃだめですよーって物理的に行けないように止めてあるんだけど、
ロープがくくってある木をちょっと登ると越えられそうな、運動神経あれば行ける感じ。
紅葉にも飽き始めてたので、俺はその先にあえて行ってみることにした。
運動神経には自信があって、女の子にもかっこつけたかった。
周りの反対を押し切って、あまり深入りしないからってロープを超えて入って行ったんだ。


152 :sage:2014/01/05(日) 09:16:00.85 ID:DCbcOtgG0
そしたら案外すぐ崖になってて、
落ちたら30~40M下の湖に落ちちゃうよっていう火曜サスペンスに出てきそうな場所だった。
まあ確かに危ないけどなんもないんだなーと思って周りを見渡してたら、
崖ぷちの木の根元に写真立てが崖側に向けて置いてあるのを見つけたんだ。
崖側に周りこんで見てみると、普通の家族写真で笑顔で父親、母親、子供3人で写ってた。
まさかと思って周りを見たけど生花もお線香もない。
しかし、写真立ては無造作に捨てられてるわけでもなさそうだった。
ちょっと気味が悪くなって、すぐに友達の元に引き返した。


153 :sage:2014/01/05(日) 09:21:01.12 ID:DCbcOtgG0
みんな一応何かあったのかって聞いてくれたから、
「崖があって、写真があって、花が置いてあった。」といたずら心から少し話を膨らませて答えた。
これは非常に不味かった。
女の子達は呪われるんじゃないかと言い出して泣き出しそうなほど怖がった。
まあまあ別に悪いことしたわけじゃないんだしとか言って、残りのコースを歩いて車に戻ったんだ。
そしたら、最初に車に乗り込んだ女の子が大絶叫。


154 :sage:2014/01/05(日) 09:24:59.35 ID:DCbcOtgG0
すぐさま車の中を見ると、後ろの座席に写真立てが置いてあるんだよ。
背筋が凍りついた。完璧に覚えてないからわからないけど、崖にあったのと同じ物のようだった。
連鎖的に他の女の子達も悲鳴を上げて阿鼻叫喚の地獄絵図。男共も茫然自失状態。
なんとか車の持ち主の友達が「うちの親戚の写真だわ。ごめん。ごめん」と訂正を入れて、
勇敢にも写真立てをトランクにしまった。
強引すぎるフォローだが、その場は収まって、なんとか無事帰宅。


155 :sage:2014/01/05(日) 09:29:26.61 ID:DCbcOtgG0
次の日に彼と会ったが、昨日の話はほとんどしなかった。
写真立てがどうしても気になったので聞いてみたが、トランクはおろか車の中のどこにもなかったらしい。
その日、彼が撮りまくってたインスタントカメラの写真が卒業しても配られることがなかったことを考えると、
俺よりももっと凄まじい物を見たかもしれない。

68以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/18(土) 18:47:07.20 ID:25Y6P0AF

66 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/01/30 03:27
やっと謎が解けた。原因は“あるもの”を見たからで、それが何かやっと分かった。

平成10年9月10日、O県H市にある廃虚に肝試しに行ったのがことの始まりだった。
見なかったことにしようという暗黙の了解がいけなかった・・・

当時、私とA、Bの私達3人は、ドライブがてらよく心霊スポット巡りをしていた。
問題の場所は有名なところで、多くの人達が連日連夜訪れ、
心霊スポットというより、何時の間にか一種の溜まり場となっていた。
その建物は2階建で、強盗殺人によって廃虚となったと言われていた。
一階には3つの部屋(食卓、応接間、仏壇の置いてある部屋)があり、
床にところどころ穴が空いている以外、各部屋は全体的にきちんとしていた。
二階には4つの部屋(おそらく子供部屋が2つ、寝室、書斎らしき部屋)があった。
事件が起きたのは2階の子供部屋の1つで、パイプベットと床には無数の写真が散らばっており、
そこは最も怖い部屋と言われ、肝試しのメインの場所だった。


67 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/01/30 03:39
その日(H10.9.10)は私たち以外に3つのグル-プが先に訪れており、
廃虚の入り口となる細道で、何やら騒ぎながら話していた。
私たちが入り口に到着すると、その中の4人(おそらく1つのグル-プ)が寄ってきて、
これどう思うかと言って、3枚のポラロイド写真を見せてきた。


68 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/01/30 03:49
3枚とも問題の部屋を撮った写真で、2枚は部屋の中で、1枚は窓を外から撮ったものだった。
部屋の中の写真は、曇ったオレンジ光がベット上に写っているものと、
その後に撮ったものにはオレンジ光はなく、白い丸い霧が同じところに写っていた。
そして最後に撮った外からの写真には、
窓(硝子はない)に撮っている人を眺めている、人影のようなオレンジ光が混ざった白い霧が写っていた。
これらの写真を撮ったグル-プが一番先に到着しおり、
他の2つグル-プも私たち同様に写真を見せられ、まだ廃虚には入っていなかった。


70 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/01/30 04:21
そして、真相を確かめようというより、霊が見れるかもという期待感が高まり、みんなで行ってみることになった。
到着すると、写真のせいもあって、廃虚には不気味な感じが漂っているように感じた。

全員(11人)で中に入る人、外で待つ人を決めている時だった。
廃虚の中から、3人の小学生ぐらい女子がいきなり笑いながら走り出してきた。
私たちはほとんど同時に叫びビビッタが、よく見たら生きている女の子達で、
そして私たちに「笑いにきたら駄目だよ」「赤い毬見つけた教えてね」と、不気味で意味不明なことを言ってきた。
私たちの一人が「何してるの」と尋ねると、一人の子がろれつの回らない早口で、
「ゆるす許さないの問題じゃなくてきまりだからアハハハハ」と言ったというより叫んだ。
3人ともかなり様子が変で、しかも深夜1時ということもあり、この子達は事件に巻き込まれたんじゃないかと思い、
警察に電話しようとしたとき、一台の車がやってきた。
中から中年の夫婦と老婆が降りてきて、私たちのところにやってきた。
そして夫婦は子供達を車に乗せ、老婆が私たちに、
「あんたら、早く帰りなさい。ここはいかん。
 この子達は孫で、可哀相におかしいんだ。
 夜な

69以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/18(土) 18:55:48.00 ID:25Y6P0AF

72 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/01/30 04:44
老婆らが帰った後、写真を撮ったグル-プの一人が、
自分達が来る前から、あの子達は廃虚のどこかに隠れていたことに気づいた。
隠れる場所といえば、穴のあいた床下か、仏壇の横にある押し入れ、または問題の部屋のベット下・・・
ともかく、そのことの不気味さと恐怖感を抑えて、
私たちは6人が部屋の中に入り、5人が外で、万が一のことを考え各車のエンジンをかけたまま待つことになった。
私は中に入ることになった。

階段は一列に並ばないと上れない構造で、私は前から3番目で、
上りながら『こういう場合は、もし霊が出るなら、じわじわりと前触れがあるんだろうな』と勝手に想像していたが、
前の二人(男と女)が部屋に入った瞬間、男の悲鳴とともにその想像が一瞬に崩れた・・・
私たちは何事かと思い部屋に駆け込んだ。
そしたら、女が虚ろな目で仰向けに倒れており、くねくねしながら何か呟いていた。
はじめは小声だったが、いきなり甲高い声で笑い、
「きまりだよ。あはは。きまりだから、きりはずしても駄目なの。また行くよ」と叫びはじめた。
私たちは焦り、女を担ぎ一目散に部屋から逃げて車に飛び乗った。


73 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/01/30 04:56
みんな無我夢中で、自分のつれとは別の車に飛び乗った。
私は担がなかった方だが、女と同じ車に乗った。
女の方は半分気を失っている状態で、汗をびっしりかいていた。

先頭の車に続き私たちはファミレスに入った。
女はすぐに別の子とトイレに入り、吐いた後に気を取り戻した。
みんなしばらく放心状態だったが、女がポケットに何か入っていると言った。
それはあの部屋に散らばっていた1枚の写真で、それを見てみんな凍りついた。
日付は1979.11.3で、写っていたのは女子で、
その顔が廃虚から出てきたあの三人の女の子の、意味不明なことを叫んだ方ともの凄く似ていた。


74 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/01/30 05:12
女は写真を見て泣き出した。
女が言うには、部屋に入ったら写真の子がベットに正座で座っており、
目が合うとニヤつきながら立ち上がり、飛びついてきて、
息苦しくなり意識が飛んで、気がついたら車に乗っていたと・・・

女を落ち着かせた後、写真は一番はじめにきたグル-プ人達が保管することになり、
我々は朝になるのを待って解散した。

肝試し話はこれで終わりですが、後日談が恐怖の始まりでまだ続います。

過去を振り返り反省しながら、みなさんに話してます。
“きまり”が分かった今、朝になるのを待って、みんなで連れて行くつもりです。


※これ以降、本人と思われる書き込みなし

70以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/18(土) 19:02:45.08 ID:ZB8t1XGF

>>68の続き抜けてた

「あんたら、早く帰りなさい。ここはいかん。
 この子達は孫で、可哀相におかしいんだ。
 夜な夜な抜け出してここに行く。家から3キロあるのに。
 あんたら肝試しはいかんよ。
 わたしは霊は信じないけど、この子ら見てると辛くてね。
 おかしくなる前と顔が他人になってるのよ。帰りなさいよ」
と忠告した。

今思えば本当に帰るべきだったと後悔しているが、
あの時は、その忠告が期待感を高め、その好奇心に負けてしまった・・それがいけなかった・・・

71以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/18(土) 22:19:19.53 ID:kJAacMHw

おう怖い、肝試しは恐怖体験の宝庫だな

72以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/18(土) 22:57:00.57 ID:nLickqRV

あとあれも怖かったな
山奥の村の廃墟で日本人形のやつ

73以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/18(土) 23:05:37.19 ID:VLJ029mA

オカルトにも書いたが、まとめずっと読んでいたら今日3.11の話を先輩がして唐突に涙が出てきた
何処かに本物が混ざって居るかもしれないから読む時は何日か置いた方がいいかもしれない

74以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/19(日) 03:27:46.45 ID:xSrZ5rD6

466 名前:sage 投稿日:03/07/02 02:04
丁度2年くらい前のことです。旅行にいきたいのでバイトを探してた時の事です。
暑い日が続いてて汗をかきながら求人をめくっては電話してました。
ところが、何故かどこもかしこも駄目,駄目駄目。
擦り切れた畳の上に大の字に寝転がり、適当に集めた求人雑誌をペラペラと悪態をつきながらめくってたんです。

不景気だな、、、節電の為、夜まで電気は落としています。
暗い部屋に落ちそうでおちない夕日がさしこんでいます。
窓枠に遮られた部分だけがまるで暗い十字架のような影を畳に落としていました。 、、遠くで電車の音が響きます。
目をつむると違う部屋から夕餉の香りがしてきます。
「カップラーメンあったな、、」私は体をだるそうに起こし散らかった求人雑誌をかたずけました。
ふと、、偶然開いたのでしょうかページがめくれていました。

467 名前:sage 投稿日:03/07/02 02:04
そこには某県(ふせておきます)の旅館がバイトを募集しているものでした。
その場所はまさに私が旅行に行ってみたいと思ってた所でした。
条件は夏の期間だけのもので時給はあまり、、というか全然高くありません
でしたが、住みこみで食事つき、というところに強く惹かれました。
ずっとカップメンしか食べてません。まかない料理でも手作りのものが食べれて、しかも行きたかった場所。
私はすぐに電話しました。

「、、はい。ありがとうございます!○○旅館です。」
「あ、すみません。求人広告を見た者ですが、まだ募集してますでしょうか?」
「え、少々お待ち下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
・・い、・・・そう・・・・だ・・・・・・・・」
受けつけは若そうな女性でした。
電話の向こう側で低い声の男と(おそらくは 宿の主人?)小声で会話をしていました。
私はドキドキしながらなぜか正座なんかしちゃったりして、、待ってました。やがて受話器をにぎる気配がしました。
「はい。お電話変わりました。えと、、、バイトですか?」
「はい。××求人でここのことをしりまして、是非お願いしたいのですが」
「あー、、ありがとうございます。こちらこそお願いしたいです。いつからこれますか?」
「いつでも私は構いません」「じゃ、明日からでもお願いします。すみません
お名前は?」「神尾(仮名)です」「神尾君ね。はやくいらっしゃい、、、」


468 名前:sage 投稿日:03/07/02 02:04
とんとん拍子だった。運が良かった。。私は電話の用件などを忘れないように録音するようにしている。
再度電話を再生しながら必要事項をメモっていく。
住みこみなので持っていくもののなかに 保険証なども必要とのことだったのでそれもメモする。
その宿の求人のページを見ると白黒で宿の写真が写っていた。
こじんまりとしているが自然にかこまれた良さそうな場所だ。

私は急にバイトが決まり、しかも行きたかった場所だということもあってホっとした。
しかし何かおかしい。私は鼻歌を歌いながらカップメンを作った。何か鼻歌もおかしく感じる。
日はいつのまにかとっぷりと暮れ、あけっぱなしの窓から湿気の多い生温かい風が入ってくる。
私はカップメンをすすりながら、なにがおかしいのか気付いた。
 条件は良く、お金を稼ぎながら旅行も味わえる。女の子もいるようだ。
旅館なら出会いもあるかもしれない。だが、何かおかしい。
暗闇に窓のガラスが鏡にな

75以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/19(日) 03:28:23.67 ID:xSrZ5rD6

469 名前:sage 投稿日:03/07/02 02:06
次の日、私は酷い頭痛に目覚めた。激しく嗚咽する。風邪、、か?
私はふらふらしながら歯を磨いた。歯茎から血が滴った。
鏡で顔を見る。ギョッとした。目のしたにはくっきりと墨で書いたようなクマが出来ており、顔色は真っ白。、、、まるで、、、。
バイトやめようか、、とも思ったが、すでに準備は夜のうちに整えている。
しかし、、気がのらない。そのとき電話がなった。
「おはようございます。○○旅館のものですが、神尾さんでしょうか?」
「はい。今準備して出るところです。」
「わかりましたー。体調が悪いのですか?失礼ですが声が、、」
「あ、すみません、寝起きなので」
「無理なさらずに。こちらについたらまずは温泉などつかって頂いて構いませんよ。
初日はゆっくりとしててください。そこまで忙しくはありませんので。」
「あ、、だいじょうぶです。でも、、ありがとうございます。」
電話をきって家を出る。あんなに親切で優しい電話。ありがたかった。
しかし、電話をきってから今度は寒気がしてきた。ドアをあけると眩暈がした。
「と、、とりあえず、旅館までつけば、、、」
私はとおる人が振りかえるほどフラフラと駅へ向かった。

やがて雨が降り出した。
傘をもってきてない私は駅まで傘なしで濡れながらいくことになった。
激しい咳が出る。「、、旅館で休みたい、、、、」
私はびしょぬれで駅に辿りつき、切符を買った。そのとき自分の手を見て驚いた。。
カサカサになっている。濡れているが肌がひび割れている。まるで老人のように。
「やばい病気か、、?旅館まで無事つければいいけど、、」

470 名前:sage 投稿日:03/07/02 02:06
私は手すりにすがるようにして足を支えて階段を上った。何度も休みながら。
電車が来るまで時間があった。私はベンチに倒れるように座りこみ苦しい息をした。。ぜー、、、ぜー、、、声が枯れている。
手足が痺れている。波のように頭痛が押し寄せる。ごほごほ!咳をすると足元に血が散らばった。私はハンカチで口を拭った。
血がベットリ。。
私は霞む目でホームを見ていた。
「はやく、、旅館へ、、、」
やがて電車が轟音をたててホームにすべりこんでき、ドアが開いた。
乗り降りする人々を見ながら、私はようやく腰を上げた。腰痛がすごい。
フラフラと乗降口に向かう。体中が痛む。あの電車にのれば、、、、
そして乗降口に手をかけたとき、車中から鬼のような顔をした老婆が突進してきた。

どしん!私はふっとばされホームに転がった。老婆もよろけたが再度襲ってきた。私は老婆と取っ組み合いの喧嘩を始めた。
悲しいかな、相手は老婆なのに私の手には力がなかった。
「やめろ!やめてくれ!俺はあの電車にのらないといけないんだ!」
「なぜじゃ!?なぜじゃ!?」
老婆は私にまたがり顔をわしづかみにして地面に抑えつけながら聞いた。
「りょ、、旅館にいけなくなってしまう!」
やがて駅員たちがかけつけ私たちは引き離された。
電車は行ってしまっていた。私は立ち上がることも出来ず、人だかりの中心で座りこんでいた。
やがて引き離された老婆が息をととのえながら言った。
「おぬしは引かれておる。危なかった。」そして老婆は去っていった。

471 名前:sage 投稿日:03/07/02 02:06
私は駅員と2~3応答をしたがすぐに帰された。
駅を出て仕方なく家に戻る。
すると体の調子が良くなってきた。

76以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/19(日) 03:29:04.08 ID:xSrZ5rD6

473 名前:sage 投稿日:03/07/02 02:11
「あ、すみません。求人広告を見た者ですが、まだ募集してますでしょうか?」
「え、少々お待ち下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
・・い、・・・そう・・・・だ・・・・・・・・」
ん??
私はそこで何が話し合われてるのか聞こえた。
巻き戻し、音声を大きくする。
「え、少々お待ち下さい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
・・い、・・・そう・・・・だ・・・・・・・・」
巻き戻す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ザ、、、ザ、、ザザ、、、
、、むい、、、、こご、そう・・・・だ・・・・・・・・」
巻き戻す。
「さむい、、、こごえそうだ」
子供の声が入っている。さらにその後ろで大勢の人間が唸っている声が聞こえる。
うわぁ!!私は汗が滴った。。
電話から離れる。すると通話記録がそのまま流れる。

「あー、、ありがとうございます。こちらこそお願いしたいです。いつからこれますか?」
「いつでも私は構いません」、、、

記憶にある会話。しかし、私はおじさんと話をしていたはずだ。
そこから流れる声は地面の下から響くような老人の声だった。
「神尾くんね、、はやくいらっしゃい」

474 名前:sage 投稿日:03/07/02 02:11
そこで通話が途切れる。私の体中に冷や汗がながれおちる。
外は土砂降りの雨である。金縛りにあったように動けなかったが私はようやく落ちついてきた。
すると、そのまま通話記録が流れた。
今朝、掛かってきた分だ。
しかし、話し声は私のものだけだった。
、、、、、、

「死ね死ね死ね死ね死ね」
「はい。今準備して出るところです。」
「死ね死ね死ね死ね死ね」
「あ、すみません、寝起きなので」
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね
死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」
「あ、、だいじょうぶです。でも、、ありがとうございます。」

私は電話の電源ごとひきぬいた。
かわいた喉を鳴らす。な、、、、なんだ、、、なんだこれ、、
なんだよ!? どうなってんだ??

475 名前:sage 投稿日:03/07/02 02:12
私はそのとき手に求人ガイドを握っていた。
震えながらそのページを探す。
すると何かおかしい。      、、ん?
手が震える。。そのページはあった。
綺麗なはずなのにその旅館の1ページだけしわしわでなにかシミが大きく広がり少しはじが焦げている。
どうみてもそこだけが古い紙質なのです。まるで数十年前の古雑誌のようでした。
そしてそこには全焼して燃え落ちた旅館が写っていました。
そこに記事が書いてありました。
死者30数名。台所から出火したもよう。
旅館の主人と思われる焼死体が台所でみつかったことから
料理の際に炎を出したと思われる。泊まりに来ていた宿泊客達が逃げ遅れて炎にまかれて焼死。

これ、、なんだ。。求人じゃない。。
私は声もだせずにいた。求人雑誌が風にめくれている。
私は痺れた頭で石のように動けなかった。

そのときふいに雨足が弱くなった。。一瞬の静寂が私を包んだ。



電話がなっている

77以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/19(日) 03:55:04.06 ID:psSSAKtK

文章で読む怖い話怖すぎ

78以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/19(日) 05:46:41.08 ID:K4MOu/3N

>>73
これどういう意味か分からない
誰か優しく説明して

79以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/19(日) 06:02:32.20 ID:RwAr/CtQ

怖い話いっぱい載ってるとこおせーて

80以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/19(日) 06:03:19.78 ID:SIjfzNvI

饅頭

81以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/19(日) 08:38:42.93 ID:kzMUawC/

>>78
うふふ、こういうとこは初めて?
お姉さんが優しく教えてあげるからね……。

82以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/19(日) 12:59:11.02 ID:GDJr5fT5

217 :名無しさん@お腹いっぱい。:2000/08/09(水) 01:51
何年か前、大晦日に友達と遊んでから朝帰りして、自分の部屋で寝てました。
そしたら、夢とわかってる夢をみたんです。

どのようなものかというと、
家に帰る途中に、電信柱や壁やらのあちらこちらに、
『いのちをたいせつにしよう』や、『後悔さきにたたず』など、半紙に筆書したものがペタペタはってある…
というものなんですけれど、
まわりには誰一人歩いておらず、道のあちらこちらに血のようなものが飛び散っていて、
不気味な夢だな~と思いながら歩いてました。

そして家に近づいたときに、母親に起こされて目が覚めたんですけれど、
母親はすっごく怖い顔で、「この部屋で寝るな」って言うんです。
「なんで?」って聞いたら、「今ここの上の部屋(集合住宅に住んでました)に仏様がいるから」と言うので、
なんか気持ち悪い夢見たのはそのせい?と思いました。

そのあとおせちを食べていたら、父親が「飛び降り自殺だったからなー」とボヤいてました。
そのときは本気でゾッとしました。
あの人は、飛び降りてから後悔したのでしょうか?

83以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:11:13.75 ID:hbw+50bf

643 :チキン :2001/04/30(月) 17:18?
母と娘が旅行に行った。
娘はもうすぐ嫁ぐ身、最後の母子水入らず。?
ありきたりの温泉宿で、特徴は海に面した・・・それだけ。?

部屋に通されるとやる事がない。?
駅から続く温泉街の土産物屋はだいたい覗いて来たし、夕食までにはまだ時間があった。?
そこで二人はお風呂に行く事にした。
「この先の廊下を行くとあります。今でしたら丁度、夕日が綺麗ですよ」?
女中さんはそう言って、忙しそうに戻って行った。?

言われた通りに進むと、一本の長い廊下に出た。左右にはバーや土産物屋が並んでいた。?
そこを通り過ぎて行くと、廊下は右に曲がっていた。?
その正面には『男湯』『女湯』の暖簾が。
中から音は聞こえない。ふたりで満喫出来そうだ。?

支度を済ませ浴場に入ってみると、案の定誰もいない。?
「うわー、素敵ねぇ」?
娘は感嘆の声を挙げた。
正面は全面開口の窓、窓に沿って長方形の湯船。?
その窓の外には夕日に光る一面の海。?
二人は早速湯船に入った。

娘は湯船の右奥が仕切られているのに気付いた。1メートル四方程の小さなもの。?
手を入れてみると、飛び上がるほどの熱い湯だった。?
「きっと足し湯ようなのね」
母の言葉で、娘は途端に興味を失った。?

風呂は全く素晴らしいモノだった。?
湯加減、見晴らし、なにより二人きりの解放感。?
窓と浴槽の境目には、ちょうど肘を掛けるくらいの幅があった。?
母は右に、娘は左に、二人並んでたわいもない話をしていた。?
ゆっくりと優しい時間が過ぎて行く。?


644 :チキン :2001/04/30(月) 17:42?
その時、母は突然悪寒を感じた。?
自分の右の方から、冷たいモノが流れて来るのを感じたのだ。?
普通ではない、なぜかそう直感した。?
あの熱い湯船の方から、冷たい水が流れてくる等ありえない。?
それに視線の端に、何かがチラついている気がしてならない。?
急に恐怖感が涌いて来た。?
それとなく娘の方を見てみる。?
母は血の気が引く思いがした。?
娘の表情。これまでに見た事のない表情。
しかも視線は自分の隣を見ている。?
口はなにかを言おうとパクパク動いてるが、声は出ない様子。?
母は意を決して振り返って見た。?
確かに誰もいなかったはず。また、後から誰も入って来てはいないはず。?
が、自分の右隣には見知らぬ女がいた。
しかも、自分達と同じ姿勢で、肘をついて外を見ている。?
長い髪が邪魔して表情まではわからない。
しかし、なにか鼻歌のようなものを呟きながら外を見ている。?
「おか、あさん、その人・・・」?
娘はようやく声を絞り出した。?
「ダメ!」?
母は自分にも言い聞かすように声をあげた。

84以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:13:38.88 ID:hbw+50bf

646 :チキン:2001/04/30(月) 18:03

母の声に娘はハッとして口を押さえた。
そう、別の客かも知れない。
そうだとしたら、あんな事を言うのはとても失礼な事だ。
けど。
誰かが入って来たなら気付くはず。
ましてや自分達のすぐ近くに来たなら尚更だ。
やっぱりおかしい。
そう思って母の方を見ると、さっきの女はいなくなっていた。
しかし母に視線を合わすと、今度は洗い場の方を指指している。
そこには。

出入口に一番近い所で勢いよく水をかぶるあの女。
何杯も、何杯も、何杯も、水をかぶっている。

娘は鳥肌が立った。
正に鬼気迫る光景だった。
母の顔色も真っ青になっている。
「もう出ようよ」
小さな声で母に呟いた。
「けどもしあれなら、失礼になるんじゃ」
母も気が動転しているようだった。
「それに」
母が続ける。
「私、あの人の後ろ恐くて通れない」
そう言う母は恐怖からなのか、少し笑みを浮かべていた。


647 :チキン:2001/04/30(月) 18:24

母のその一言で娘は気を失いそうになった。
自分も同じ、恐くて通れない!
「じゃ、どうするの、助け呼ぶ?」
「だから普通のお客さんだったら・・・」
そう答える母にもわかっていた、あの女は異常だ。
第一あれだけ勢い良く水をかぶってるのに、水の音が聞こえ
てこない。
「こわいよ、どーするの、ねぇお母さん」
娘は半泣きになっていた。
「とりあえずここで知らんぷりしときましょ」
母はそう言いまた外を見た。
私が動揺してたんじゃ・・・自分に言い聞かせながら。

不思議だ、さっきは水の音なんて何一つ聞こえやしなかった
のに、背後からはザバーッザバーッと聞こえてくる。
娘は気付いてるのだろうか?
問うてみるのも恐ろしく、身を強ばらせるばかり。
その時。
突然水をかぶる音が止んだ。
娘にも聞こえていたようだ、止んだ瞬間に顔をこちらに向けて
自分を呼んでいる。
娘は泣いていた。

85以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:14:37.62 ID:hbw+50bf

648 :チキン:2001/04/30(月) 18:42

けどお互いに顔を見合わせるばかりで、振り返る勇気がない。
ただただ出て行く事を望むばかり。
そのまましばらく時間が過ぎた。

「出て行ったみたい」
母は娘の方に視線をうつした。
娘は静かに下を向いていた。
ただたまにしゃくりかげるのが聞こえる。
「ほら、もう大丈夫だから、ね、もう出よう」
母の優しい声に諭され、娘はゆっくり顔を上げた。
よかった、心の底からそう思い母の方を見た。

母の後ろ。
熱い湯の入った小さな湯船。
そこにいた。
髪の長いあの女。
熱くて入れるはずなんかない湯船の中に。
湯船一杯に自分の髪を浮かべて。
顔を鼻から上だけ出して。
娘を見て、ただじーっと見つめて。
そしてニヤリと笑った。

「ギャー!」
娘は絶叫して母にすがりついた。


650 :チキン:2001/04/30(月) 18:59

母は娘が何を見てしまったのか知りたくなかった。
寄り添う娘の肌は冷えきってしまっている。
「出よう、おかしいもの。歩けるでしょ」
そう言いながら娘を立たせた。
早く、早く。もどかしくなる。
水の中がこんなに歩き辛いなんて。
それでもなんとか湯船をまたいで洗い場に出た。
娘は顔を覆ったままだから足元もおぼつかない。
出てしまえばもう大丈夫、突然安心感が涌いて来た。
母は最後に湯船を返り見てしまった。
そこには。

あの女が立っていた。
長い髪から水をポタポタ垂らしていた。
下を向いたまま立っていた。
窓一杯のとこに立っていた。

ここで母はまた背筋を寒くする。

立てるはずなんてない。
窓と湯船の境には、肘をつくのがようやくのスペースしか無
いのだから。
浮いてる?
そう言えば女の体は微かに揺れている気がする。
湯煙でよくわからない。

母も叫び声を挙げてしまった。

86以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:15:17.41 ID:hbw+50bf

651 :チキン:2001/04/30(月) 19:14

二人は駆け出した。
体なんか拭いてられない。
急いで浴衣を身に付けると、自分の持ち物もそのままに廊下
に飛び出し一番手前にあった寿司バーに駆け込んだ。
「なんかいる!なんかいるよ、お風呂に!」
娘は大声で板前さんに叫んだ。
最初は怪訝そうな顔で二人の話を聞いていた板前さんも、
次第に顔が青冷めていった。
「その話し、本当なんですよね」
「こんな嘘付いたとこでどうにもなんないでしょ」
娘はバカにされた様な気がして思わず怒鳴りつけてしまった。
それに母も続けた。
「私も確かに見てしまいました。本当です」
母のその一言を聞いた板前はどこかに電話を掛けた。

しばらくするとここの女将さんらしき女性がやって来た。
すこし落ち着きを取り戻した母子は、なにか嫌な事があった
のだな、と直感した。



653 :チキン:2001/04/30(月) 19:43

女将さんは軽く挨拶をするとゆっくり話しはじめた。

5年程前、一人の女がこの旅館にやって来た。
髪の長い女だった。
なんでもここで働きたいという。
女将は深刻な人手不足からか、すぐに承諾した。
しかし女には一つだけ難点があった。
左目から頬にかけてひどい痣があったのだ。
失礼だが接客はして貰えない、それでも良い?女将は聞く。
構いません、女はそう答えてこの旅館の従業員となった。
女はよく働いた。
それに顔の印象からは想像出来ない明るい性格であった。
ある時女将は女に痣の事を聞いてみた。
嫌がるかと思ったが、女はハキハキと教えてくれた。

ここに来る前に交際していた男が大酒飲みだった事。
その男が悪い仲間と付き合っていた事。
ひどい暴力を振るわれていた事。
その時に付けられた痣なんです、女は明るく答えてくれた。
そんな生活が嫌になって逃げて来たんです。
そう言う女の顔は痣さえなければかなりの美人だったらしい。

それからしばらくして。
この旅館に三人のお供を引き連れた男がやって来た。
そしてある従業員に写真を突き付けた。
「こいつを探している」
あの女だった。
もちろん「知らない」と答えて追い返した。
しかし小さな温泉街、きっとわかってしまうに違いない。
そう考えた女将は方々に手を尽くして女を守った。

87以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:16:09.54 ID:hbw+50bf

655 :チキン:2001/04/30(月) 20:24

しかし女は恐怖で精神が参ってしまった。
あんなに明るかったのにほとんど口を聞こうとしない。
女将は心配したが、女は大丈夫と言うばかり。

ある日、定時になっても女が出勤して来ない。
電話にも出ないし、部屋にもいない。
結局どうにもならないので無断欠勤という事にしてしまった。
ところが。
「大変、女将さん大変よ!」
何事か、従業員に連れられて向かったとこは風呂場だった。
そこに彼女はいた。
窓の外、向かって右に立つ大きな松の枝に首を吊っていた。
急いで降ろしてやったがすでに死んでいた。
悲しい事に、おそらく女は死ぬ前に髪を洗っていたようだ。
自慢のタネだったのだろう。
まだシャンプーの匂いが漂っていた。

不吉だという事でその松は切り倒された。
髪の巻き付いた長いロープと一緒に寺で燃やして貰った。

「・・・それで彼女がぶら下がっていた場所というのが、
お客さんが、その『何か』をご覧になった場所だったんです」
女将さんはそう言いながら母の目をみつめていた。

88以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:16:49.97 ID:hbw+50bf

すまん最初のレス変になった

89以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:32:56.46 ID:3Wsr49Dg

3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:42:28.07 ID:8Bp+h5fP0
あらかじめ断っておくけど、相当に長い上にヘタクソな文だと思う。
エロもない。
そして多分レスもしない。すまない、あまり時間が無いんだ。
ネタや釣りだと思われてもかまわない。
俺が吐き出したいだけというオナヌースレだ。
ただ出来るだけ多くの人の目に触れてほしい。

早速話をはじめよう。
俺が小学5年の頃の話だ。

90以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:33:51.14 ID:3Wsr49Dg

6:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:43:27.71 ID:8Bp+h5fP0
東京で生まれ育った一人っ子の俺は、
ほぼ毎年夏休みを利用して1ヶ月程母方の祖父母家へ行っていた。
両親共働きの鍵っ子だったので、祖父母家に行くのはたいてい俺一人だったが、
初孫だった俺を祖父母はいつも笑顔で歓迎してくれた。

山あいにある小さな集落で、集落の北端は切り立った山になってて、
その山のすぐ下を県道が走ってる。
県道沿いに商店が数軒並んでて、その中に祖父母家があった。
山を背にすると猫の額程の平地があり、真ん中に川が流れてて、
川を渡って数分歩くとすぐ山になる。

山に挟まれた県道と川がしばらく坂を上っていくと、
険しい峠になっていて、この集落は峠までの道で最後の集落になってる。
この峠は名前も何だか不気味だったこともあって、
昔ながらの怪談話をよく大人たちに聞かされたものだった。

そんな寒村の小さな集落、全部合わせて50人も住んでないような場所だから、
遊び仲間になる子供も5~6人ぐらいしか居なかった。

91以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:34:29.52 ID:3Wsr49Dg

8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:44:49.37 ID:8Bp+h5fP0
よく遊んでいたのが
子供たちの年長者であるA(中1)
Aの弟のB(小6)
仲間内で唯一俺より年下だった魚屋のC(小4)

川で泳いだりカブトムシを取りに行ったり、東京のコンクリートジャングルで生まれ育った俺にとって、
ファミコンが無くても楽しい田舎での暮らしは新鮮で天国のようだった。

92以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:35:08.75 ID:3Wsr49Dg

10:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:45:40.13 ID:8Bp+h5fP0
小5の夏休み。
俺は例年通り新幹線とローカル線、さらにバスを乗り継ぎ6~7時間掛けて祖父母家に行った。
翌日から遊び仲間たちに挨拶回りをして、
早速あちこち走り回って遊びまくった。

集落の大人たちから「行ってはいけない」と言われていた
集落南端の山中にあるお稲荷さんで肝試しもした。
カンカン照りの昼間だけど、鬱蒼とした森の中で、
北向きなせいもあって薄暗くて怖かったな。

93以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:35:58.65 ID:3Wsr49Dg

11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:46:44.08 ID:8Bp+h5fP0
それとは別にもう1ヶ所「行ってはいけない」と言われてた場所がある。
場所、と言うか、俺が聞いてたのは漠然としたエリアで、
県道伝いに峠方面に行くと、県道沿いに製材工場と墓地がある。
その墓地から先には絶対に行くな、と。

今でこそ県道は道幅が拡張されたり、トンネルがいくつもできたりしてるらしいが、
当時は集落から数キロ先の峠まで、道幅も狭くて交通量も多かったので危ないからだと説明されていた。

確かに両親と車で行ったとき、車で峠を越えたことがあったけど、崖にへばりつくような道で、
車線内に収まりきらない大型トラックがセンターラインを跨ぎながらビュンビュン走ってたのを覚えている。

94以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:36:44.95 ID:3Wsr49Dg

13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:47:13.21 ID:8Bp+h5fP0
肝試しの翌日、昨日の肝試しはたいしたこと無かったなと、皆で強がりながら話しているとき、
Bがニヤニヤしながら話はじめた。

B「峠の方に行った墓の先、鎖がしてある道あるじゃん?あの先にすっげぇ不気味な家があるらしいよ!」

A「家?鎖の奥に行ったことあるけどそんなの無かったぞ」

C「えぇ?A君行ったことあるの!?あの鎖の先は絶対行っちゃいけないって…」

A「おう、内緒だぞw」

95以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:37:22.63 ID:3Wsr49Dg

14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:48:11.49 ID:8Bp+h5fP0
どうやら本当に行ってはいけない場所というのは、鎖のある道小道だったようだ。

A「あの道の先って、川にぶつかって行き止まりだぞ。」

B「それがな、昔はあの先に橋があったらしいんだよ。でも俺たちが生まれた頃に洪水で流されたんだって。」

B「で、あの道とは別に、川の手前から斜めに入ってく旧道があるらしいんだよ。そこに古い橋がまだ残ってるって話だぜ。」

B「旧道は藪だらけだし、周りは林だからあの道から橋も見えないけどな。」

A「誰に聞いたんだ…?」

B「□□(別地域)の奴に。いわくつきの家らしいよ。」

A「面白そうだな。」

B「だろ?今から行ってみようぜ!」

AB兄弟はノリノリだったが、年少者で臆病なCは尻込みしていた。

96以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:38:07.68 ID:3Wsr49Dg

16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:49:45.13 ID:8Bp+h5fP0
B「Cはビビリだなwお前夜小便行けなくて寝小便が直らないらしいなw」

C「そんなことないよ!」

B「やーいビビリwおい、Cはビビリだから置いてこうぜw」

C「俺も行くよ!」

俺たち4人はわいわい騒ぎながら県道を峠方向に歩いていった。

97以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:38:59.38 ID:3Wsr49Dg

17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:50:09.64 ID:8Bp+h5fP0
集落から歩いて10分。
製材所や牛舎を抜けると、山側に大きな墓地がある。
そこからさらに5分程歩くと、Bが言う「鎖の道」が右手にあった。

車に乗ってたらまず気付かないであろう、幅2m程藪が薄くなっているところを覗くと、
5m先に小さな鉄柱が2本あり、ダランとした鎖が道を塞いでいる。

鎖を跨ぎ、轍が消えかけ苔と雑草だらけの砂利道を少し歩くと、
道は徐々に右へとカーブしていく。
鬱蒼とした木々に囲まれて薄暗いカーブを曲がっていくと、
緑のトンネルの先からひときわ明るい光がさしこんでいた。

そこで川にぶつかり、道は途切れた。
今居る道の対岸にも、森の中にポツンと緑のトンネルのような道が見える。
対岸まではせいぜい10~15mぐらい。川幅ギリギリまで木々が生えてるため左右の見通しは利かない。
足元には橋台の跡と思われるコンクリートの塊があった。

98以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:39:36.60 ID:3Wsr49Dg

18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:50:40.22 ID:8Bp+h5fP0
A「やっぱ行き止まりじゃねーか」
B「まぁ待ってよ。ほら、コレ橋の跡でしょ?あっち(対岸)にも道があるし。」
A「ほんとだ」
B「戻ろうぜ。旧道の目印も聞いてあるからさ。」

そこから引き返してカーブを曲がっていくと、カーブの付け根あたりでBが道の脇を指差した。

B「ほらこの石。これが旧道の分岐だ」

人の頭ぐらいの大きさの、平べったい石が2つ並んで落ちていた。
ひとつは中心がすこし窪んでいて、B曰く昔はここに地蔵があったんだとか。

99以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:40:37.54 ID:3Wsr49Dg

19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:51:18.03 ID:8Bp+h5fP0
県道方面から見てカーブの入り口を左側、濃い藪が広がってるなかで
確かに藪が薄い一本のラインが見える。
藪の中は緩い土がヌタヌタと不快な感触だが、
このライン上は心なしか踏み固められているように思えた。
藪を掻き分け、笹で手を切りながら進んでいくと、川に出た。

B「ほれ、橋だw」

Bがニヤケながら指差したのは、古びた吊り橋だった。

A「橋ってこれかよw行けるか?これw」
B「ホラ、結構丈夫だし行けるだろw」

まずはBが先陣を切って吊り橋を渡りはじめた。
ギギギギと嫌な音はするけど、見た目よりは丈夫そうだ。
Cは泣きそうな顔をしていた。

100以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:42:49.80 ID:3Wsr49Dg

20:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:51:59.66 ID:8Bp+h5fP0
いっぺんに吊り橋を渡って橋が落ちたら洒落にならないので、
一人ずつ順番に対岸まで渡ることになった。
一番ノリノリのBが渡り終えると、次にA、
そして俺が渡り終えて最後に残ったCを呼ぶが、
モジモジしてなかなか渡ろうとしない。

B「おいC!何怖がってんだよ!大丈夫だよ俺らが渡れたんだから一番チビなお前が渡っても橋が落ちることはねーよ!w」

対岸からあーだこーだとけしかけて、5分近く掛かってようやくCも渡ってきた。
涙で顔をグショグショにしたCの頭を、笑いながらBがグシャグシャと撫でていた。

101以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:43:47.57 ID:3Wsr49Dg

21:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:52:42.33 ID:8Bp+h5fP0
橋までの道と同じような藪が少し薄いだけという、
獣道にも劣る旧道を2~3分程歩くと、
右手から苔と雑草だらけの砂利道が合流してきた。
流された橋の先にあった車道だろう。

そこから100m程だろうか、クネクネとS字カーブを曲がっていくと、
広場のような場所に出て2軒の家があった。
元々は他にも数軒家があった形跡があり、奥にはすぐ山肌が迫っていた。

家があったと思われる場所は空き地になってる為、
鬱蒼とした森の中でかなり広いスカスカな空間が不気味だった。
2軒の家は平屋建てで、道を挟んで向かい合うように建っている。
どちらも明らかに廃屋で、左手の家には小さな物置があった。


102以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:45:15.92 ID:3Wsr49Dg

22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:53:31.48 ID:8Bp+h5fP0
広場の入り口には風化して顔の凹凸がなくなりつつある古い地蔵があったが、何故か赤茶けていた。
AB兄弟はすげーすげーと興奮してたが、俺とCは怖くなってしまい、黙り込んでいた。
Cはキョロキョロしながら怯えている。
どちらの家も玄関の引き戸や窓は木の板を×印の形に打ち付けて封鎖されていた。

B「どっかから入れないかな」

AB兄弟は家の周りをグルグル眺め回していた。
とても帰ろうなんて言える雰囲気ではないが、Cは小声で「もう帰りたい…」と呟いていた。
物置がある家の裏手からBがオーイ!と声をあげた。

皆でBの声のする方に言ってみると、裏手のドアは鍵が閉めてあるだけで、
木の板は打ち付けられていなかった。

103以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:45:51.97 ID:3Wsr49Dg

23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:54:11.07 ID:8Bp+h5fP0
B「兄貴、一緒にコイツを引っ張ってくれよ」

Aはニヤリと笑ってBと二人でドアノブを引っ張りはじめた。

C「ダメだよ、壊れちゃうよ!」

B「誰も住んでないんだから、いいだろw」

せーの!と掛け声をかけながらAB兄弟は力いっぱいドアノブを引っ張った。
何度目かのせーの!でバコン!カシャン!という音と共にドアが勢い良く開いた。
AB兄弟は勢い余って二人とも地面にぶっ飛んだ。
Aの左肘に出来た擦り傷が痛々しい。
ドアの向こうはかなり暗かったので、懐中電灯を持ってこなかったことを後悔した。
まずBが、次にAが勝手口から土足のまま入っていく。

B「くせー、なんだこりゃーw」

A「カビくせーなーw」

すっかり怯えきってるCと顔を見合わせたけど、
俺は恐怖より好奇心が勝っていたので、AB兄弟のあとに続いて家に入った。
それを見たCが鼻声で「待ってよ!」と言いながらドタドタと家に入る。

104以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:46:40.93 ID:3Wsr49Dg

25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:54:50.40 ID:8Bp+h5fP0
勝手口を入るとそこは台所になっていた。
土間を改築したのか、台所部分は土の床が広がっている。
とにかくかび臭く、歩くたびに土っぽい誇りがぶわっと舞うようだった。

台所には何も無く、奥に入ると畳の部屋があった。
台所と畳部屋の境目あたりの畳は特に損傷が酷く、
黒っぽく変色しグチャグチャに腐っていた。

その上にある鴨居は何かでガリガリ削ったような跡がついていた。
部屋には壁に立てかけられた大きな鏡があり、
鏡と反対の壁には昭和40年代のカレンダーがぶら下がっていて、
当時ですら20年近くも誰も住んでいなかったようだ。

カレンダーの下には幅1m、高さ50cm、奥行き50cmぐらいの
木製の重厚な葛篭のようなものがあり、
蓋の部分には黄色く変色した和紙の封筒のようなものが貼り付けてあった。

105以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:47:15.97 ID:3Wsr49Dg

26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:55:37.37 ID:8Bp+h5fP0
C「もう帰ろうよ、怖いよ…」

B「弱虫だなぁCはw」

A「折角ここまで来たんだから、なっ!」

ABは笑いながら葛篭を開けようとしていたが、しっかりと閉じられていてビクともしないようだった。
数分葛篭と格闘したABだったが一向に開く気配が無いので一旦諦め、室内の散策を続行することにした。
葛篭の部屋からは細くて暗い廊下が伸びており、汲み取り式の和式便所と狭苦しい風呂が並んでいて、
特に風呂はグレーがかった黒い液体が固まったようなものがあって汚かった。

106以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:48:09.21 ID:3Wsr49Dg

27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:56:07.92 ID:8Bp+h5fP0
そして便所と風呂から廊下を挟んで反対側に、もう一部屋和室があった。
和室には全身を写せる鏡と、その鏡の反対側の壁に小さな木箱が置かれていて、
木箱にはさっきの葛篭と同じく和紙の封筒のようなものが貼り付けてあった。

A「うわ、まただよ。なんなんだ?これ」

B「中身、見てみようぜ」

Bはまず木箱が開くのか試してみたが、開かなかった。
そしてビリッと和紙の封筒を剥がして、中に入っている紙を取り出した。

B「なんて書いてあるんだ?これ」

A「達筆過ぎて読めないな…」

そこにはミミズが這ったような文字が黒々と一行だけ書いてあり、
左下には何かをこすったような赤黒いシミが付いていた。

107以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:48:49.77 ID:3Wsr49Dg

28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:57:02.06 ID:8Bp+h5fP0
B「あっちの紙も同じようなもんなのかな?」

AとBがドタドタと先ほどの葛篭の場所へ移動する後ろを、俺とCもついて行った。

A「ちょっと違うけど、似たようなもんだな。」

葛篭の文字も書いてある文字こそ違いそうだが、
一行だけ書かれた文字の左下に赤黒いシミが付いている。
首をかしげながらさらに家を調べる為廊下を歩き、
小箱の部屋を通り過ぎるとすぐ玄関に辿り着いた。

C「わっ!」

B「なんだよ?」

C「あそこに!人が!」

Cは顔を伏せて震えていた。
見てみると、鏡越しに人のような姿が見える。
恐る恐る玄関に行ってみると、玄関横の壁にも全身を映せる大きな鏡があり、
その正面にガラスの箱に入った日本人形が飾られていた。
廊下からは壁の裏なので人形は死角になっていたのだ。

108以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:50:01.78 ID:3Wsr49Dg

29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:57:35.01 ID:8Bp+h5fP0
B「鏡に映った人形じゃねーかw」

C「…。」

B「ほんと、Cは怖がりだなwww」

Cはベソをかきながら真っ赤になっていたが、この状況だ。
突然鏡に人形が映ってるのを見たら怖がりのCじゃなくてもビビるだろう。
俺も少し肝を冷やした。
そして、この日本人形が入ったガラスの箱にも、
和紙の封筒がありその中に一行の文字と赤黒いシミがあった。

それにしても、家財道具など一切無いのに、
箱や葛篭、日本人形があり、そして鏡が置いてある。
ただでさえ薄気味悪い場所なのに、
その状況は輪をかけて不気味だった。

109以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:50:41.50 ID:3Wsr49Dg

30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:58:36.65 ID:8Bp+h5fP0
B「何もねーなー、もう一軒の方行ってみるか!」

A「そーだなー。」

裏口に向かって廊下を歩いていく時、何気なしに玄関を振り返ってみた。

さっき鏡越しに人形が見えた場所だったが、おかしい。
そうだ、おかしい、見えるわけが無い。
この位置から人形は壁の死角になってて、俺たちは斜め前から鏡を見てる。
鏡は人形に向かって正面に向いてるわけだから、鏡に人形は映らない。
今も、人形ではなく何も無い靴棚が見えてるだけだ。

俺は鏡から目が離せなくなっていた。
その時、前を歩いていたCが声を上げた。

C「開いてる!」

和室にあった小箱の蓋が開いて、蓋は箱に立てかけられていた。

110以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:51:50.66 ID:3Wsr49Dg

31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:59:20.58 ID:8Bp+h5fP0
A「え?何で?」

B「ちょ、誰だよ開けたのw」

AB兄弟はヘラヘラしていたが、額には脂汗がにじんでいた。

A「おいB、隣の葛篭見て来い」

C「何で、Bが悪戯したの?何で開いてるの!」

B「あ、開いてる!こっちも!開いてるよ!」

A「なんだよそれ!何で開いてんだよ!?」

今でも何でこんなことしたのか分からないが、
AB兄弟が叫んだのを聞いて急いで玄関に向かった。
ガラスの箱に人形は無かった。
人形は…玄関に立っていた。
俺は叫び声を上げた、つもりだったが、
声がかすれてゼーゼー音がするだけだった。
口の中がカラカラで、ぎこちなくみんながいる方に歩いて行くと、
AとBがもみあってる声が聞こえた。

111以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:52:33.79 ID:3Wsr49Dg

32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 16:59:57.32 ID:8Bp+h5fP0
A「B!やめとけ!やばいって!」

B「畜生!こんなのたいしたことねえよ!離せよ兄貴!」

A「おいやめとけ!早くココ出るぞ!おい手伝え!」

AはBを羽交い絞めにして俺に手を貸せと声を上げた。
その時、AB兄弟の後ろに立てかけてあった鏡が突然倒れた。
AB兄弟にぶつかりはしなかったが、他の部屋の鏡も倒れたようで、
あちこちからガシャンと大きな音がした。
鏡の裏には…黒々とした墨汁で書かれた小さな文字がびっしりと書かれていた。
鏡が倒れたことに驚いたAがBの拘束を緩めてしまったのだろう。

112以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:53:36.58 ID:3Wsr49Dg

33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:01:02.01 ID:8Bp+h5fP0
Bは「ウオォォォォォ」
と叫び声を上げ激しく暴れ、Aを吹っ飛ばして葛篭にしがみ付いた。

B「ウオオオオォォォォォォォォォ!」

A「おい!B!おい!おっ…」

A「うぎゃああああああああ!!!!」

Bの肩越しに葛篭を見たAが突然叫び声をあげ、
ペタンと尻を突いたまま、手と足をバタバタ動かしながら後ずさりした。

B「fそいあlzpwくぇrc」

もはやBが叫んでいる言葉が分からなかった。
一部聞き取れたのは、繰り返しBの口から発せられた「○○(人名)」だけだった。

113以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:54:27.25 ID:3Wsr49Dg

34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:01:36.53 ID:8Bp+h5fP0
腰を抜かしてたAが叫びながら勝手口から逃げ出した。
パニック状態だった俺とCも、Aの後を追った。
廃屋の中からは相変わらずBの何語かも分からない怒号が聞こえていた。
Aは叫びながらもう1軒の廃屋の戸をバンバンバンバン叩いていた。
俺とCはAにBを助けて逃げようと必死で声を掛け続けたが、
Aは涙と涎を垂らしながら、バンバン戸を叩き続けた。

B「おい4くぉ30fbklq:zぢ」

Bは相変わらず葛篭の部屋で叫んでいる。
×印に打ち込まれた木の板の隙間から、
Bが葛篭から何かを取り出しては暴れている姿がチラチラと見える。
そして、Bの居る廃屋の玄関には、明らかにBでは無い人影が、
Bの居る部屋の方に向かってゆっくりゆっくり移動してるのが見えた。

114以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:55:05.64 ID:3Wsr49Dg

35:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:02:24.20 ID:8Bp+h5fP0
バンバンバンバンバンバン

カタカタカタカタガタガタガタガタガシャンガシャンガシャンガシャンガシャン

Aが戸を叩いてるもう1軒の廃屋は、
Aがバンバン叩いているのとは別の振動と音がしはじめていた。
そしてAも、B同様「○○!」とある人名を叫んでいた。

Bのいる部屋を見ると、Bのそばに誰かが居た。
顔が無い。いや、顔ははっきりと見た。
でも、印象にまるで残らない、のっぺらぼうのようだった。
ただ、目が合っている、俺のことを見ていることだけはわかった。
目なんてあったのか無かったのかすらもよくわからない顔。
俺はそいつを見ながら失禁していた。

115以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:56:45.34 ID:3Wsr49Dg

36:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:03:08.62 ID:Bp+h5fP0
限界だった。
俺はCの手を引き頭にもやが掛かったような状態で廃屋を背に走り、
次に記憶に残ってるのは空を見ながら製材所あたりの県道を集落に向けてフラフラ歩いているところだ。
泣きじゃくるCの手を引き、フラフラと。
集落を出たのは昼前だった。

あの廃屋への往復や廃屋内の散策を含めても、せいぜい1時間半程度だったろうと思ったが、
太陽は沈み山々を夜の帳が包もうとしている頃だった。
集落に着いた頃には空は濃い藍色になっていて、
こんな時間まで戻らない子供を心配していた集落の大人たちに怒られた。
失禁したズボンやパンツは、すっかり乾いていたように記憶している。

116以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:57:28.17 ID:3Wsr49Dg

37:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:03:42.77 ID:8Bp+h5fP0
周りの大人たちは当然仲の良かったAB兄弟が帰ってきてない事にすぐに気付き、
俺たちを問い詰めた。
俺もCも呆然自失となってたのでうまく説明できなかった。

4人で探検をしたこと。
墓の向こうの鎖の道へ行ったこと。
そこに廃屋があったこと。
廃屋で妙な現象が起こったこと。
AとBがおかしくなったこと。
俺とCだけで逃げ帰ってきたこと。

俺がとぎれとぎれに話をすると、大人たちは静かになった。
青い顔をして押し黙る大人たちの中で一人だけ、
真っ赤な顔で俺たちをにらむ人がいた。

117以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:58:19.16 ID:3Wsr49Dg

38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:05:03.48 ID:8Bp+h5fP0
AB兄弟の母親だった。
AB母は叫びながら俺を何発か平手打ちした。
そしてCに飛び掛ろうとしたところを、
我に返った大人たちに抑えられた。
AB母は口から泡を吹きながら俺とCを罵倒し、叫んでいた。
AB父はひざから崩れ落ち、小声で「何てことを…」と呟いた。

その時、□□(別地域)集落にある神社の神主がカブに乗って現れた。
神主は事情を聞いていたわけではなかったようだが、
俺とCを見て厳しい顔で言った。

神主「嫌なモノを感じて来てみたが…お前さんたち、何をした?」

激しく責められ咎められているような厳しい視線に突き刺されるような痛さを感じたが、
同時に何か「助かった」というような安堵感もあった。
それでもまだ、頭の中がモヤモヤしていて、どこか現実感が無かった。

118以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 20:59:09.79 ID:3Wsr49Dg

39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:05:52.53 ID:8Bp+h5fP0
もうまともに喋れなかった俺たちに代わり、大人たちが神主に説明すると、
神主はすぐに大人に何かを指示し、俺とCを連れて裏山のお稲荷さんまで走った。
俺とCは背中に指で「ハッ!ハッ!」と文字を書かれ、頭から塩と酒、そして酢を掛けられた。

神主「飲め!」

と言われ、まず酒を、そして酢を飲まされた。
そして神主が「ぬおおお!」と叫びながら俺とCの背中を力いっぱい叩くと、俺もCも嘔吐した。
嘔吐しながら神主が持っている蝋燭を見ると、蝋燭の火が渦を巻いていた。
胃の中身が何も無くなるぐらい、延々と吐き続け、服も吐瀉物にまみれた。

もう吐くものがなくなると、頭の中のモヤモヤも晴れた。
集落に戻り水銀灯の光を浴びると、俺とCの服についた吐瀉物の異様さに気が付いた。
黒かった。真っ黒ではなかったが、ねずみ色掛かった黒だった。

119以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:00:19.32 ID:3Wsr49Dg

40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:06:20.31 ID:8Bp+h5fP0
それを見てまたえずいたが、もう胃の中に吐くものが残っていないようで、
ゲーゲー言うだけで何も出てこなかった。
その足で、□□集落の神社へ、俺とCは連れて行かれた。
服も下着も剥ぎ取られ、境内の井戸の水を頭から掛けられ、着物を着させられた。
そして着物の上からまた塩と酒、酢をまぶされてから本殿に通された。

120以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:01:06.52 ID:3Wsr49Dg

41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:06:55.67 ID:8Bp+h5fP0
神主「今お前らのとこと□□集落の青年団がAとBを探しに行っている。」

神主「AとBのことは…忘れるんだ。」

神主「知らなかった事とは言え、お前たちは大変なことをしてしまった。」

神主「あそこで何を見た?」

神主「封印してあったものは、見てしまったか?」

神主「俺も実際には見ていない。先代の頃の災いだ。だが何があるかは知っている。何が起こったのかも知っている。」

神主「大きな葛篭があったろう。あれは禍々しいものだ。」

神主「鏡が3枚あったろう。それは全て、隣家の反対を向いていたはずだ。」

神主「札が貼ってあったあれな、強すぎて祓えないんだ。」

神主「だからな、札で押さえ込んで、鏡で力を反射させて、効力が弱まるまでああしていたんだ。」

神主「あの鏡の先にはな、井戸があってな。そこで溢れ出た禍々しい力を浄化していたんだ。」

121以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:01:45.77 ID:3Wsr49Dg

42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:07:38.95 ID:8Bp+h5fP0
神主「うちの神社が代々面倒見るってことで、年に一度は様子を見に行ってたんだがな。」

神主「前回行ったのは春先だったが、まだ強すぎて、運び出すことも出来ない状態だ。」

神主「俺は明日、あの家自体を封印してくる。」

神主「だが完全に封印は出来ないだろう」

神主「あれはな、平たく言うと呪術のようなもんだ。」

神主「人を呪い殺す為のものだ。それが災いをもたらした。」

神主「誰に教わったのだか定かではないが、恐ろしいほどに強い呪術でな。」

神主「お前らが忍び込んだ向かいの家はな、○○と言うんだが、家族が相次いで怪死して全滅した。」

神主「他にも数軒家があったが、死人こそ出てないが事故に遭うものや体調を崩す者が多くなってな。」

122以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:02:35.13 ID:3Wsr49Dg

43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:08:32.13 ID:8Bp+h5fP0
神主「お前らが忍び込んだ家には昔△△という人間が住んで居た。」

神主「△△は若い頃は快活で人の良い青年だったようだが、ある時向いに住む○○と諍いを起こしてな。それからおかしくなっちまったんだ。」

神主「他の家とも度々トラブルを起こしていたんだが、特に○○家を心底憎んでたようだ。」

神主「周囲の家は、ポツリポツリと引っ越していった。」

神主「原因不明の事故や病人がドンドン出て、それが△△のせいじゃないかと噂がたってな。」

神主「結局、○○と△△の家だけが残った。昭和47年の話だ。」

神主「その頃から○○家の者は毎月のように厄災に見舞われ、一年後には5人家族全員が亡くなった。」

神主「△△が呪い殺したんだと近所では噂した。ますます△△に関わる者はいなくなった。」

神主「そして翌年、今度は△△の家族が一晩で全滅した。」

神主「あの家は△△と奥さんの二人暮しだった。」

神主「△△は家で首を括り、奥さんは理由はわからんが風呂釜を炊き続けて、熱湯でな…。」

123以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:03:26.20 ID:3Wsr49Dg

44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:09:36.63 ID:8Bp+h5fP0
神主「それだけじゃない。」

神主「東京に働きに出ていた息子と娘も、同じ日に事故と自殺で亡くなってる。」

神主「△△家族が死んで、捜査に来た警察関係者の中にも、自殺や事故で命を落としたり、病に倒れた人間が居るらしいが、このあたりはどこまで本当かわからんがな。」

神主「△△が使った呪術は、使った人間の手に負えるものじゃないんだよ。」

神主「当時先代の神主、俺の父親だが、とても祓うことは出来ないと嘆いてた。」

神主「△△一家が全滅して、あの集落は無人になった。」

神主「あの二軒はな、禍々しい気が強すぎて、取り壊しもできない程だった。」

神主「そして先代の神主は、まず災いの元になったものを封印し霊力を弱め、十分弱めることができてから祓うことにした。」

神主「祓えるのはまだまだ何十年も先だろう」

124以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:04:17.31 ID:3Wsr49Dg

45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:10:03.63 ID:8Bp+h5fP0
神主「そして、溢れ出た呪術の力は、お前たちに災いをもたらすだろう。」

神主「おおかたさっき吐き出させたが、これでは済まん。」

神主「あの家の呪術の力と、Bのこともあるからな。」

神主「呪術の強さはともかく、お前たちを見逃しはせんだろうな、Bのこともあるから…。」

神主「塩と酒と酢、これは如何なるときも肌身離さず持っていろ。」

神主「それとこれだ。」

神主「この瓶の水が煮えるように熱くなったら、お前の周りに災いが降りかかる時だ。」

神主「その時は塩を体にふりかけ、酒を少し飲み、酢で口をゆすげ。」

神主「向こう20年、いや30年か。それぐらいは続くと思っていい。」

125以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:05:03.26 ID:3Wsr49Dg

46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:10:29.53 ID:8Bp+h5fP0
神主「今夜はゆっくり休め。」

神主「C、もう近寄る気はないだろうが、あそこには二度と行くな。」

神主「あとでお前の両親にも言って聞かせる。出来ることなら引っ越せとな。」

神主「AとBの名も口にするな。声に出すな。」

神主「お前は東京モンだ、もうこの集落には来るな。」

神主「お前ら二人は今後会ってはならん。特に二人きりで会うなどもってのほかだ。」

神主「この話は禁忌だ。集落の者や関係者は誰しもがこの話を避ける。」

神主「お前らも今日以降、この話はするな。」

その日は神社に泊まり、翌日、俺は東京に帰った。

126以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:05:54.89 ID:3Wsr49Dg

47:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:11:04.35 ID:8Bp+h5fP0
Bはあの場所で死んでいたそうだ。
Aは外で狂っていたらしい。

そして、Bの遺体を廃屋から連れて帰った青年団の中で、1人が翌日事故で死亡。
2人が精神を病んで病院送りになったそうだ。

Bの死因はハッキリしていないが、外傷も無く病死ということでカタがついたそうだ。
あの家を警察に捜索されるわけにはいかない。
神主や町の有力者たちを巻き込み、事件にしなかったのだろう。

そしてAB母はあの事件以来精神を病んでしまい半年後に自殺。
AB父はAB母の自殺後すぐに心筋梗塞か何か、よくある心臓疾患で急死したそうだ。

127以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:06:50.30 ID:3Wsr49Dg

48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:11:28.82 ID:8Bp+h5fP0
あの年の秋、これは元々決まっていたことだが、祖父母家は隣町に引っ越した。
隣町とは言っても、40~50kmは離れている。
これであの集落との縁も切れた。
C一家も翌年には県内の別地域へと引っ越して行ったそうだ。


128以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:07:28.94 ID:3Wsr49Dg

49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:16:09.90 ID:8Bp+h5fP0
そしてこれは一昨日の話だ。
夜7時過ぎ、新宿で乗り換えの為ホームを歩いてる時、向かいのホームから視線を感じ、
見てみると一人の小柄なサラリーマンがこっちを見ていた。
18年振りだというのにひと目でわかった。
Cだ。

Cも俺に気付いていたようで、目が合うと怯んだような顔をして、
スタスタと逃げるように歩き始めた。
人ごみをかきわけ俺は走った。

俺「C!」

Cの腕を掴むと、怯えたような顔で俺を見た。

C「あぁ、やっぱり…。」

観念したCと二人、出来るだけ賑やかな場所へと思い、
歌舞伎町の居酒屋チェーンに入った。
後日談はこの時Cから聞いた。

129以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:09:10.36 ID:3Wsr49Dg

51:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:16:36.25 ID:8Bp+h5fP0I
俺は急遽3日程有給を取った。
この忙しい時にと上司には散々どやされたが、無理矢理もぎ取ってきた。
今日は身の回りの準備をしてからコレを一気に書いた。
心の準備みたいなもんだ。

Cは辞表を提出してきたそうだ。
何もそこまで…と思ったが、無理も無い。
俺とCは明日あの集落に行く。

本来ならAも連れて行きたいところだが、
内陸だったので先日の地震では大きな被害は出てない地域だと思うが
、道路状況はわからないのでスムーズに現地入りできるかが心配だ。
通常なら高速を飛ばせば3~4時間の距離だ。

130以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:09:52.34 ID:3Wsr49Dg

52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:17:28.43 ID:8Bp+h5fP0
俺はここ最近、ずっとBに呼ばれていた。
Bの夢を頻繁に見るようになったのは3ヶ月程前から。
それが徐々に増えていき、毎晩になった。

そして、この1ヶ月程はどこに居てもBの視線を感じるようになった。
人ごみの中、夜道の電柱の影、マンションの窓の外。
いつもBが見ている。
俺が視線を感じて振り向くと、影がサッと隠れる。
Bが呼んでいる。
あの家に行けば、何かがある。
恐ろしいけど行かなければならない。

Cも同じことを考えていたらしいが、Cはこのまま逃げたかったらようだ。
だが俺と出会ってしまい逃げることはできないと覚悟を決めたようだった。

131以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:10:32.92 ID:3Wsr49Dg

53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:18:27.97 ID:8Bp+h5fP0
逃げられるわけがないんだ。
大学3年の時、神主からもらった瓶詰めの水、あれが破裂した。
ジャケットの胸ポケットに入れていたので、
ガラス片で出来た傷がいまだにミミズ腫れのように残っている。

すぐ祖母に電話をし、そのことを話すと、あの神主一家が事故で亡くなったらしく、
後継の息子たちも亡くなってしまったので神主一家の家系も絶えることになるだろうと、
静かに話していた。
そして、「お前も気をつけろ」と。

俺を護ってくれた神主が死に、神主が持たせてくれた大切な水が無くなってしまったことは、
俺にとっては死刑宣告のようなものだった。

132以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:11:39.36 ID:3Wsr49Dg

54:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:18:53.69 ID:8Bp+h5fP0
そしてその翌日、祖父が死に、数日して後を追うように祖母が死んだ。
両親も死んだ。
必ず、大事な人の死の直前に、俺は嫌な夢を見た。
翌日か翌々日には、誰かが急に死ぬ。
そして、嫌な夢の内容は誰かが死んだ後に、Bの夢だったと思い出すのだ。

133以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:12:24.97 ID:3Wsr49Dg

55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:19:25.25 ID:8Bp+h5fP0
ヶ月前、親友が急死した。
死の直前、親友から電話が掛かってきた。
久しぶりに話をした親友は精神を病んで居た。
そして、親友の口から、Bの名前が出た。
あの事件以降、あの話は誰にもしていない。
Bの名前など知るはずもない親友は、Bが怖い、Bがやってくると怯えていた。
詳しい話を聞く間もなく、電話は切れ、その直後親友は電車に飛び込んだ。

これで俺の近しい人間は、一人を除いて誰も居なくなった。
会社では友人など作らないことに決めている。
俺と親しくなると、災いが降りかかり呪術によって死に至る。

134以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:13:24.12 ID:3Wsr49Dg

56:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:19:56.40 ID:8Bp+h5fP0
の家族も、全滅していた。
やはりあの瓶詰めの水は破裂したそうだ。
だがCはその時まで何も無かったので、
もう大丈夫だろうとタカをくくっていたらしい。

しかし、Cの家族は全滅してしまった。
そして、Cが一度抑えきれずにこの話をしてしまった大学時代の友人は、
話をした翌日に自殺をしたらしい。

135以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:14:04.96 ID:3Wsr49Dg

57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:21:26.68 ID:8Bp+h5fP0
俺とCが何故生きているのか。
簡単なことだ。
あの家に行くまで、俺たちの周りの誰かが死に続けるんだ。
何が起こるかはわからない。
でも、このまま俺たちが生き続けるわけにはいかない。

136以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:14:48.30 ID:3Wsr49Dg

58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:23:03.74 ID:8Bp+h5fP0
長くなったが、まともに読んでる人間はいないだろう。
目に止めてしまったことがきっかけになって
△△の呪術が災いをもたらす結果になってしまったら
それは申し訳ないと思う。

俺は俺の子を宿した妻を守りたい。
俺とCが犠牲になり、誰かに話すことで呪術の災いが分散され、
弱まるのだとしたら、これは意味のあることだと思いスレをたてた。

以上で俺の話は終わり。

137以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:16:36.66 ID:N/dS3ctP

貼り続けるあなたが怖い

138以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:16:47.32 ID:3Wsr49Dg

61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:27:15.37 ID:1Wc8elqe0
で今夜その家に行くわけね?


63:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:28:48.58 ID:8Bp+h5fP0
>>61
明日いってくる。


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:27:22.45 ID:8Bp+h5fP0
わからない。
見ず知らずの他人だから、大きく影響が出ることはないだろうと思う。


64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 17:30:32.83 ID:8Bp+h5fP0
頭痛がするので横になる。
嫌な気分だ。


65: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 :2011/04/09(土) 17:32:13.88 ID:hLm4Lb5U0
>>64死ぬなよ


74: 忍法帖【Lv=6,xxxP】 :2011/04/09(土) 17:58:23.18 ID:hLm4Lb5U0
釣り宣言してくれ


80:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 18:19:52.57 ID:8Bp+h5fP0
つりではないんだ

釣りだったらどんなに良いか


怖い


76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/09(土) 18:17:07.45 ID:8Bp+h5fP0
釣りでした

と言えれば楽なんだけどな。
みんなすまんかった。


139以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 21:46:57.75 ID:VghPuuph

乙です
一気読みした、このあとどうなったんだろう

140以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/20(月) 22:57:15.47 ID:pUMWjFOw

読みオワタ

141◆h.GVO.2uyc:2015/04/21(火) 15:35:56.49 ID:Jh1SXLRL

>>138
この話好きなんだけど、ググる時なんて入力していいかわけらなくていつも辿り着けない
タイトル何?

あとこれに似た話あるよね
登場人物には女の子がいた気がする
誰か知らないかなぁ?
廃屋の中に鏡があってその前に小箱が置いてあって中に髪の毛だっけ?が入ってるやつ

142以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/21(火) 16:18:51.99 ID:YgLaivCK

昔田舎で起こったこと じゃなかったっけ?

下の話も結構知ってる人は多いんじゃないかな
長くて貼れんけど

143以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/21(火) 16:42:13.22 ID:4+SO5GWh

この手の話って実際に聞かせられるとなんも怖くないんだよな
文字ってやっぱり想像しちゃうせいか怖く感じる

144以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/21(火) 18:48:23.50 ID:fY62BZnv

>>141
俺もタイトル分からなかったけど
山奥 日本人形
でたどり着けたよ

145以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/21(火) 19:47:42.32 ID:1hsEE9Ba

>>144
さんきゅー

146以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 17:13:43.74 ID:ghQW3aTr

パンドラだよな

147以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:01:30.67 ID:ghQW3aTr

パンドラって後日談あったのね
呪術系の話好きだから面白かった

148以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:16:11.19 ID:/g26I4Nx

コトリバ
紫…

149以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:18:03.40 ID:ghQW3aTr

私の故郷に伝わっていた『禁后』というものにまつわる話です。
どう読むのかは最後までわかりませんでしたが、私たちの間では『パンドラ』と呼ばれていました。

私が生まれ育った町は、静かでのどかな田舎町でした。
目立った遊び場などもない寂れた町だったのですが、一つだけとても目を引くものがありました。
町の外れ、田んぼが延々と続く道にぽつんと建っている、一軒の空き家です。
長らく誰も住んでいなかったようでかなりボロく、古くさい田舎町の中でも一際古さを感じさせるような家でした。
それだけなら単なる古い空き家…で終わりなのですが、目を引く理由がありました。

一つは、両親など町の大人達の過剰な反応。
その空き家の話をしようとするだけで厳しく叱られ、時にはひっぱたかれてまで怒られることもあったぐらいです。
どの家の子供も同じで、私もそうでした。
もう一つは、その空き家にはなぜか玄関が無かったということ。
窓やガラス戸はあったのですが、出入口となる玄関が無かったのです。
以前に誰かが住んでいたとしたら、どうやって出入りしていたのか?
わざわざ窓やガラス戸から出入りしてたのか?
そういった謎めいた要素が興味をそそり、いつからか勝手に付けられた『パンドラ』という呼び名も相まって、
当時の子供達の一番の話題になっていました。(この時点では、『禁后』というものについてまだ何も知りません)

私を含め大半の子は、何があるのか調べてやる!と探索を試みようとしていましたが、
普段その話をしただけでも親達があんなに怒るというのが身に染みていたため、なかなか実践できずにいました。
場所自体は子供だけでも難なく行けるし、人目もありません。
たぶん、みんな一度は空き家の目の前まで来てみたことがあったと思います。
しばらくはそれで雰囲気を楽しみ、何事もなく過ごしていました。

150以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:18:28.09 ID:3VA77pzk

私が中学にあがってから何ヵ月か経った頃、
ある男子がパンドラの話に興味を持ち、「ぜひ見てみたい」と言いだしました。名前はAとします。
A君の家は、お母さんがもともとこの町の出身で、他県に嫁いでいったそうですが、
離婚を機に、実家であるお祖母ちゃんの家に戻ってきたとのこと。
A君自身はこの町は初めてなので、パンドラの話も全く知らなかったようです。
その当時私と仲の良かったB君・C君・D子の内、B君とC君が彼と親しかったので、
自然と私達の仲間内に加わっていました。
五人で集まってたわいのない会話をしている時、私達が当たり前のようにパンドラという言葉を口にするので、
気になったA君がそれに食い付いたのでした。
「うちの母ちゃんとばあちゃんもここの生まれだけど、その話聞いたらオレも怒られんのかな?」
「怒られるなんてもんじゃねえぜ?うちの父ちゃん母ちゃんなんか、本気で殴ってくるんだぞ!」
「うちも。意味わかんないよね」
A君にパンドラの説明をしながら、みんな親への文句を言い始めます。

ひととおり説明し終えると、一番の疑問である「空き家に何があるのか」という話題になりました。
「そこに何があるかってのは、誰も知らないの?」
「知らない。入ったことないし、聞いたら怒られるし。知ってんのは親達だけなんじゃないか?」
「だったらさ、何を隠してるのかオレたちで突き止めてやろうぜ!」
Aは意気揚揚と言いました。
親に怒られるのが嫌だった私と他の三人は、最初こそ渋っていましたが、
Aのノリにつられたのと、今までそうしたくともできなかったうっぷんを晴らせるということで、結局みんな同意します。
その後の話し合いで、いつも遊ぶ時によくついてくるDの妹も行きたいという事になり、
六人で日曜の昼間に作戦決行となりました。

当日、わくわくした面持ちで空き家の前に集合。
なぜか各自リュックサックを背負って、スナック菓子などを持ち寄り、みんな浮かれまくっていたのを覚えています。
前述のとおり、問題の空き家は田んぼに囲まれた場所にぽつんと建っていて、玄関がありません。
二階建の家ですが窓まで昇れそうになかったので、中に入るには一階のガラス戸を割って入るしかありませんでした。
「ガラスの弁償ぐらいなら大した事ないって」
そう言ってA君は思いっきりガラスを割ってしまい、中に入っていきました。
何もなかったとしてもこれで確実に怒られるな…と思いながら、みんなも後に続きます。

151以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:19:03.68 ID:3VA77pzk

そこは居間でした。
左側に台所、正面の廊下に出て左には浴室と突き当たりにトイレ、右には二階への階段と本来玄関であろうスペース。
昼間ということもあり明るかったですが、玄関が無いせいか廊下のあたりは薄暗く見えました。
古ぼけた外観に反して中は予想より綺麗…というより何もありません。
家具など物は一切なく、人が住んでいたような跡は何もない。
居間も台所も、かなり広めではあったもののごく普通。
「何もないじゃん」
「普通だな?何かしら物が残ってるんだと思ってたのに」

何もない居間と台所をあれこれ見ながら、男三人はつまらなそうに持ってきたお菓子をボリボリ食べ始めました。
「てことは、秘密は二階かな」
私とD子は、D妹の手を取りながら二階に向かおうと廊下に出ます。
しかし、階段は…と廊下に出た瞬間、私とD子は心臓が止まりそうになりました。
左にのびた廊下には途中で浴室があり、突き当たりがトイレなのですが、
その間くらいの位置に鏡台が置かれ、真前につっぱり棒のようなものが立てられていました。
そして、その棒に髪がかけられていたのです。
どう表現していいかわからないのですが、カツラのように髪型として形を成したものというか、
ロングヘアの女性の後ろ髪が、そのままそこにあるという感じです。(伝わりにくかったらごめんなさい)
位置的にも、平均的な身長なら大体その辺に頭がくるだろうというような位置で棒の高さが調節してあり、
まるで『女が鏡台の前で座ってる』のを再現したみたいな光景。
一気に鳥肌が立ち、「何何!?何なのこれ!?」と軽くパニックの私とD子。
何だ何だ?と廊下に出てきた男三人も、意味不明な光景に唖然。
D妹だけが、「あれなぁに?」ときょとんとしていました。
「なんだよあれ?本物の髪の毛か?」
「わかんない。触ってみるか?」
A君とB君はそんな事を言いましたが、C君と私達は必死で止めました。
「やばいからやめろって!気持ち悪いし絶対何かあるだろ!」
「そうだよ、やめなよ!」
どう考えても異様としか思えないその光景に恐怖を感じ、ひとまずみんな居間に引っ込みます。
居間からは見えませんが、廊下の方に視線をやるだけでも嫌でした。

152以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:19:29.68 ID:L1aAMMZF

「どうする…?廊下通んないと二階行けないぞ」
「あたしやだ。あんなの気持ち悪い」
「オレもなんかやばい気がする」
C君と私とD子の三人は、あまりに予想外のものを見てしまい、完全に探索意欲を失っていました。
「あれ見ないように行けばだいじょぶだって。二階で何か出てきたって、階段降りてすぐそこが出口だぜ?
 しかもまだ昼間だぞ?」
AB両人はどうしても二階を見たいらしく、引け腰の私達三人を急かします。
「そんな事言ったって…」
私達が顔を見合わせどうしようかと思った時、はっと気付きました。
「あれ?D子、○○ちゃんは?」
「えっ?」
全員気が付きました。D妹がいないのです。
私達は唯一の出入口であるガラス戸の前にいたので、外に出たという事はありえません。
広めといえど居間と台所は一目で見渡せます。
その場にいるはずのD妹がいないのです。
「○○!?どこ!?返事しなさい!!」
D子が必死に声を出しますが、返事はありません。
「おい、もしかして上に行ったんじゃ…」
その一言に、全員が廊下を見据えました。
「やだ!なんで!?何やってんのあの子!?」
D子が涙目になりながら叫びます。
「落ち着けよ!とにかく二階に行くぞ!」
さすがに怖いなどと言ってる場合でもなく、すぐに廊下に出て階段を駆け上がっていきました。

「おーい、○○ちゃん?」
「○○!いい加減にしてよ!出てきなさい!」
みなD妹へ呼び掛けながら階段を進みますが、返事はありません。
階段を上り終えると、部屋が二つありました。どちらもドアは閉まっています。
まずすぐ正面のドアを開けました。その部屋は、外から見たときに窓があった部屋です。
中にはやはり何もなく、D妹の姿もありません。
「あっちだな」
私達はもう一方のドアに近付き、ゆっくりとドアを開けました。
D妹はいました。
ただ、私達は言葉も出せずその場で固まりました。
その部屋の中央には、下にあるのと全く同じものがあったのです。
鏡台とその真前に立てられた棒、そしてそれにかかった長い後ろ髪。
異様な恐怖に包まれ、全員茫然と立ち尽くしたまま動けませんでした。

153以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:19:58.09 ID:CfgLnOnL

「ねえちゃん、これなぁに?」
不意にD妹が言い、次の瞬間とんでもない行動をとりました。
D妹は鏡台に近付き、三つある引き出しの内、一番上の引き出しを開けたのです。
「これなぁに?」
D妹がその引き出しから取り出して、私達に見せたもの…
それは、筆のようなもので『禁后』と書かれた半紙でした。
意味がわからず、D妹を見つめるしかない私達。
この時、どうしてすぐに動けなかったのか、今でもわかりません。
D妹は構わずその半紙をしまって引き出しを閉め、今度は二段目の引き出しから中のものを取り出しました。
全く同じもの、『禁后』と書かれた半紙です。
もう何が何だかわからず、私はがたがたと震えるしか出来ませんでしたが、
D子が我に返り、すぐさま妹に駆け寄りました。
D子ももう半泣きになっています。
「何やってんのあんたは!」
妹を厳しく怒鳴りつけ、半紙を取り上げると、引き出しを開けしまおうとしました。
この時、D妹が半紙を出した後、すぐに二段目の引き出しを閉めてしまっていたのが問題でした。
慌てていたのか、D子は二段目ではなく三段目、一番下の引き出しを開けたのです。
ガラッと引き出しを開けたとたん、D子は中を見つめたまま動かなくなりました。
黙ってじっと中を見つめたまま微動だにしません。
「ど、どうした!?何だよ!?」
ここでようやく私達は動けるようになり、二人に駆け寄ろうとした瞬間、
ガンッ!!と大きな音をたて、D子が引き出しを閉めました。
そして肩より長いくらいの自分の髪を口元に運び、むしゃむしゃとしゃぶりだしたのです。
「お、おい?どうしたんだよ!?」
「D子?しっかりして!」
みんなが声をかけても反応が無い。
ただひたすら、自分の髪をしゃぶり続けている。
その行動に恐怖を感じたのかD妹も泣きだし、ほんとうに緊迫した状況でした。
「おい!どうなってんだよ!?」
「知らねえよ!何なんだよこれ!?」
「とにかく外に出てうちに帰るぞ!ここにいたくねえ!」

154以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:20:39.69 ID:CfgLnOnL

D子を三人が抱え、私はD妹の手を握り急いでその家から出ました。
その間もD子は、ずっと髪をびちゃびちゃとしゃぶっていましたが、
どうしていいかわからず、とにかく大人のところへ行かなきゃ!という気持ちでした。

その空き家から一番近かった私の家に駆け込み、大声で母を呼びました。
泣きじゃくる私とD妹、汗びっしょりで茫然とする男三人、そして奇行を続けるD子。
どう説明したらいいのかと頭がぐるぐるしていたところで、声を聞いた母が何事かと現われました。
「お母さぁん!」
泣きながらなんとか事情を説明しようとしたところで、母は私と男三人を突然ビンタで殴り怒鳴りつけました。
「あんた達、あそこへ行ったね!?あの空き家へ行ったんだね!?」
普段見たこともない形相に、私達は必死に首を縦に振るしかなく、うまく言葉を発せませんでした。
「あんた達は奥で待ってなさい。すぐみんなのご両親達に連絡するから」
そう言うと母はD子を抱き抱え、二階へ連れていきました。

私達は言われた通り、私の家の居間でただぼーっと座り込み、何も考えられませんでした。
それから一時間ほどはそのままだっと思います。

みんなの親たちが集まってくるまで、母もD子も二階から降りてきませんでした。
親達が集まった頃にようやく母だけが居間に来て、ただ一言、
「この子達があの家に行ってしまった」と言いました。
親達がざわざわとしだし、みんなが動揺したり取り乱したりしていました。
「お前ら!何を見た!?あそこで何を見たんだ!?」
それぞれの親達が一斉に我が子に向かって放つ言葉に、私達は頭が真っ白で応えられませんでしたが、
何とかA君とB君が懸命に事情を説明しました。

155以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:21:12.68 ID:o9GIwGvN

「見たのは鏡台と変な髪の毛みたいな…あと、ガラス割っちゃって…」
「他には!?見たのはそれだけか!?」
「あとは…何かよくわかんない言葉が書いてある紙…」
その一言で急に場が静まり返りました。と同時に、二階からものすごい悲鳴。
私の母が慌てて二階に上がり、数分後、母に抱えられて降りてきたのはD子のお母さんでした。
まともに見れなかったぐらい涙でくしゃくしゃでした。
「見たの…?D子は引き出しの中を見たの!?」
D子のお母さんが私達に詰め寄りそう問い掛けます。
「あんた達、鏡台の引き出しを開けて、中にあるものを見たか?」
「二階の鏡台の三段目の引き出しだ。どうなんだ?」
他の親達も問い詰めてきました。
「一段目と二段目は僕らも見ました…三段目は…D子だけです…」
言い終わった途端、D子のお母さんがものすごい力で私達の体を掴み、
「何で止めなかったの!?あんた達友達なんでしょう!?何で止めなかったのよ!?」と叫びだしたのです。
D子のお父さんや他の親達が必死で押さえ、「落ち着け!」「奥さんしっかりして!」となだめようとし、
しばらくしてやっと落ち着いたのか、D妹を連れてまた二階へ上がっていってしまいました。

そこでいったん場を引き上げ、私達四人はB君の家に移り、B君の両親から話を聞かされました。
「お前達が行った家な、最初から誰も住んじゃいない。
 あそこは、あの鏡台と髪の為だけに建てられた家なんだ。
 オレや他の親御さん達が子供の頃からあった。
 あの鏡台は実際に使われていたもの、髪の毛も本物だ。
 それから、お前達が見たっていう言葉。この言葉だな?」
そういってB君のお父さんは紙とペンを取り、『禁后』と書いて私達に見せました。
「うん…その言葉だよ」
私達が応えると、B君のお父さんはくしゃっと丸めたその紙をごみ箱に投げ捨て、そのまま話を続けました。
「これはな、あの髪の持ち主の名前だ。読み方は、知らないかぎりまず出てこないような読み方だ。
 お前達が知っていいのはこれだけだ。金輪際あの家の話はするな。近づくのもダメだ。わかったな?
 とりあえず今日は、みんなうちに泊まってゆっくり休め」
そう言って席を立とうとしたB君のお父さんに、B君は意を決したようにこう聞きました。
「D子はどうなったんだよ!?あいつは何であんな…」と言い終わらない内に、B君のお父さんが口を開きました。

156以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:21:48.09 ID:o9GIwGvN

「あの子の事は忘れろ。もう二度と元には戻れないし、お前達とも二度と会えない。それに…」
B君のお父さんは少し悲しげな表情で続けました。
「お前達はあの子のお母さんから、この先一生恨まれ続ける。
 今回の件で誰かの責任を問う気はない。
 だが、さっきのお母さんの様子でわかるだろ?お前達はもうあの子に関わっちゃいけないんだ」
そう言って、B君のお父さんは部屋を出ていってしまった。
私達は何も考えられなかった。
その後どうやって過ごしたかもよくわからない。
本当に長い1日でした。

それからしばらくは普通に生活していました。
翌日から私の親もA達の親も一切この件に関する話はせず、D子がどうなったかもわかりません。
学校には一身上の都合となっていたようですが、一ヵ月程してどこかへ引っ越してしまったそうです。
また、あの日、私達以外の家にも連絡が行ったらしく、あの空き家に関する話は自然と減っていきました。
ガラス戸などにも厳重な対策が施され、中に入れなくなったとも聞いています。
私やA達はあれ以来一度もあの空き家に近づいておらず、D子の事もあってか疎遠になっていきました。
高校も別々でしたし、私も三人も町を出ていき、それからもう十年以上になります。

ここまで下手な長文に付き合ってくださったのに申し訳ないのですが、結局何もわからずじまいです。
ただ、最後に…
私が大学を卒業した頃ですが、D子のお母さんから私の母宛てに手紙がありました。
内容はどうしても教えてもらえなかったのですが、
その時の母の言葉が意味深だったのが、今でも引っ掛かっています。

「母親ってのは、最後まで子供の為に隠し持ってる選択があるのよ。
 もし、ああなってしまったのがあんただったとしたら、私もそれを選んでたと思うわ。
 それが間違った答えだとしてもね」

157以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:22:02.74 ID:464i5CUf

後日談

158以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:22:28.44 ID:bb9wBgxv

代々、母から娘へと三つの儀式が受け継がれていたある家系にまつわる話。
まずはその家系について説明します。

その家系では娘は母の『所有物』とされ、娘を『材料』として扱うある儀式が行われていました。
母親は二人または三人の女子を産み、その内の一人を『材料』に選びます。
(男子が生まれる可能性もあるはずですが、その場合どうしていたのかはわかりません)
選んだ娘には二つの名前を付け、一方は母親だけが知る本当の名として生涯隠し通されます。
万が一知られた時の事も考え、本来その字が持つものとは全く違う読み方が当てられるため、
字が分かったとしても、読み方は絶対に母親しか知り得ません。
母親と娘の二人きりだったとしても、決して隠し名で呼ぶ事はありませんでした。
忌み名に似たものかも知れませんが、『母の所有物』であることを強調・証明するためにしていたそうです。
また、隠し名を付けた日に必ず鏡台を用意し、娘の10,13,16歳の誕生日以外には絶対にその鏡台を娘に見せない、
という決まりもありました。
これも、来たるべき日のための下準備でした。

本当の名を誰にも呼ばれることのないまま、『材料』としての価値を上げるため、
幼少時から母親の『教育』が始まります。 (選ばれなかった方の娘は、ごく普通に育てられていきます)
例えば…
・猫、もしくは犬の顔をバラバラに切り分けさせる
・しっぽだけ残した胴体を飼う
(娘の周囲の者が全員、これを生きているものとして扱い、娘にそれが真実であると刷り込ませていったそうです)
・猫の耳と髭を使った呪術を教え、その呪術で鼠を殺す
・蜘蛛を細かく解体させ、元の形に組み直させる
・糞尿を食事に(自分や他人のもの)など。

159以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:22:54.42 ID:ASjznjVi

全容はとても書けないのでほんの一部ですが、
どれもこれも聞いただけで吐き気をもよおしてしまうようなものばかりでした。
中でも動物や虫、特に猫に関するものが全体の3分の1ぐらいだったのですが、これは理由があります。
この家系では男と関わりを持つのは子を産むためだけであり、目的数の女子を産んだ時点で関係が断たれるのですが、
条件として事前に提示したにも関わらず、家系や呪術の秘密を探ろうとする男も中にはいました。
その対応として、ある代からは男と交わった際に、呪術を使って憑きものを移すようになったのです。
それによって、自分達が殺した猫などの怨念は全て男の元へ行き、
関わった男達の家で、憑きもの筋のように災いが起こるようになっていたそうです。
そうする事で、家系の内情には立ち入らないという条件を守らせていました。
こうした事情もあって、猫などの動物を『教育』によく使用していたのです。
『材料』として適した歪んだ常識、歪んだ価値観、歪んだ嗜好などを形成させるための異常な『教育』は、
代々の母娘間で13年間も続けられます。
その間で、三つの儀式の内の二つが行われます。

一つは10歳の時、母親に鏡台の前に連れていかれ、爪を提供するように指示されます。
ここで初めて娘は鏡台の存在を知ります。
両手両足からどの爪を何枚提供するかは、それぞれの代の母親によって違ったそうです。
提供するとは、もちろん剥がすという意味です。
自分で自分の爪を剥がし母親に渡すと、
鏡台の三つある引き出しの内、一番上の引き出しに爪と娘の隠し名を書いた紙を一緒に入れます。
そしてその日は一日中、母親は鏡台の前に座って過ごすのです。
これが一つ目の儀式。

160以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:23:23.55 ID:80+/CkUU

もう一つは13歳の時、同様に鏡台の前で歯を提供するように指示されます。
これも代によって数が違います。
自分で自分の歯を抜き、母親はそれを鏡台の二段目、やはり隠し名を書いた紙と一緒にしまいます。
そしてまた一日中、母親は鏡台の前で座って過ごします。
これが二つ目の儀式です。

この二つの儀式を終えると、その翌日~16歳までの三年間は『教育』が全く行われません。
突然、何の説明もなく自由が与えられるのです。
これは、13歳までに全ての準備が整ったことを意味していました。
この頃には、すでに母親が望んだ通りの生き人形のようになってしまっているのがほとんどですが、
わずかに残されていた自分本来の感情からか、ごく普通の女の子として過ごそうとする娘が多かったそうです。

そして三年後、娘が16歳になる日に最後の儀式が行われます。
最後の儀式、それは鏡台の前で母親が娘の髪を食べるというものでした。
食べるというよりも、体内に取り込むという事が重要だったそうです。
丸坊主になってしまうぐらいのほぼ全ての髪を切り、鏡台を見つめながら無我夢中で口に入れ飲み込んでいきます。
娘はただ茫然と眺めるだけ。
やがて娘の髪を食べ終えると、母親は娘の本当の名を口にします。
娘が自分の本当の名を耳にするのは、この時が最初で最後でした。

161以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:23:47.20 ID:dupThM0b

れでこの儀式は完成され、目的が達成されます。
この翌日から母親は四六時中自分の髪をしゃぶり続ける廃人のようになり、亡くなるまで隔離され続けるのです。
廃人となったのは文字通り母親の脱け殻で、母親とは全く別のものです。
そこにいる母親はただの人型の風船のようなものであり、
母親の存在は誰も見たことも聞いたこともない、誰も知り得ない場所に到達していました。
これまでの事は、全てその場所へ行く資格(神格?)を得るためのものであり、
最後の儀式によってそれが得られるというものでした。
その未知なる場所では、それまで同様にして資格を得た母親たちが暮らしており、
決して汚れることのない楽園として存在しているそうです。
最後の儀式で資格を得た母親はその楽園へ運ばれ、後には髪をしゃぶり続けるだけの脱け殻が残る…
そうして新たな命を手にするのが目的だったのです。
残された娘は母親の姉妹によって育てられていきます。
一人でなく二~三人産むのはこのためでした。
母親がいなくなってしまった後、普通に育てられてきた母親の姉妹が娘の面倒を見るようにするためです。
母親から解放された娘は、髪の長さが元に戻る頃に男と交わり、子を産みます。
そして、今度は自分が母親として全く同じ事を繰り返し、母親が待つ場所へと向かうわけです。

ここまでがこの家系の説明です。
もっと細かい内容もあったのですが、二度三度の投稿でも収まる量と内容じゃありませんでした。
なるべく分かりやすいように書いたのですが、今回は本当に分かりづらい読みづらい文章だと思います。
申し訳ありません。
本題はここからですので、ひとまず先へ進みます。

162以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:24:20.23 ID:XG/8vdfk

実は、この悪習はそれほど長く続きませんでした。
徐々にこの悪習に疑問を抱くようになっていったのです。
それがだんだんと大きくなり、次第に母娘として本来あるべき姿を模索するようになっていきます。
家系としてその姿勢が定着していくに伴い、悪習はだんだん廃れていき、やがては禁じられるようになりました。
ただし、忘れてはならない事であるとして、隠し名と鏡台の習慣は残す事になりました。
隠し名は母親の証として、鏡台は祝いの贈り物として受け継いでいくようにしたのです。
少しずつ周囲の住民達とも触れ合うようになり、夫婦となって家庭を築く者も増えていきました。

そうしてしばらく月日が経ったある年、一人の女性が結婚し妻となりました。八千代という女性です。
悪習が廃れた後の生まれである母の元で、ごく普通に育ってきた女性でした。
周囲の人達からも可愛がられ平凡な人生を歩んできていましたが、
良き相手を見つけ、長年の交際の末の結婚となったのです。
彼女は自分の家系については、母から多少聞かされていたので知っていましたが、
特に関心を持った事はありませんでした。
妻となって数年後には娘を出産、貴子と名付けます。
母から教わった通り隠し名も付け、鏡台も自分と同じものを揃えました。

そうして幸せな日々が続くと思われていましたが、娘の貴子が10歳を迎える日に異変が起こりました。
その日、八千代は両親の元へ出かけており、家には貴子と夫だけでした。
用事を済ませ、夜になる頃に八千代が家に戻ると、信じられない光景が広がっていました。
何枚かの爪が剥がされ、歯も何本か抜かれた状態で貴子が死んでいたのです。
家の中を見渡すと、しまっておいたはずの貴子の隠し名を書いた紙が床に落ちており、
剥がされた爪と抜かれた歯は貴子の鏡台に散らばっていました。
夫の姿はありません。
何が起こったのかまったく分からず、娘の体に泣き縋るしか出来ませんでした。
異変に気付いた近所の人達がすぐに駆け付けるも、八千代はただずっと貴子に泣き縋っていたそうです。
状況が飲み込めなかった住民達は、ひとまず八千代の両親に知らせる事にし、
何人かは八千代の夫を探しに出ていきました。
この時、八千代を一人にしてしまったのです。
その晩のうちに、八千代は貴子の傍で自害しました。

163以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:24:48.90 ID:0IUKpJKm

住民達が八千代の両親に知らせたところ、現場の状況を聞いた両親は落ち着いた様子でした。
「想像はつく。八千代から聞いていた儀式を試そうとしたんだろ。
 八千代には詳しく話したことはないから、断片的な情報しか分からんかったはずだが、
 貴子が10歳になるまで待っていやがったな」
と言って、八千代の家へ向かいました。
八千代の家に着くと、さっきまで泣き縋っていた八千代も死んでいる…
住民達はただ愕然とするしかありませんでした。
八千代の両親は終始落ち着いたまま、
「わしらが出てくるまで誰も入ってくるな」と言い、しばらく出てこなかったそうです。

数時間ほどして、やっと両親が出てくると、
「二人はわしらで供養する。夫は探さなくていい。理由は今に分かる」
と住民達に告げ、その日は強引に解散させました。

それから数日間、夫の行方はつかめないままだったのですが、
程なくして、八千代の家の前で亡くなっているのが見つかりました。
口に大量の長い髪の毛を含んで死んでいたそうです。
どういう事かと住民達が八千代の両親に尋ねると、
「今後八千代の家に入ったものはああなる。そういう呪いをかけたからな。
 あの子らは、悪習からやっと解き放たれた新しい時代の子達なんだ。
 こうなってしまったのは残念だが、せめて静かに眠らせてやってくれ」
と説明し、八千代の家をこのまま残していくように指示しました。

これ以来、二人への供養も兼ねて、八千代の家はそのまま残される事となったそうです。
家のなかに何があるのかは誰も知りませんでしたが、八千代の両親の言葉を守り、誰も中を見ようとはしませんでした。
そうして、二人への供養の場所として長らく残されていたのです。

164以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:25:25.73 ID:0IUKpJKm

その後、老朽化などの理由でどうしても取り壊すことになった際、初めて中に何があるかを住民達は知りました。
そこにあったのは私達が見たもの、あの鏡台と髪でした。
八千代の家は二階がなかったので、玄関を開けた目の前に並んで置かれていたそうです。
八千代の両親がどうやったのかはわかりませんが、やはり形を成したままの髪でした。
これが呪いであると悟った住民達は、出来るかぎり慎重に運び出し、新しく建てた空き家の中へと移しました。
この時、誤って引き出しの中身を見てしまったそうですが、何も起こらなかったそうです。
これに関しては、供養をしていた人達だったからでは?という事になっています。
空き家は町から少し離れた場所に建てられ、
玄関がないのは出入りする家ではないから、窓・ガラス戸は日当たりや風通しなど供養の気持ちからだという事でした。
こうして誰も入ってはいけない家として町全体で伝えられていき、大人達だけが知る秘密となったのです。

ここまでが、あの鏡台と髪の話です。
鏡台と髪は八千代と貴子という母娘のものであり、言葉は隠し名として付けられた名前でした。

ここから最後の話になります。
空き家が建てられて以降、中に入ろうとする者は一人もいませんでした。
前述の通り、空き家へ移る際に引き出しの中を見てしまったため、
中に何があるかが一部の人達に伝わっていたからです。
私達の時と同様、事実を知らない者に対して過剰に厳しくする事で、何も起こらないようにしていました。
ところが、私達の親の間で一度だけ事が起こってしまったそうです。
前回の投稿で、私と一緒に空き家へ行ったAの家族について、少しふれたのを覚えていらっしゃるでしょうか。
Aの祖母と母がもともと町の出身であり、結婚して他県に住んでいたという話です。
これは事実ではありませんでした。

165以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:25:51.22 ID:+gVCMlR1

子供の頃に、Aの母とBの両親、そしてもう一人男の子(Eとします)を入れた四人であの空き家へ行ったのです。
私達とは違って夜中に家を抜け出し、わざわざハシゴを持参して二階の窓から入ったそうです。
窓から入った部屋には何もなく、やはり期待を裏切られたような感じでガクッとし、隣にある部屋へ行きました。
そこであの鏡台と髪を見て、夜中という事もあり凄まじい恐怖を感じます。
ところが、四人のうちA母はかなり肝が据わっていたようで、
怖がる三人を押し退けて近づいていき、引き出しを開けようとさえしたそうです。
さすがに三人も必死で止め、その場は治まりますが、問題はその後に起こりました。
その部屋を出て恐る恐る階段を降りると、またすぐに恐怖に包まれます。
廊下の先にある鏡台と髪。
この時点で三人はもう帰ろうとしますが、A母が問題を引き起こしてしまいました。
私達の時のD妹のように、引き出しを開け中のものを出したのです。
A母が取り出したのは、一階の鏡台の一段目の引き出しの中の『紫逅』と書かれた紙で、
何枚かの爪も入っていたそうです。
さすがにやばいものではと感じた三人は、A母を無理矢理引っ張り、紙を元に戻して帰ろうとしますが、
じたばたしてるうちに棒から髪が落ちてしまったそうです。
空き家の中で最も異様な雰囲気であるその髪にA母も触れる勇気はなく、四人はそのままにして帰ってきてしまいました。

それから二,三日はそのまま放っておいたらしいですが、親にバレたら…という気持ちがあったので、
元に戻しに行く事になります。
B両親はどうしても都合があわなかったため、A母とE君の二人で行く事になりました。

166以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:26:26.33 ID:+gVCMlR1

夜中に抜け出し、ハシゴを使って二階から入ります。
階段を降り、家から持ってきた箸で髪を掴んで何とか棒に戻しました。
「さぁ早く帰ろう」とE君は急かしましたが、
ホッとしたのかA母はE君を怖がらせようと思い、今度は二段目の引き出しを開けたのです。
『紫逅』と書かれた紙と、何本かの歯が入っていました。
あまりの恐怖にE君は取り乱し泣きそうになっていたのですが、
A母はこれを面白がってしまい、E君にだけ中が見えるような態勢で三段目の引き出しを開けたそうです。
E君が引き出しの中を見たのはほんの数秒ほどでした。
「何があった??」とA母が覗き込もうとした瞬間、ガンッ!!と引き出しを閉め、
ぼーっとしたまま動かなくなりました。
A母はE君が仕返しにふざけてるんだと思ったのですが、
何か異常な空気を感じ、突然怖くなって一人で帰ってしまったのです。

家に着いてすぐに母親に事情を話すと、母親の顔色が変わり異様な事態となりました。
E君の両親などに連絡し、親達がすぐに空き家へ向かいます。
数十分ぐらいして、家で待っていたA母は、親達に抱えられて帰ってきたE君を少しだけ見ました。
何かを頬張っているようで、口元からは長い髪の毛が何本も見えていたそうです。
この後B両親も呼び出され、親も交えて話したそうですが、E君の両親は三人に何も言いませんでした。
ただ、言葉では表せないような表情でずっとA母を睨み付けていたそうです。

167以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 18:26:53.98 ID:FQRvqJKf

この後、三人はあの空き家にまつわる話を聞かされました。
E君の事に関しては、私達に言ったのと全く同じ事を言われたようでした。
そして、E君の家族がどこかへ引っ越していくまでの一ヵ月間ぐらいの間、
毎日A母の家にE君の両親が訪ねてきていたそうです。
この事でA母は精神的に苦しい状態になり、見かねた母親が他県の親戚のところへ預けたのでした。
その後A母やE君がどうしていたのかはわかりませんが、A母が町に戻ってきたのはE君への償いからだそうです。

以上で話は終わりです。
最後に、鏡台の引き出しに入っているものについて。

空き家には一階に八千代の鏡台、二階に貴子の鏡台があります。
八千代の鏡台には、一段目は爪、二段目は歯が、隠し名を書いた紙と一緒に入っています。
貴子の鏡台は、一,二段目とも隠し名を書いた紙だけです。
八千代が『紫逅』、貴子が『禁后』です。

そして問題の三段目の引き出しですが、中に入っているのは手首だそうです。
八千代の鏡台には八千代の右手と貴子の左手、貴子の鏡台には貴子の右手と八千代の左手が、
指を絡めあった状態で入っているそうです。
もちろん、今現在どんな状態になっているのかはわかりませんが。
D子とE君はそれを見てしまい、異常をきたしてしまいました。
厳密に言うと、隠し名と合わせて見てしまったのがいけなかったという事でした。
『紫逅』は八千代の母が、『禁后』は八千代が実際に書いたものであり、
三段目の引き出しの内側には、それぞれの読み方がびっしりと書かれているそうです。
空き家は今もありますが、今の子供達にはほとんど知られていないようです。
娯楽や誘惑が多い今では、あまり目につく存在ではないのかも知れません。
地域に関してはあまり明かせませんが、東日本ではないです。

それから、D子のお母さんの手紙についてですが、これは控えさせていただきます。
D子とお母さんはもう亡くなられていると知らされましたので、私の口からは何もお話出来ません。

168以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 19:25:17.00 ID:rDcAO9WG

どの話もよう考えるなあと感心する

169以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 19:30:21.05 ID:U67WgW31

設定凝りすぎワロタ

170以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 19:32:16.08 ID:CC1OdnSf

呪術系の一人置いていく気狂い儀式理不尽忘れろ率は異常

171以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 19:33:17.26 ID:vNwXjxU4

確かにww

172◆Rmev3DbR5s:2015/04/22(水) 19:45:17.99 ID:nAasKfie

全部似たような流れだな
創作臭がやばい

173以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 19:46:49.34 ID:U67WgW31

こういうのを楽しめるかどうかは個人の裁量かもね

174以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 19:58:41.25 ID:Y9n/VGiC

嫌いじゃないゾ

175以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 21:19:15.04 ID:kYPniP1v

割と好き

176以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/22(水) 22:27:59.06 ID:7n+J1ZKL

創作なら創作でいいんだよ
面白ければ

177以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/24(金) 00:52:32.88 ID:iamt1xhc

なんでわざわざ実話っぽくしたがるんだろう
創作でも怖いものは怖いのに

178以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/24(金) 01:06:57.44 ID:l+qQBj3n

創作でも実話でも怖いものは怖いんだったら実話っぽくしてもいいじゃん

179以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/24(金) 01:33:35.22 ID:HlcJKgCZ

答 実話っぽい方が夢があるから

180以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/24(金) 02:40:10.58 ID:iamt1xhc

まあ、あえて創作でーすとは言わんわな

181以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/24(金) 10:29:34.05 ID:Fkbvp5uh

>>180
いやそれ実話っぽくする理由にはなってないから

182以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/24(金) 14:31:11.79 ID:1B/nMmU8

どーでもよくね?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

183以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/24(金) 14:33:58.14 ID:WfpBbWb6

たしwwwwwwwwww蟹wwwwwwww

184以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/24(金) 20:35:50.16 ID:Y6O9uUh2

いかに怖がらせるかどうかだな

185以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 06:05:15.91 ID:d2kX7YWT

知ったらこっちも被害被るような物が読みたいなあ

186以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 16:51:43.45 ID:iVgX4SZX

読み終えてしまた

187以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:16:46.67 ID:W5MWs22m

※読むと呪われる系

【おじゃま道草】

7年前の6月、夜10時ごろ、自宅の電話がなりました。いつになく、どきっとする音だったのを覚えています。
ミュージシャンの馬場君からでした。
「どうもオカシイ、口では説明できない。夜分申し訳ないが、来てみてほしい」
とのこと。
馬場君はバンドの合宿所として、川越に近い、ある一軒家に引っ越したばかりでした。いつにない彼の深妙な声に、いやーな緊迫感を感じましたが、長い付き合いの彼の頼みなので、行ってみることにしました。
そして、出かけようと玄関にでた瞬間、目の前のドアを誰かがいきなりノック。
開けてみると、友人の茅野君が一升瓶をかかえて立っていました。
馬場君に呼ばれて出かける旨を話すと、
「馬場君とは面識も有るし、単独で行くべきではないと思うので同行する」
と言い出しました。
とりあえず車を出し、その車中で話し合いました。その日はたまたま暇で、急に私の顔を見たくなったのだそうです。
茅野君はもともと感の鋭い人で、私の顔を見た瞬間、
「何かあったな」
とピンときたといいます。
馬場君はいくつかの因縁を抱えた人で、以前から問題を起こしやすいタイプの人でした。
茅野君は、私を通して、馬場君の波乱万丈ぶりを知っていましたが、今回は今までとは違うように感じる、という点で、意見が私と一致しました。

車で30分ほど走ったとき、茅野君が突然、
「うわぁーーっ」
と声をあげました。
話を聞くと、
「一瞬道路の前方に、身長50mはあろうかという真っ赤な仁王さんが、「来るな!」のポーズで立ちはだかった」
というのです。
彼はその当時、仏像の知識をほとんど持ち合せておらず、「仁王」と表現しましたが、後日写真集を見せて確認したところ、明王部の中でも不動明王の立像に一番似ていたそうです。

初めての訪問だったので、馬場君に最寄りの駅前まで迎えに出てもらいました。
馬場君を駅で拾い、車中で「何事か」と問うと
「格安で二階家、いい物件だと思ったが、どうもオカシイ、とにかく来て、見てから、意見を聞かしてくれ。」
といいます。
  到着すると、そこは目の前を高速道路が走り、雑木林に三方を囲まれた10戸ほどの分譲住宅の中にある一軒でした。囲まれていない開いた方の、道路に面した角にたっており、築10年位でした。
車を降りると、まず、私はその家に向けてカメラのシャッターをきりました。
梅雨の中休みといった気候で、蒸し暑い夜でした。

「はまったな、、、」
その場に立った時の素直な感想でした。

その家の外見で気になった点を挙げてみましょう。
・全ての敷地内の雑草が外側へ向かって伸びている。
・敷地内の南西の角に3本の木(高さは2階の軒とほぼ同じ)がある。
・3本の内、南よりの1本は立ち枯れになっている。
・分譲住宅なので、周囲の家屋と同時期の築のはずだが、それだけが傷みが大きい。

隣の住人が網戸ごしにこちらを覗いているのを気にかけながら、中へ。
「むさ苦しいところだが、まあはいってくれ。」
馬場君のさそいに、玄関へ一歩。
「く、くさい、何だ?、、、」というのが内部を見た第一印象でした。
茅野君は開口一番、
「猫、飼ってるのかな?」
私もそれに相槌をうつと、馬場君は、
「うちには居ないが、周りには何匹かいるよ。匂う?
やっぱりなあ。いくら掃除しても、抜けないんだよね。」
玄関から上がってすぐ左が階段。玄関(西)から正面(東)へ真っ直ぐに廊下が

188以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:17:25.15 ID:W5MWs22m

「この部屋が1階では一番まともなんだ。」
マネージャーの女の子が茶を入れている時、やっと馬場君が話を始めました。
馬場君の話の概要は、
・1階で寝るとうなされることがある。
・2階に全員が居る時、1階から話し声が聞こえる。
・1階から上がってくる足音がしたのに誰も来ない。
・引っ越してきた時、押入の中にケース入りのゴルフクラブ一式が残されていた。
・台所に行くのをみな嫌がる。
といった現象なのですが、猫について次の様な体験を話してくれました。

「昨日、2階に居たら1階で物音がしたんで、「買物に行ってたヤツが戻ってきたかな?」と思って下へ降りてきたんだ。
そしたら、玄関のドアは開いてたんだけど、誰も居ない、、。よく見ると、近所の猫が入り込んでたんだな。
ところがそいつがなかなかつかまらない。ちょっと掴むと、必死で引っ掻いて抵抗する。この引っ掻き傷、見てみなよ。
そこで、窓を開けてやったんだな。ところが追い回したけど、猫は窓を無視するんだね。そして、そのうち、猫が玄関へ走ったんだ。「やった、出てくぞ、、、」そう思ったら、猫が変な行動をとったんだ。
玄関に降りるやいなや、ビタッと立ち止まって急に向きをかえたんだね。そして俺の足下をぬけて階段上がって、2階の窓から屋根越しに逃げたんだ。
で、さぁ、、、。
その、玄関での行動なんだけど、本当に変なんだよね。何か、目の前に恐ろしいものでもいて、あわてて引き返した、、、という感じなんだ。俺に追いかけられるよりは、よほど怖そうだったよ。」

この話を聞いた茅野君は、
「その猫、何かに操られてたんじゃないかなぁ。」
と、コメント。
私は、その話の間も、廊下を猫が行ったり来たりしている様な感じがしていました。
「その猫はたまたまそうなっただけで、普段は生きていない猫がうろうろしているみたいだね。」
私がそういうと、すかさず茅野君は、
「うん、今も廊下をふっと影が通った様な気がしたよ。」
と、意見が一致。
しかし、大切なのは、さっきの茅野君のコメントです。私は、茅野君の勘(感)を生かすつもりで、彼にたずねました。
「でも、本体は猫じゃないな。台所へ行ってみる?」
「いいや、今はよすよ。明後日は休みだから、明るいうちに来よう。」

この後、馬場君からもう少し話を聞き、新曲のデモを聞かせてもらい、台所には足を踏み入れず、午前2時ごろ帰途につきました。
茅野君を送った後、私は自宅へ戻りました。
「ん? 誰も居ないはずの弟の部屋でひとの気配がする、、、、。
電気をつけて、覗くと、、、やはりいない、、、、。
来たな、、、。」
私は、
「くるな!」
と強く念じ、気配が消えたのを確認してから床に入りました。

189以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:18:17.62 ID:W5MWs22m

明けて、すぐ、私はフィルムを現像に出しました。その日の夕方には仕上がりますから、、。
職場へ行くと、弟(大輔)からの伝言がありました。
「今晩、帰る。友人を呼ぶ。酒、買っておいてくれ」
弟は、職場が遠いので、その近くに下宿しており、およそ月に1度、衣替えに戻っていました。
私は仕事の帰りに、上がったプリントを引き取りました。
持ち帰ると、まず、ネガで現像ムラや光線洩れ、傷などをチェックし、それからじっくりプリントを調べました。
枯れ木がとても目立ち、何枚かのカットに気持ちの悪い印象を与えていました。
と、、よく見ると、そのうちの1枚に、、、
南西の角のブロック塀に小さい赤い光点(豆電球でも点いているかように見える)が写っているものを見つけました。
同アングルの他のカットにはなく、そのカットにだけ写っていました。
ネガにもきちんと写っており、物理的な処理の過程で出来たミスとは考えられません。
赤、、、一般に負のエネルギーです。
小さな光点、、、強い霊体です。
色の感じからも判断して、、、
結論、、、祟りじゃーーっ!

ちょうど写真を見終わった頃、大輔が友人の榎本君を連れて現れました。
そして、私がテーブルの上の写真を片付けようとすると、、、
「何写したの?」
「お化け、、じゃ。」
「へぇーー、どれ? 見せて、、、、家?、、お化け屋敷?」
そのうち、私と大輔とのやりとりを見ていた榎本君が身を乗り出してきました。
「見せてもらっていいですか?」
彼が写真を捲っている間に大輔が彼について教えてくれました。
学生の頃の剣道部の仲間だそうですが、、、何と、、彼は霊感が強く、それを見込まれ、密教系の寺院でアルバイトをしている、、という変り種だそうです。
彼によると、、
「こういう赤いのって、神仏の罰てぇことがあるんです。
強いなあ、、、。
うかつなことは言えないので、これ、2・3日預っていいですか?
師匠に相談して見てもらいます。僕だったら、ただですから、、、」
ネガがあるので茅野君には焼き増して見せればよい、ということで、私は例のカットの他、数枚を榎本君に預けました。

榎本君は遅くまで飲み、その日は一泊して帰りましたが、大輔は馬場君の家に興味を示し、翌朝、、
「今日、茅野さんと行くんだろ? 俺、明日も休みだからつきあうよ。」
と言いだしました。
「あぶねぇぞ、、、憑かれるぞぉ~。」
「武道やってるからかも知れないけど、おれ、そんなの平気だよ。」

約束の正午に茅野君が現れ、私たちは3人でB宅(管理人注釈:馬場君宅)へ向かいました。
私は、例の猫が気になっていたので、途中、鰹節のパックを買っていきました。
馬場君宅へ着くと、ちょうどバンドの練習中でした。すぐに終わると言ので、待つ間に建物の周囲を調べることにしました。
林が切り開かれ、宅地として分譲された場所のようでは在りましたが、、
近くには古そうな農家が点在しています。
「わざわざ、木を切らなくても農地があるのになぁ」
私はだんだん土地の成り立ちが気になり出しました。
そして、しばらく歩き回るうち、
「ん? 水の気配がする、、、」
池か井戸か、、溜まった水のようです。場所は限定できませんが、どこかにあったと思われます。
そのうち、馬場君宅が静かになり、女の子(船井さん)が呼びに出てきました。

中へ入ると、まず、使わない皿を2つ貸してもらい、1つには水を入れ、もう1つには鰹節をのせました。
猫の気配がもっ

190以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:21:13.78 ID:W5MWs22m

(ごめん大失敗)
(最初から貼り直す)

7年前の6月、夜10時ごろ、自宅の電話がなりました。いつになく、どきっとする音だったのを覚えています。
ミュージシャンの馬場君からでした。
「どうもオカシイ、口では説明できない。夜分申し訳ないが、来てみてほしい」
とのこと。
馬場君はバンドの合宿所として、川越に近い、ある一軒家に引っ越したばかりでした。いつにない彼の深妙な声に、いやーな緊迫感を感じましたが、長い付き合いの彼の頼みなので、行ってみることにしました。
そして、出かけようと玄関にでた瞬間、目の前のドアを誰かがいきなりノック。
開けてみると、友人の茅野君が一升瓶をかかえて立っていました。
馬場君に呼ばれて出かける旨を話すと、
「馬場君とは面識も有るし、単独で行くべきではないと思うので同行する」
と言い出しました。
とりあえず車を出し、その車中で話し合いました。その日はたまたま暇で、急に私の顔を見たくなったのだそうです。
茅野君はもともと感の鋭い人で、私の顔を見た瞬間、
「何かあったな」
とピンときたといいます。
馬場君はいくつかの因縁を抱えた人で、以前から問題を起こしやすいタイプの人でした。
茅野君は、私を通して、馬場君の波乱万丈ぶりを知っていましたが、今回は今までとは違うように感じる、という点で、意見が私と一致しました。

車で30分ほど走ったとき、茅野君が突然、
「うわぁーーっ」
と声をあげました。
話を聞くと、
「一瞬道路の前方に、身長50mはあろうかという真っ赤な仁王さんが、「来るな!」のポーズで立ちはだかった」
というのです。
彼はその当時、仏像の知識をほとんど持ち合せておらず、「仁王」と表現しましたが、後日写真集を見せて確認したところ、明王部の中でも不動明王の立像に一番似ていたそうです。

初めての訪問だったので、馬場君に最寄りの駅前まで迎えに出てもらいました。
馬場君を駅で拾い、車中で「何事か」と問うと
「格安で二階家、いい物件だと思ったが、どうもオカシイ、とにかく来て、見てから、意見を聞かしてくれ。」
といいます。
  到着すると、そこは目の前を高速道路が走り、雑木林に三方を囲まれた10戸ほどの分譲住宅の中にある一軒でした。囲まれていない開いた方の、道路に面した角にたっており、築10年位でした。
車を降りると、まず、私はその家に向けてカメラのシャッターをきりました。
梅雨の中休みといった気候で、蒸し暑い夜でした。

191以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:22:03.03 ID:W5MWs22m

「はまったな、、、」
その場に立った時の素直な感想でした。

その家の外見で気になった点を挙げてみましょう。
・全ての敷地内の雑草が外側へ向かって伸びている。
・敷地内の南西の角に3本の木(高さは2階の軒とほぼ同じ)がある。
・3本の内、南よりの1本は立ち枯れになっている。
・分譲住宅なので、周囲の家屋と同時期の築のはずだが、それだけが傷みが大きい。

隣の住人が網戸ごしにこちらを覗いているのを気にかけながら、中へ。
「むさ苦しいところだが、まあはいってくれ。」
馬場君のさそいに、玄関へ一歩。
「く、くさい、何だ?、、、」というのが内部を見た第一印象でした。
茅野君は開口一番、
「猫、飼ってるのかな?」
私もそれに相槌をうつと、馬場君は、
「うちには居ないが、周りには何匹かいるよ。匂う?
やっぱりなあ。いくら掃除しても、抜けないんだよね。」
玄関から上がってすぐ左が階段。玄関(西)から正面(東)へ真っ直ぐに廊下があり、突き当たり右(南東)がダイニングキッチンで、左(北東)が浴室。
私たちは、上がって右手(南西)のバンドの練習室に通されました。
「す、涼しい、、いや、寒い、、エアコンは?、、な、ない!、。
窓は?、、閉じてる。」
窓の外に妙に目立つものが、、、。よく見ると枯れ木でした。

「この部屋が1階では一番まともなんだ。」
マネージャーの女の子が茶を入れている時、やっと馬場君が話を始めました。
馬場君の話の概要は、
・1階で寝るとうなされることがある。
・2階に全員が居る時、1階から話し声が聞こえる。
・1階から上がってくる足音がしたのに誰も来ない。
・引っ越してきた時、押入の中にケース入りのゴルフクラブ一式が残されていた。
・台所に行くのをみな嫌がる。
といった現象なのですが、猫について次の様な体験を話してくれました。

192以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:23:16.69 ID:W5MWs22m

「昨日、2階に居たら1階で物音がしたんで、「買物に行ってたヤツが戻ってきたかな?」と思って下へ降りてきたんだ。
そしたら、玄関のドアは開いてたんだけど、誰も居ない、、。よく見ると、近所の猫が入り込んでたんだな。
ところがそいつがなかなかつかまらない。ちょっと掴むと、必死で引っ掻いて抵抗する。この引っ掻き傷、見てみなよ。
そこで、窓を開けてやったんだな。ところが追い回したけど、猫は窓を無視するんだね。そして、そのうち、猫が玄関へ走ったんだ。「やった、出てくぞ、、、」そう思ったら、猫が変な行動をとったんだ。
玄関に降りるやいなや、ビタッと立ち止まって急に向きをかえたんだね。そして俺の足下をぬけて階段上がって、2階の窓から屋根越しに逃げたんだ。
で、さぁ、、、。
その、玄関での行動なんだけど、本当に変なんだよね。何か、目の前に恐ろしいものでもいて、あわてて引き返した、、、という感じなんだ。俺に追いかけられるよりは、よほど怖そうだったよ。」

この話を聞いた茅野君は、
「その猫、何かに操られてたんじゃないかなぁ。」
と、コメント。
私は、その話の間も、廊下を猫が行ったり来たりしている様な感じがしていました。
「その猫はたまたまそうなっただけで、普段は生きていない猫がうろうろしているみたいだね。」
私がそういうと、すかさず茅野君は、
「うん、今も廊下をふっと影が通った様な気がしたよ。」
と、意見が一致。
しかし、大切なのは、さっきの茅野君のコメントです。私は、茅野君の勘(感)を生かすつもりで、彼にたずねました。
「でも、本体は猫じゃないな。台所へ行ってみる?」
「いいや、今はよすよ。明後日は休みだから、明るいうちに来よう。」

この後、馬場君からもう少し話を聞き、新曲のデモを聞かせてもらい、台所には足を踏み入れず、午前2時ごろ帰途につきました。
茅野君を送った後、私は自宅へ戻りました。
「ん? 誰も居ないはずの弟の部屋でひとの気配がする、、、、。
電気をつけて、覗くと、、、やはりいない、、、、。
来たな、、、。」
私は、
「くるな!」
と強く念じ、気配が消えたのを確認してから床に入りました。

193以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:23:58.11 ID:W5MWs22m

明けて、すぐ、私はフィルムを現像に出しました。その日の夕方には仕上がりますから、、。
職場へ行くと、弟(大輔)からの伝言がありました。
「今晩、帰る。友人を呼ぶ。酒、買っておいてくれ」
弟は、職場が遠いので、その近くに下宿しており、およそ月に1度、衣替えに戻っていました。
私は仕事の帰りに、上がったプリントを引き取りました。
持ち帰ると、まず、ネガで現像ムラや光線洩れ、傷などをチェックし、それからじっくりプリントを調べました。
枯れ木がとても目立ち、何枚かのカットに気持ちの悪い印象を与えていました。
と、、よく見ると、そのうちの1枚に、、、
南西の角のブロック塀に小さい赤い光点(豆電球でも点いているかように見える)が写っているものを見つけました。
同アングルの他のカットにはなく、そのカットにだけ写っていました。
ネガにもきちんと写っており、物理的な処理の過程で出来たミスとは考えられません。
赤、、、一般に負のエネルギーです。
小さな光点、、、強い霊体です。
色の感じからも判断して、、、
結論、、、祟りじゃーーっ!

ちょうど写真を見終わった頃、大輔が友人の榎本君を連れて現れました。
そして、私がテーブルの上の写真を片付けようとすると、、、
「何写したの?」
「お化け、、じゃ。」
「へぇーー、どれ? 見せて、、、、家?、、お化け屋敷?」
そのうち、私と大輔とのやりとりを見ていた榎本君が身を乗り出してきました。
「見せてもらっていいですか?」
彼が写真を捲っている間に大輔が彼について教えてくれました。
学生の頃の剣道部の仲間だそうですが、、、何と、、彼は霊感が強く、それを見込まれ、密教系の寺院でアルバイトをしている、、という変り種だそうです。
彼によると、、
「こういう赤いのって、神仏の罰てぇことがあるんです。
強いなあ、、、。
うかつなことは言えないので、これ、2・3日預っていいですか?
師匠に相談して見てもらいます。僕だったら、ただですから、、、」
ネガがあるので茅野君には焼き増して見せればよい、ということで、私は例のカットの他、数枚を榎本君に預けました。

榎本君は遅くまで飲み、その日は一泊して帰りましたが、大輔は馬場君の家に興味を示し、翌朝、、
「今日、茅野さんと行くんだろ? 俺、明日も休みだからつきあうよ。」
と言いだしました。
「あぶねぇぞ、、、憑かれるぞぉ~。」
「武道やってるからかも知れないけど、おれ、そんなの平気だよ。」

194以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:24:46.74 ID:W5MWs22m

約束の正午に茅野君が現れ、私たちは3人でB宅(管理人注釈:馬場君宅)へ向かいました。
私は、例の猫が気になっていたので、途中、鰹節のパックを買っていきました。
馬場君宅へ着くと、ちょうどバンドの練習中でした。すぐに終わると言ので、待つ間に建物の周囲を調べることにしました。
林が切り開かれ、宅地として分譲された場所のようでは在りましたが、、
近くには古そうな農家が点在しています。
「わざわざ、木を切らなくても農地があるのになぁ」
私はだんだん土地の成り立ちが気になり出しました。
そして、しばらく歩き回るうち、
「ん? 水の気配がする、、、」
池か井戸か、、溜まった水のようです。場所は限定できませんが、どこかにあったと思われます。
そのうち、馬場君宅が静かになり、女の子(船井さん)が呼びに出てきました。

中へ入ると、まず、使わない皿を2つ貸してもらい、1つには水を入れ、もう1つには鰹節をのせました。
猫の気配がもっとも多い階段の下に、それらを置きました。
そして、しゃがんで手を合せると、
「ここにとどまるな、去りなさい、、、、」
と念じました。

それから5分位後でしょうか、、、練習室でお茶を飲んでいると、廊下の方から、「ニャン」という鳴き声がしました。
「また、猫がはいってきたか? 鰹節狙ってるんだろう。」
馬場君が立ち上がって、廊下を覗きました。
「ありゃ、いない。今、ないたよなぁ、、」
馬場君が首をかしげながらもどり、また元の雑談になりました。そしてその後、猫の気配はぱったりと途絶えました。

ところが、この猫供養が、本体をつついたようです、、、。

さて、3人でキッチンへ、、、。
6畳の広さがあるダイニングキッチンでしたが、だれもそこで食事を取らないため、テーブルなどの家具もなく、広々としていました。
まずは写真撮影、、、
「ん?、なんだぁ、あれは、、。」
柱の上部に、貼っていた紙を剥がしたあとがある、、。
きちんとはがさず、びりびりになって、中央部が残った状態です。
黄ばんでいて、古そう。しかも、そこだけでなく、部屋の四方に同じものがある、、、。
御札で何かを封じた、、、しかし破れた、、、。
最も剥がれていないものに近寄って、見てみると、真ん中が妙に黒い、、、 絵?、、、黒犬。御嶽山か、、?
「足がちくちくする、、、いるな、、。」
私は、茅野君へ向かって、
「何か感じない?」
「何か、足がひりひりするよ。」
「そう、、俺と同じだね。どの辺がひどい?」
「この流しの前のあたりかな。 」
「そうだろう、、、。」
またしても意見が一致。
それまで黙していた弟の大輔が口を開きました。
「すごい、、、殺気がある。
目を閉じると、今にも誰かが斬りかかって来そうな気配があるよ。
それに、昔痛めた腰が痛くなった。弱いところをつついて来るみたい。
この感じ、、、修学旅行で関ケ原へ行った時以来だな。
普通は、俺、こういうの平気なんだけど、、ここは別だよ。
何がいるんだぃ? 」
「ここで、「見る」と危ないな。帰ってからな」

195以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:25:27.55 ID:W5MWs22m

私は、
「これは、猫のようなわけには行かないな。無理だな。」
と思い、馬場君に転居を勧めることにしました。そして、私がもう2、3枚写真を撮ろうとすると、茅野君が、
「何か気持ちが悪くなりそうだから、向こうで御茶飲んでるね。」
と言って台所をでました。
「俺もそうするよ。」
大輔も同じことを言いだしたので、私も出ることにしました。

練習室へ戻ると、馬場君が横になって寝ていました。
「明け方までかかってバンドスコアを書いたって言ってたからね。
でも、何か安眠してるようではないみたいね。」
船井さんがタオルケットを馬場君にかけながらつぶやきました。

しばらくすると、うつ伏せの馬場君がうなされ始めました。なにやら、寝言で、うん、うんといっています。
「あれ?」
よーーく、馬場君の方を見ると、、、何か、気配があります。彼の上に、影の様なモノがのっているようです。
私は茅野君に、
「どう思う?」
と意見を求めました。
「これ、金縛りじゃぁないの?」
押さえ付けられてんのかな?
茅野君の直感は、当てになります。私は、確信しました。
「馬場君は、意思が強く、行動力もあり、覚醒時は強い、したがって、疲れてうとうとしている様な弱い時につけこんで憑依してくるんだ。」

船井さんが、
「起こそうか、、、」
と、馬場君の肩をゆすりました。
でも、起きません。相変わらずです。
「あっ、ちょっと待って、もし、意識が飛んでいたらマズイ。
帰還に失敗するかも、、無理に起こさないで。」
私は、強く揺すろうとした船井さんを制しました。
その時、茅野君が、、、
「あれぇ、、、何か動いたよ。馬場君の背中の上、、、」
と言い出しました。
そして馬場君の背中の上、30cmほどのところに、手をもって行こうとして、、、
「おーーーっ。」
彼は、あわてて手を引っ込めました。
「ああ、ぞっとした、、、ちょっと、やってみなよ。」
私にも促します。
なんと茅野君にも見えたのです。
「やばいな。俺たちも影響をうけてるな、、。」
私は、そう思いながらも、彼に倣いました。
そおーっと手を出す。
動いている影の輪郭を抜け、突っ込む、、、、。
ひんやりとしています。冷蔵庫に手を入れたときのようです。
それでもヤツは動こうとしません。
そおーっと手をひっこめる。
冷たさは消えます。ヤツはうごきません。
「ねっ、冷たいだろ?」
と茅野君が同意を求めてきました。
「隙間風なんか通ってないよね、、やっぱり居るんだね。」
彼は、いつになく真顔です。私は、乗っているヤツが、いまだ退こうとしないので、除霊九字を切りました。
そしてそれが効いたのか、ヤツの気配は消えました。いや、一時的に退いただけですが、、、、。
切った後、馬場君を揺すると、彼はすぐに目を覚ましました。

196以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:27:56.40 ID:W5MWs22m

起きるなり、彼は、
「ああーーっ、疲れた。おれ、うなされてなかった?
揺すったでしょ。分ったんだけど、夢がさめないんだ。
これで4回目かな。同じ夢見たのは、、、
2階じゃ見たことなくって、いつもここで寝た時にだけ見るんだ。
おれ、何か寝言を言ってた?」
と、目をこすりながら、一気に話しました。
「うん、うん、、っていってたよ。」
船井さんが答えると、、、、
「そうか? おれ、うんう、、って、、、
自分では首を振ってたつもりなんだけどなぁ、、。
聞いてもらえる?」
そう言って、馬場君は夢について語り始めました。
馬場君が見た夢の要旨は次のとおりでした。



「気がつくと、座敷に座っている。
広い座敷で、30畳ほどはある。
電燈もなく、造りも古い。
時代劇のセットのようである。
しばらくすると、少女が現れる。
5・6才で、可愛らしい。
赤っぽい振り袖を着ている。
七五三参りに行く姿のよう。
髪もキチンと結ってある。
時代劇でなら、武家の娘という役がら。

少女が、
『おにいちゃん、あそんで。』
とせがむ。
遊んであげたいが、
<自分はここを動いてはならない。
動くと帰れなくなるかも知れない>
という不安感がある。
そこで、少女に、
『外で遊んできなさい』
と勧める。
しかし、聞き分けない。
『あそんで。あそんで。』
と、繰り返しせがむ。
しかたがないので、
<少しだけ、この場所で、、>
と思うと、それを察したのか、
少女はニコッとして、
持っていたお手玉を差し出す。
<さて、どうしようかな。>
そう考えながら、受け取ろうとする。

197以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:28:57.38 ID:W5MWs22m

と、その時、座敷の奥の方から、
『遊んでいてはイケマセン』
という、母親らしき声が響く。
その途端、少女の笑顔は消える。
蒼白となり、自分(馬場君)の
陰に隠れようとする。
『呼んでるよ。
行かないと叱られるよ』
と言うと、少女は、おびえ始め、
今にも泣き出しそうである。

そしてついに、
母親が座敷のはずれから姿を現す。
和服を着込み、すらっとしている。
初めは、遠くではっきりしないが、
近付くにつれ、
綺麗な顔だちであることがわかる。
<優しそうな母親じゃないか>
そう思って、後を振り向くと、
少女は消えている。
   <あれ?>
不思議に思いながら、
母親の方を向く、、、、
先ほどの顔だちはかき消え、
なんと般若になっている。

恐怖に捕らわれ、
<にげなきゃ、、>
そう思った時、夢からさめる」



馬場君が話を終えた時、バンドのメンバーが2階から降りてきました。
ライブの打ち合せに皆で出かけるそうです。
腰をあげて、私たちも帰る支度をはじめると、、天井から、、いや、2階から、タッタッタ・・・と誰かが走り回る様な足音がしました。
全員聞こえたようで、一瞬、皆動きを止め、顔を見合せました。
「聞こえた? これで2度目だな?」
今、2階には誰もいないよなぁ。
馬場君が言うと、メンバー全員がうなずきました。茅野君がすかさず、
「大人だと、ドスッドスッという足音になるから、あれは、子供だな。
実際、2階で子供が走り回ると、あんな足音になるよ。」
とコメント。
しばらく、皆沈黙し、次の音を待ちましたが、もう、足音は聞こえませんでした。

皆が出かけ、私たちも帰路につきました。

198以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:30:08.39 ID:W5MWs22m

自宅へ戻ると、写真などをもとに、背後関係を見てみました。
1階を歩き回っている「本体」(何であるかは伏せておきます。土地へ縛られてはいますが、出張して動くこともあるのでうかつに波長があうと危険ですから)は、千数百年前の怨霊です。
本来は、この土地のものではなく、因縁を背負った不幸な一族に執り憑いた状態でやってきた悪霊のようです。
一族を惨死に追込みながら、強烈な結界を形成し、自らを土地に呪縛してしまった形となりました。
負の結界はその吸引力により、捕まえられるものは何でも取り込んでしまいます。写真の中には犠牲となった浮遊霊などが多数みられました。
そしてその中に、決定的な取り込みがあります。ある時、気がおかしくなった住人がいて、とんでもない大変なことをしでかしてしまいました。
屋敷を増改築する際に、道祖神が邪魔になり、なんと、石仏を井戸に投げ込んでしまったようです。現代ならまだしも、普通の昔の人がそんなことをするはずはありませんから、余程、狂った状態だったのでしょう。
オマケに、その井戸は、その後、そのままの状態で埋められてしまいました。榎本君が、神仏の罰かも知れないと言っていましたが、正にその可能性は大です。
「本体」を核とする結界内で、井戸の石仏が新たな強い核と化し、いわば、二重ブラックホールを形成していることになります。

例の少女は、これらの吸引にひっかかってしまった、もっと新しい一族のひとりです。今から百数十年前のものだと思われます。母親が怨霊にやられたため、苦しい目にあったようです。病気になり、他の場所で亡くなりましたが、念だけはここに残りました。例の猫は、その娘が可愛がっていた猫です。

いずれにしても、浄化できるような代物ではありません。1日も早く、転居すべきです。私は、電話で馬場君にその旨を伝えました。
しかし彼等は、転居の際に持ち金を使い果たしたらしく、すぐには越せない、とのこと。
彼等も、重なる不穏な現象に嫌気がさしていたが、お祓いなどでおさまるのならば、、、、と思って私に相談をもちかけたもようです。
私が、、、
「だめだ、、。」
と告げると、
「そうか、やっぱりね、、、。」
と納得し、出来るだけ頑張ってバイトをして金を貯め、急いで転居することを約束してくれました。

その後、2ヵ月ほどで、彼等は転居に至りますが、その間に随分と失うものがありました。霊障が原因の、人間関係のもつれです。

199以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:31:08.19 ID:W5MWs22m

さて、私たちの方ですが、やはり霊障を免れることは出来ませんでした。
翌日の晩、榎本君から連絡がありました。次の様な内容です。

あの後、バイト先へ行くと、、、、師匠が彼の顔を見るなり、、
「どこ行ってきたの!」
ときつい口調で言った。そして、彼を本堂へ連れて行くと、、
「祓うから、そこへ座って。
自分の背後は見えにくいものだからなぁ。」
といって、除霊をしてくれた。
浮遊霊がついてくることはよくあるが、普通は寺に居るうちに自然に落ちてしまう。
わざわざ祓ってくれるのは、めずらしいことである。
その後、、、
「かなり危ないことに関わってるね。
やめなさい、、。」
と言うので、預っていた写真をみせ、知っていることを話した。
師匠の鑑定の結果は、、、

「お地蔵さまが、抜魂をしないまま捨てられ、埋っている。
その下には水脈があり、お地蔵さまは泥にまみれている。
その結果、この土地には仏罰がくだっており、その後、性質が逆転して怨霊の住み家と化した。
また、惨殺された者がおり、その殺傷因縁が凄じい。
意識を飛ばしただけで、その怨霊が斬りかかってくる。
ある部屋にお札が貼ってあるが、まったく効果なし。
命懸けで対峙すれば、怨霊はなんとかなるかもしれないが、仏罰の方は手の施しようがない。
ここに関わるのは命を捨てる様なものである。
自分なら、頼まれても絶対に拒否する。
出てきたもの、憑いてきたものを祓ったり、追い返したりすること、即ち、除霊は可能だが、浄霊は難しい。
ましてや土地の浄化などとんでもないことである。
そっとしておくしかない。障らぬ神に祟りなし。
一日も早く手を引かないと、命にかかわる。
日本で有数の祈祷師であっても、現状では無理だろう。
そこ一帯を穿くり返して、整地する覚悟があれば、可能性が見えなくもないが、、、それにしても、わざわざ命をかけて浄化するメリットが見当たらない。
それに、この土地がそのようになってしまったそもそもの原因は、日本史以前にまで遡る。もちろんそれを調べる必要性はない。
この様なスポットは所々に存在するので、気をつけよ。
しかしながら、この様な土地に引き摺り込まれたのには、やはり、何等かの因縁がある。
部外者にとっては、考えようによってはいい経験だが、当事者つまり住人にとっては、死への誘いである。
因縁を自覚しないと、またどこかで引き寄せられるであろう。
引っ越しの際には、すべての家具に荒塩をふり、出来るだけ早期に、除霊の祈祷を受けなさい。」

というものである。
死人がでない内に、手を切ったほうがよい。

200以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:32:20.46 ID:W5MWs22m

榎本君は、この他にも、自分の考えなどを教えてくれました。

この内容は茅野君にも伝えました。そして、もう行くのはよそう、、、
という話になったのですが、、、実際には、問題が持ち上がり、1週間後、もう一度だけ足を運ぶことになります。
それはさておき、、、しばらくは、悪影響が続きました。

私の自宅で最も頻繁だったのは、弟の部屋です。
誰も居ないはずなのに、人の気配がする。ぼそぼそと話し声が聞こえたこともあります。何等かの関連がある浮遊霊のようでした。
電灯をつけたり、「帰れ」と念じたりするとすぐに消えました。週に1、2度そんなことがありました。
また、私が行(読経)をしていると、背後に気配がする、、、。しかも鳥肌が立つような気配がする、、ということが数回ありました。
これは「本体」(親玉)でなく、付属霊(手下)のようです。気合いを入れて行を続けるとその内に消えました。
お帰り願っただけで、決して浄化しようとしたわけではありません。この様な付属霊だけなら、なんとかなるのですが、手を出すと芋蔓式に出てきますから、いずれ「本体」と接触しかねません。浄化などとんでもないことです。

悪影響は茅野君にも及びました。
彼が仕事から帰って、うとうとしていると、自分が畳の上に座っている感じがしたそうです。いやーーな感じだと思った時、周りの様子が見えてきました。
どうも馬場君が語った夢の中に出てくる、あの座敷のようです。
茅野君は、少女が現れ、やがて恐ろしい母親が出てくることを予想しました。
ところが、、、、その気配はありません。これは夢だから覚めなくては、、
しばらく、そう考えているうち、、、。
ついに、、、座敷の奥の方から、近付いてくる足音が聞こえてきました。
般若面の母親か、、、。彼は筆舌し難い恐怖感を覚えたそうです。
しかし、、、。
現れたのは母親ではありませんでした。
「・・・・!」
この時点で、茅野君は「それ」が「本体」であることを知りませんでした。でも彼は見てしまったのです。「それ」を、、、。
それは「それ」はだんだん近付いてきました。
彼は恐ろしさのあまり、
「神よ仏よ、、、、、
、、、、、、、、、お爺ちゃん!」
と助けを請いました。
「うわっ・・・・!」
危機一髪、祈りは通じたようです。彼はなんとか夢から覚めることができました。

201以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:33:04.43 ID:W5MWs22m

茅野君はすぐに私に連絡をくれました。
聞いてみると、、。
彼が話す、特に「本体」の描写は、私が想像していたものよりリアルでした。
(その描写については、記述を控えます。ご容赦ください>ALL)
私が、、、
「「それ」が「本体」だよ。」
と伝えると、彼は、、
「げ! 例の斬りかかってくるヤツ? マジかよ~。」
と、しばらく絶句してしまいました。
でも有難いことに、彼がこの夢を見たのはこれっきりです。

私の見解と茅野君の描写を合せると、、、、。
オソロシイ、、、今でも、思いだしたくないくらいです。
(実は、、私自身が書くのを嫌がっているのです、、、m(_ _;)m )

悪影響は、身体にも現れました。

私自身では、妙に肩が重い、指先が痺れる、などの症状がでました。もちろん、透き通った「お客さん」がその原因です。
普段なら、弾き飛ばすし、乗ってきても振り落してしまうのですが、仕事帰りに電車で居眠をしていたり、疲れてうとうとしている時を狙ってくるので、つい背負ってしまいました。
このタイプは浮遊霊ばかりなので、落とすのは簡単、、、とは言っても、落とすまでは、吐き気を伴った肩こりに悩まされます。
この肩こりがもとで、体調を崩してしまうと、ヤツらの思う壷ですから、健康管理には妙に神経質になってしまいました。
また、めったに遭わない金縛りにも、その当時だけは続けて2、3度見舞われました。

弟の大輔には、昔痛めた腰の傷みが復活しました。10年以上前の症状の再発です。
彼には元々ある因縁があり、その影響で腰痛を患ったのですが、ヤツらはそこにつけこんできました。
弱点をつつき回すのは、ヤツらの常套手段です。
腰が痛いと言う大輔をうつ伏せに寝かせ、腰を診ると、そこだけが吸熱されていました。
「お客さん」を祓い落とし、気の通りを促すと、傷みが消える。数日するとまた痛みだすので、自宅へ戻って、私に気の流通を修復させる。
つまり、しばらくは痛んだり直ったりの繰り返しでした。
これは、皆があの土地と縁を切るまで続きました。
しかしながら彼は、そのことをきっかけにして、自分の弱点と因縁をはっきり認識したようです。
それ以来、彼はたいへん謙虚なものの考え方をするようになりました。

さて、茅野君ですが、、、。
怖い思いをしたわりには、影響が最も軽かったようです。軽い肩こりと鼻づまりで済みました。
彼には強い守護の力が働いているためです。

202以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:33:41.96 ID:W5MWs22m

で、、最後のお呼出、、、。 馬場君宅へ2回目に行った1週間後のことです。私の自宅へ茅野君が寄っている時に、大輔が榎本君を連れて帰宅しました。
当然、榎本君を囲んだ、「お化け屋敷からの撤退」という臨時作戦会議になりました。
結論は、
「影響下から離脱したら、綺麗さっぱり縁を祓い落とす」ということです。
そして、もう関わらないぞ、、、と決心した時、、、電話が、、、鳴りました、、。
馬場君からの連絡でした。
「状況が悪化したのですぐに来てくれないか。
家の中の様子も不穏だし、バンドが分裂の危機にあるんだ。」
とのこと。
もちろん、断るつもりでしたが、、、馬場君の頼みは強く、、つまり、断り切れず、、、茅野君と私の二人で出かけることになりました。
大輔と榎本君は「何かの時」に備えて待機です。
出発に際し、榎本君が警告をしてくれました。
「あるものが見えてて、それはとても危険なものです。
しかし、見間違い、勘違いをしやすいものなので、何であるかを言う訳にはいきません。言うとかえって危険です。
知らないで行けば、おそらく見た瞬間にそれだと気付きます。
それは、動かない物体です。気をつけてください。
そうだ、よく効くお守りがあるから、貸してあげましょう。」

彼がいう物体が何であるかは、私にはわかりませんでした。
借りたお守りは茅野君が身につけ、私は水でシャワーを浴びて気を引き締め、夜9時ごろ、車で出発しました。

「こりゃぁ、あの土地に呼び寄せられてるな。おいで~~、おいで~~って、手で招いてるみたいだな。
たぶん馬場君も魅いられていて、俺たちを引き摺り込む手先になってるんだよ。
何が危ないかって、、、そりゃぁ最も用心が必要なのは、行き帰りの車の運転だな。簡単に体を切り刻むとしたら、交通事故がいちばん手っ取り早い、、、、。 」
そう話しながら、私は安全運転に集中しました。
助手席の茅野君も真顔です。ときどき助言をしたりして、彼自身もハンドルを握っているつもりで注意を払ってくれました。

馬場君宅に近付くにつれ、緊張感が高まりました。茅野君も同感のようです。 彼の言葉を借りると、
「敵陣深く乗込んで行く、、てぇのは、映画だとわくわくするんだが、、。
違うんだよなぁ。
背筋がぞくぞくするのは同じなんだが、緊張感がすごいね。
神経がバリバリに張りつめてる。
ずっと、鳥肌が立ちっぱなしだよ。」
といった感じでした。

203以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:34:30.07 ID:W5MWs22m

そして、もう2・3分で到着、、、というところで、、、、通行止。工事中につき迂回せよ、、とのこと。
「ありゃぁ。よりにもよって、こういう時に工事しなくても、、、。」
茅野君は不平をいいましたが、こういう時にこそ、こういった障害が出てくるものなのです。
「コの字型の迂回路が書いてあるよ。注意して行こう。」
私は矢印のとおり、ハンドルを右に切りました。
順路に従って進むと、前方に交差点。迂回路を示した地図にあったとおり、左折。
その先をもう一度左折すれば、いずれ、もとの道と交差するはずです。
300mほど進むと、舗装が跡切れ、砂利道になりました。
「あれぇーー。やばいかな。」
私は警戒しました。
しかし、少し行くと、また舗装路に戻りました。
で、、、ほっとして前方を見ると、、、、、路肩に白い車が止っています。

嫌な感じがしたので、私はスピードを落とし徐行しました。
嫌な感じはさらに増しました。
「何か違うな、戻ろうか、、、。」
私がそう言うと、茅野君も同意しました。
道幅が狭いので、Uターン出来る場所を探すと、、、、。前方のその白い車の先は、少し広くなっているようです。
私はそのまま車をすすめ、白い車に4・5mの所まで近付きました。そして、ライトを上向きにして、、、車を照しだしました。廃車のようです。
フロントグラスが割れ、車体には蔦が絡んでいます。
そのとき、、、、背筋をぞーーっと冷たいものが走りました。
「これは!」
近付かない方が良いようです。私がブレーキを踏もうと思った瞬間、茅野君が、
「うわっ、ダメ! 止って! 戻ろっ!」
と叫びました。
茅野君も同じものを感じたようです。
「バックで戻るぞ!
そっちの路肩、見てて!」
私は、車を後退させ、そのまま砂利道を抜けました。
そして舗装路にもどると道幅も少し広がり、なんとかUターンすることが出来ました。
来た道を逆に戻ると、途中で別の迂回路を見つけました。未舗装なので、路地と勘違いし、さきほどは見逃していたようです。
道を確かめていると、通行止の方から、地元のものと思われる軽トラックがやってきました。そして、その道へ入って行きました。
「それ、ついて行くぞ。」
1分ほど、ついて走ると、元の道へぶつかり、まもなく馬場君宅が見えました。

204以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:35:55.98 ID:W5MWs22m

着くと、まず、先ほどの道について、馬場君に尋ねました。図を書いて、例の廃車の位置を示すと、、
「あれ? その道、高速道路にブチ当たって行き止まり、のはずだよ。
高速の壁とか、見えなかった? おれは、行ったことないけど、、、
でもさぁ、その辺の道って、両脇が畑だったりするからな。路肩が崩れたりすると、、ハマルかもなぁ、、」
馬場君にはわからないようです。
するとバンドのメンバーの後藤君が口をはさみました。
「その廃車の先、、道、、ありました?俺、バイクでそこの道に入り込んだことがあるけど、、、廃車で行き止まり、、その先は薮になってたはずですよ。昼間だったから辺りもよく見えたし、、、、。
でも、へんだなぁ、その廃車のところのおよそ10mだけが舗装、、
いや、アスファルトでなくコンクリート敷きだったな、、、
あ、そうそう、、、近くに廃屋がありませんでした?
見るからに、お化け屋敷ってやつ、、、そうか、夜だと判らないか、、。
でも、確かに、嫌な感じの場所ですね。墓でもあるのかなぁ?」

私は、榎本君の言葉を思い出し、電話を借りました。
「あ、大輔? 榎本君と代って、、、
あ、榎本君? もしかして、例の物体って、車?」
「ええ、ありました?
僕に見えたのは、白い車が止ってる所です。物凄い霊気があるから、近付くと捕まるかも、、、
でも、すぐわかったでしょ。
え? そんなに近くまで行ったのですか?
  わぁ、、、危なかったですね。
そっちにいると、見る力が弱まるか曇るかするんで、気をつけて下さい。
あえて言わなかったのはね。白い車って、どこにでもあるから、全部に気を取られると、見落す可能性があって、かえって危険だと思ったからなんですよ。」
(残念ながら? この場所の真相はわかりません。この後、確かめる機会がなかったからです。また、そうしようとも思いませんでした。馬場君宅と関係があるのは、間違いなさそうです、、、。)

205以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:36:40.80 ID:W5MWs22m

霊障を受けないように、気持ちをしっかりさせていたつもりですが、土地の邪気は強く、捕まりかけたようです。
バンドの他のメンバーが夜食の買出しに出た後、馬場君が話し始めました。
彼が訴えた、この1週間の間に起った現象は次のとおりでした。

1: 3日前の雨の時、近くに落雷があり、その影響で、シンセサイザーとシーケンサーのデータがとんでしまった。
特にシンセは完全に駄目になり、買い換えねばならない。とりあえずはレンタルでしのぐが、余計な出費であり、引っ越し費の積み立てが滞る。場合によっては、来月のライブを諦めねばならない。

2: ギタリスト兼アレンジャーの葉山君が、ある人妻(郁恵さん)とデキているが、その影響で、音楽への熱意が別の方向へ向いている。
どうも、他のバンドに声をかけられているようだ。
(注:郁恵さんの写真があったので見せて貰ったところ、すごいすごい、なかなかの因縁持ちでした。その内の不要な1枚をもらい受け、持ち帰って、榎本君に見せたところ、、、、
「この人の目、、、人間ではない、、、操られてますね」
という感想が返ってきました。
あとで判ったことですが、馬場君宅を仲介したのは、郁恵さんに紹介された不動産屋でした。
入れ替わりの速い物件は、礼金で稼げるのかな?!)

3: 1階では寝ないので例の夢は見なくなったが、2階で寝ていると、胸の上に重みがかかってくるようになった。
それほどの重みではなく、目を開けると消える。
あの子供ではないか? (注:当たり!)

4: 蒲団を敷いた後、しばらく1階に行き、用を済ませてもどったところ、蒲団の中に誰かが居たように感じた。
シーツを触ってみると、寝汗をかいた後のように、ほのかな湿り気が残っていた。

5: 階段を上ったり下ったりする音が2度聞こえた。2回とも深夜2時ごろだった。
6: 家の周囲を歩き回ると、足を掴まれるような感触がして、歩みが遅くなる。
ぼうっとしていると、いつの間にか足が釘付けなってしまい、はっと我に返るとその場に立ち尽くしていた、、ということが、バンドのメンバーのそれぞれに数度ずつあった。

206以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:37:19.65 ID:W5MWs22m

私は、馬場君に、、
「とにかく命にかかわることだから、引っ越しを第一優先しろ。
死んでからでは、音楽活動もできないぞ。
ここにいる内は、全てが裏目裏目にまわるから何も成功しない。
おれも、もうここには来ないぞ。来たら最後かもしれん。
今度会うのは、お祓いに行く時だからな。」
と釘を刺しました。
そしてさらに30分ほど引っ越しの際の諸注意をし、帰途につきました。
立ち去る際、家から10mほど離れたところで、九字を切りました。振返ると、例の立ち枯れの木が妙にゆらゆら揺れていました。

この後、2ヵ月を待たずに彼等は転居、つまり脱走に漕ぎ着けました。
幾らかは借金が残ったそうですが、大事に至らずに何よりでした。
しかし、バンドは解散しました。葉山君は別のバンドへ参加し、馬場君とベーシストの後藤君は新たなバンド結成へと動きだしました。

ここで、気になることがあります、、、、。
葉山君と郁恵さんを除いた関係者全員が、わたしの目の前でお祓いを受けました。
しかしその2人だけは、別の所(神社らしい)に行って祓ったそうです。
その後、彼等とは縁がないので、きちっと切れたのかどうかはわかりません。
まあ、悪い噂も聞こえては来ないので、死んだりはしていないでしょう。
問題は、、葉山君がどれほど郁恵さんに食われるか、、、、です。
ナンマンダブ、、、。


完!



この話の読後、よく周囲で「浮遊霊」が動くことがります。
ですが、それは大方この話とは関連がないものです。
意識を「相手」ではなく自分自身に向ければ、簡単に切れます。
言い方を変えれば「気にしなければ消える」ということです。
しかしながら、一応気の弱い方のために、、、オマジナイを、、。
自分の気力を強める効果があります。
次の言葉を3回唱えるか、心の中で強く念じてください。

「ギャーテイ、ギャーテイ、ハーラーギャーテイ、ハラソーギャーテイ、ボージーソワカー」

207以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 17:49:24.46 ID:cxbdUhht

気になるけど長くて読めない

208以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 18:25:21.75 ID:p6OKdMzA

性質の悪いとこから転載してきたな

209以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 19:20:05.82 ID:mUaf8df8

おつかれさんぐらいシンプルなのないかなあ

210◆Rmev3DbR5s:2015/04/25(土) 22:04:25.28 ID:shEhqpZH

設定雑過ぎワロタwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

211以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 22:06:14.51 ID:UT4vCR9P

笑いすぎだゴルァ!

   ∧,,∧
  (;`・ω・)  ,
  / o={=}o , ', ´
、、しー-Jミ(.@)wwwwwwwwwwww

212以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/25(土) 22:25:34.17 ID:tFCL7p7v

ここまで読む気なくすような文体も珍しい

213以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/26(日) 00:34:54.12 ID:dkVobbqu

途中で投げてしまった
次のはよ

214以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/26(日) 07:33:08.44 ID:iZqW6hVh

この話はタイトルを見掛ける度に飛ばしてたけど読んでしまった
けどどこら辺が読んだら呪われる系なんだ?

215以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/26(日) 10:30:10.29 ID:YWZ3Ie7C

787 :その1:2006/08/07(月) 22:04:45 ID:4ovn3nYY0
これは俺の祖父祖母の家の話で、本当は他人に話してはならない話。
すべて実話なので読んでもらいたい。ちょっと長くなるが、ご容赦を。

去年の7月のことだ。
俺の祖父と祖母は老人ホームですでに他界していて、
実家を管理する人がいなかったから、荒れ放題になってしまっていた。
本来ならば、相続の関係で俺の母親の姉(長女)がその実家を引き継ぐはずだったんだが、
なぜか姉夫婦は相続を頑なに拒んで放棄したので、お鉢が俺たちの元へ回ってきた。
その時は、田舎の山奥という場所の悪さと、
都会暮らしに慣れ親しんでいる姉夫婦のことだから興味も無いのだろうな、くらいに思っていた。
ところが俺の母親も、「厄介なもんが回ってきた」と肩を落としていた。

ともかく、うちで実家の母屋と土地を相続することになったから、両親と俺の3人で実家の大掃除に出かけたんだ。
実家を訪れるのは俺ですら10年ぶりで、本当に山奥のド田舎だった。(熊が麓まで降りてくるって有名な山の近く)
長い間手入れしていなかったから、門から母屋の玄関までもう草がボーボーで腰近くまで生えていた。
草刈り機を持ってきた親父もさすがに参った様子で、とりあえずみんなで母屋の中に入ったんだわ。
すると蜘蛛の巣と虫の死骸とかでえらい騒ぎで、カメムシがそこらじゅうにへばりついていた。
臭いし、汚いし、何で俺がこんなところを片づけなきゃいけないのか…とすでに憂鬱になっていた。


788 :その2:2006/08/07(月) 22:05:40 ID:4ovn3nYY0
掃除しようにも、とても一日やそこらで片づく状態じゃなかった。
とりあえず俺は、貴重なものが無いか部屋の中を色々探し始めた。
ガスも水道も電気も止まっているから、懐中電灯片手に作業。
でも貴重品があるはずもなく、ほとんど衣類とかゴミばかりだった。
俺は小学生くらいの時にはよく実家で遊んだが、両親が家を新築してすぐに祖父祖母の元を離れたから、
思い出もほとんど無く、写真とか本とかも片っ端からゴミ袋に詰め込んだ。
母屋は築110年以上経っていると聞かされていたから、昔は相当立派なものだったと思う。
さらに祖父には弟たちが何人かいたが、祖父を含めてみんな陸軍の将校だった。(みんな戦死したらしい)
壁とかには木銃?みたいなのもかかっていて、まるで戦時中のような古めかしさを感じた。
だから俺は、もう部屋の掃除よりもこの家を探検してみたい気持になって、
裏庭とか、農具の小屋とか、色々見て回り始めた。

216以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/26(日) 10:30:47.89 ID:YWZ3Ie7C

789 :その3:2006/08/07(月) 22:06:16 ID:4ovn3nYY0
あっちこっち探索していたら、母屋に屋根裏部屋があることに気づいた。
もちろん覗いてみたくなって、近くにあった枝切り挟みの柄で、木枠のある天井の板を突き上げて外したんだ。
母親が「そんなところ、鼠が這ってるからやめなさいよ」と言ったんだが、下駄箱の上に立って屋根裏によじ登った。

天井裏は確かに埃と鼠の糞だらけで、腐ったあちこちの板の隙間から外の光りが漏れていた。
広さはかなりあったが、めぼしいものは何も無く、かなり昔の農具や風車が転がっていた。
苦労して登ってみたわりには面白いものが見当たらず、俺は少し落胆して降りようと思ったが、
ライトでよく見回していると、屋根裏部屋の壁の隅に、ポスターみたいなのが貼ってあることに気づいた。
俺は目が悪いのでもっと近くで見ようと、鼠の糞だらけの汚い床を歩いて、その壁のところまで寄ってみたわけ。


790 :その4:2006/08/07(月) 22:06:57 ID:4ovn3nYY0
んで近くでよく見てみると、そのポスターに見えたものは、一枚の張り紙だった。
紙は黄ばんでいて、筆で何か書かれていたが、達筆で俺にはよく読めなかった。
ただ、『大正二年』って書かれているのが読めたから、多分、祖父あたりが書いたものだろうと思ったんだ。
ところが不可解だったのは、その紙が何重にもなっていて、
米つぶを糊にしたものでしっかり張り付いていたことだった。
見た感じで10枚くらい重ねて、一枚一枚が両面くっついているから、なんか変だなとは思った。
その紙自体も壁板に糊で張りついていて、とにかくこれが何なのか気になった俺は、
この紙を母親に見せてやろうと、隅のほうからゆっくり剥がしてみた。
上手く剥げずに、裏の紙が板に残ってしまったんだけど、そこに俺はぞっとするものを見た。
『○○家 ノ?? 開ケルベカラズ ??禁ズ』
記憶にある限り、紙の裏の板に、筆の縦書きでそう書いてあった。(?は見たこともない漢字で読めなかった)
意味も分からず漠然と恐怖を覚えた俺は、剥いだ紙を母親に見せるのも忘れて、慌てて屋根裏から降りた。

217以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/26(日) 10:31:32.10 ID:YWZ3Ie7C

792 :その5:2006/08/07(月) 22:07:38 ID:4ovn3nYY0
ちょうど居間で掃除していた母親にこのことを話すと、
突然母親は「そんなところにあったかッ!」と絶叫して玄関に走り出すと、
気が狂ったように屋根裏入り口の板を元に戻し始めた。
一体何がどうしたのか状況を飲み込めない俺は、呆然とその様子を居間で眺めていた。

母親は板を元に戻すと、その真下にあった下駄箱を横に倒して、俺のところに駆け寄ってこう言った、
「開けたか!?!見たのか!?正直に言いなさい!!」
(ハッキリ言って、今でもあの時の母親の異常な剣幕は脳裏に焼きついている。完全に人格違ってた)
俺はもうただ「いや、なんも見てない見てない…」と、わけも分からず宥めるように答えた。
あまりにもでかい声出して怒鳴るもんだから、外で草刈ってた父親も飛んできて、
「どうしたい?」と様子を見に来た。
母親は俺が何も知らないことを確認すると、安堵したあと「バカタレッ!!!」とまた怒鳴りつけた。


793 :その6:2006/08/07(月) 22:08:12 ID:4ovn3nYY0
事態が収まったあと、俺の弟には話さないことを約束として、母親が事情を話してくれた。

母親がまだ子供の頃、この家には『入ってはいけない部屋』というものが存在したらしく、
母親は日頃から、両親にしつこくその話をされたのだという。
なんでも、その部屋がこの家の何処かにあって、『その部屋に入ると祟りに遭う』と言われていたらしい。
おかげで母親は、その部屋のことが幼い頃からすっかりトラウマになってしまって、
朝学校へ行くと、夕方になっても外で遊んで家に戻らなかったという。

その『入ってはいけない部屋』は曾爺さんの代からあったらしく、
曾爺さんの兄貴だが誰かがとにかく厳しい人で、
自分の子供を折檻するためによく、1メートル四方くらいの箱の中に蓋して閉じ込めて、漬物石を乗せていたらしい。
ところがそんなある日、何かの原因でその子供が箱の中で死亡し、夏に葬式が行なわれたという。

218以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/26(日) 10:32:21.08 ID:YWZ3Ie7C

794 :その7:2006/08/07(月) 22:09:01 ID:4ovn3nYY0
この事件以降、家の中では、
お重箱や弁当箱、箱という箱の蓋が、すべていつの間にか外されたり、
鍵をかけてある蔵の漬物桶に何度石を置いても、いつの間にか漬物石がすべて軒下に運ばれるという、
不可解な現象が起きたらしい。
この怪奇現象の話は、俺も生前の祖父から何度か聞かされた記憶がある。

当時はお祓いなどもさんざんしたようで、その箱を供養のために四九日間、家に安置することになったという。
ところが、戦争で家の男衆が召集されてゆくと、
箱を気味悪がった家族らが、家の中の人目につかない場所に隠してしまった。
こうして、家の構造上あるはずのない小部屋が作られ、そこに収められたという話だ。

結局、部屋の場所だけは祖父祖母も死ぬまで喋らず、娘たちにも話さなかった。
だが俺は、屋根裏のあの紙が貼られてる壁板の周囲だけ、外からの陽射しが無かったのを見た。
つまり、あの張り紙の奥こそが『入ってはいけない部屋』であり、
(母親はそこまで言わなかったが、言いたくもなかったと思う)
何枚も重ねて貼られていたあの紙は、恐らく何重にもする必要があった御札の一種ではないかと思う。
よほど強力な怨念があったのかもしれない。

だが、恐怖体験はこれで終わりじゃなかった。
その後、掃除を切り上げて3人で家に帰ると、留守番していた中2の弟が、俺らを見るなりこう言った。
「その石どうしたの?」
肌が泡立った。
後で弟に聞いてみたが、俺と母親と父親、三人揃って大きな漬物石抱えて帰ってきたんだと。


795 :787:2006/08/07(月) 22:13:19 ID:4ovn3nYY0
以上ですが、それ以来、この話は家族の間で一切しなくなった。
触れてはならないものだと感じた。
もちろん、実家にはもう近づかないし、あの屋根裏部屋に何があるのかも考えたくない。
いまでもあの小さな部屋には、怨念が漂っていると思う。


797 :本当にあった怖い名無し:2006/08/07(月) 22:29:40 ID:yN5WgQ030
>>787
乙です~。
どうして話してはならない話を2chで紹介されたのか、心境が知りたいような。
あと、弟は現実とは違う映像を見たということですか。


800 :787:2006/08/07(月) 22:44:12 ID:4ovn3nYY0
>心境が知りたいような。
去年からちょうど1年くらいになるので、記憶辿って書き出しました。
怖い故に、他の人に聞いてもらったら楽になるかと思いました。
実際少し気が楽になったような気がします。

>あと、弟は現実とは違う映像を見たということですか。
そう。苦もなく大きな石を抱えていたので不思議だったらしいですが、家に上がった途端消えたらしいです。

219以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/26(日) 10:40:59.48 ID:YWZ3Ie7C

319 :本当にあった怖い名無し:2006/08/23(水) 02:31:27 ID:gi1+S3BKO
これはウチの祖母の体験で、かれこれ20年近く前の話。

近所の婆さん・Hさんが病気で(ってもほとんど老衰だけど)入院し、
うちの祖母は「『来てくれ』と婆ちゃんがせがんでいるから」とHさんの家族に言われて、見舞いに行った。

しかし、祖母が病院に着いた頃には急変しており、婆さんはスパゲティ状態。
いつ逝ってもおかしくなく、意識レベルも3桁(意識不明)に突入していたと思われる。
そんな状態だからか、見舞いに行った祖母は追い返されず、最期の別れをしていってくれと言われた。
それでは……、と祖母が病室に入ると、途端、今まで閉じられてたHさんの目がくわッと開き、
祖母に視線を向け、管だらけの手で一回手招きして息絶えたそうだ。

祖母はゾッとして、挨拶もソコソコに逃げるように帰って来て、
「恐い目にあった」と、私ら家族にその体験を語ってくれた。
その話を聞いて、「おばあちゃんはHさんのお気に入りだったからね」などと、家族で祖母をからかったりした。
(なんかヒドイ家族だorz)

その夜。祖母の夢の中にHさんが出てきて、無言で祖母を手招きした。
抗い難い力に、祖母はHさんの傍へと引き寄せられていった。

「……それでどうしたの?」
朝、そんな夢の話をする祖母に私が尋ねると、
「ぶん殴って逃げてきた」
と祖母は答えた。

もし、祖母に少しでも抵抗する気迫が欠けていたら……
祖母はHさんと一緒に逝ってしまっていたのかも知れない。

220以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/26(日) 10:45:57.30 ID:YWZ3Ie7C

30 :呪いの人形:02/05/21 20:25
呪いのわら人形をご存知ですか?
それに関する話です。

私は仕事がら転勤の多く、各地を転々としていました。
時にはアパート、時には貸家。
私が山口の萩というところに転勤になったときの話です。

安く家を貸してもらえるというので、しばらくの間、家を借りることになりました。
ただ問題だったのが、かなりの山奥で、大きい家なのですが、かなり古いものだということでした。

住み始めてから1ヶ月がたとうとするある日。
私の娘が庭で妙な箱を見つけてきました。
家の中も庭も、家に住み始めてから最初の連休のときにくまなく見て回ったはずでしたが、庭に箱などありませんでした。
そう思ったのは、何よりその箱が特徴がある箱で、見て判りそうな目立つものだったからです。
私には霊感はほとんどないのですが、その箱が異常に不吉な感じがしていました。
この時、私の選択が正しければ、恐怖を体験しなかったと思います。
私はこの不吉な箱を燃やしてしまったのです。
ただ一般人的な考えからは、必要無いものは燃やすか捨てるか、そういう選択しかなかったのです。
その当時は・・・


31 :呪いの人形:02/05/21 20:25
数日して悲惨なことが起こりました。
私の友人の一人が車で事故を起こしました。
車は炎上。友人が病院に運ばれたときは全身火傷で、すでに息がなかったということでした。

その数日後。
またも私の友人が、家で焚き火をしている際に火が服に移り、右腕と右顔半分を火傷する大怪我をおいました。
病院に入院した友人に会い、事情を聞きました。
友人の話では、「事故が起きる数日前、体が焼かれる夢を見た」とのことでした。
私は迷信など信じない性格でしたが、このとき『ひょっとしたら・・・』と思いました。

それから家に帰り、すぐ庭を調べました。
ごみを焼却するごみ穴を調べました。あの箱は焼け残っていました。
箱を調べようと手を伸ばしたとき、ものすごい寒気が体を襲ったのを覚えています。
箱の中からは人形が出てきました。
全部で3体。そのうち一体は丸焦げ、一体は半分が焼けた状態でした。
一体はまったく焼けていません。人形はごく普通の日本人形で、着物を着た女の人形です。
焦げかけた人形を手に取ったとき、焦げた人形の和服がぼろぼろと落ちました。


32 :呪いの人形:02/05/21 20:25
その人形の裏をみたとき、恐怖のあまり腰を抜かしてしまいました。
そこには友人の名前が書いてあるのです。
クロ焦げの人形のほうは名前が見えませんでしたが、大体判りました。
焼けなかった人形に、私の名前が書いてあったからです。

何もかもが不思議でした。
誰がなぜこんな事を。私と友人もこれといって共通点はありません。他にも友人はいるのですから。
誰かに恨まれる覚えはありません。なぜこの家にそんなものがあるのか・・・
家に私を恨んでいた誰かが住んでいたのか・・・私の知っている人間には山口に住む人はいません。
何もかもが不思議でした。

私はそれからすぐにその家を出ました。
あの人形は寺に預けました。寺の人の言葉が今でも心に残っています。
「供養しようと思った。でも、供養できるものではない。
 この人形についた怨念は、人間のものではない」

221以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/26(日) 10:54:27.33 ID:YWZ3Ie7C

640 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/07/03 19:48
この前、犬の散歩を21時頃にしたときの話。

たまたま涼しくて、自転車に乗って隣町まで犬を走らせていたら、
急にもよおしてきて(小)、緑地公園に駆け込んだんだ。
犬を自転車の荷台に繋いで、ちょっとした林のようなところに駆け込み事をなす。

「はぁー」って危機を脱出した俺はふと、目の前に何かあることに気づいた。
それは木に打ち付けられた人形で、それも見てるだけで怖い日本人形。
胸のところに五寸釘のような大きな釘が打ち込まれていて、首がカクンと手前にちょうどうつむいているような状態だった。
何となくしょんべんの軌道を見ていたため、目線が木の根元にあったのだが、
よく見ると、その木の俺の目線から上へ上へと日本人形が釘づけにされていた。
正直、うわっ嫌なもの見たなぁと思った。
で、見上げていくと、うつむいた顔が見えていくわけ。
一番下(目の前のやつ)から数えて三つ目の人形とちょうど目が合ったとき背筋に悪寒が走った。
暗すぎてあまり見えないんだけど、木の上のほうで「ガッ、ガッ、ガッ」って音がする。
まるで何者かが次の人形を木に打ち付けているように。
俺自身、稲川淳二とか好んで聞いているタイプだから、予想がつくわけ。
(このままどんどん目が慣れるまで上を見上げていてはいけない)
で、視線をこう、どんどん下に下ろしていくと、
目の前の人形が顎を持ち上げこちらを向いていた。(さっきは俯いていたはずなのに!)
叫びそうになったけど声が出ない。
お経も知らないし、神様に祈る余裕なんかもなかった。
涼しかったはずなのに汗が吹き出て、足も動かず…

そのとき、自転車に繋いでいた犬が、(結構大きい犬なんだけど)
自転車を引きずるように俺のほうに近寄ってきて、大きな声で吼えた。
すると、急に金縛りのような状態が解けて、足が動く。
もう無我夢中で自転車を起こし、犬のリードを手に自転車をこいだ。

この話はここでおしまい。
作った話じゃないので、こう、話として面白くなかったかもしれないけど。死ぬほど怖かった。
冷静に今考えると、暗闇、目の錯覚。音も鳥か何かがいたのかも知れないけど。

222以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/26(日) 10:56:47.24 ID:YWZ3Ie7C

543 :なんまいしゃん:02/06/30 00:23
これは父親から聞いた、自分が子供の頃に体験した話。

自分が3歳の時、40度以上の高熱を出したらしい。
その時、深夜11時50分頃。
熱にうなされて布団に寝てた俺が突然飛び起き、エアコンの方向を指さして、
「そこになんまいしゃんがいる」と言いだしたらしい。
ちなみに『なんまいしゃん』とは、子供の頃に自分が言ってた幼児言葉で、
ナンマイダ→ナンマイさん→なんまいしゃん。で、仏様を表してたみたい。
両親は「どこに居るんだ?」とその方向を見るが、何も見えない。
しかし自分はずっと、「なんまいしゃん、なんまいしゃん、なんまいしゃん」と、手を合わせて拝んでたらしい。

それが収まって10分ぐらいした頃、突然電話が鳴る。
こんな時間に何だと取ってみると、父親の姉から『息子が釣りに行って帰ってこない』と言う。
この時ばかりは両親はゾッとしたそうな。

すぐさま親父や親戚一同が海に行き、海上保安庁やら消防団と共に探したが、 いとこは見つからなかった。
結局3ヶ月後、自分のいる長崎から遙か離れた四国の方に遺体が揚がり、ポケットに入ってた免許証から身元が割れたらしい。
どうも海流の流れに乗ってそこまでいったそうだ。

余談だが、どうももうすぐ死ぬ人には、魚は釣れないらしいね。
いとこと共に釣りをしていた人は沢山釣れたが、いとこはちっとも釣れなかったらしい。
結局その人は先に帰り、魚の釣れないいとこがそのまま残って、そんな悲劇になったのだが・・・

223以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/26(日) 11:31:46.91 ID:YWZ3Ie7C

844 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/07/09 18:54
今から3年程前の夏、友人達とキャンプに行きました。
メンバーは私、A、Aの彼女のY、私とYの共通の友達Mです。
場所は中部地方のとある山中です。Aが過去に一度行ったことのある所で、かなりの隠れスポットだという事です。
大阪から出発し、京都を経て全員集まると、高速に乗りました。それが8月10日です。
キャンプは2泊を予定しており、帰宅予定は8月12日でした。

高速を降りてからは、ひたすら田舎道を走りました。
山にさしかかると、だんだんと濃い霧に覆われてしまいました。
ほとんど視界も無い状態です。それでも何とか車を停める所まではたどり着きました。
道沿いにあるスペースに車を停め、そこから40分ばかり歩いたところが目的地ということです。
しかし霧で視界が悪く危険ということで、霧が晴れるのを待ちました。

1時間ばかり車内で時間を潰しましたが、霧が晴れる様子がないので強行することにし出発しました。
ものすごい霧の中、徒歩で山中に入って行ったのです。
歩く順番は、先頭からA、Y、M、私の順です。

30分ほど歩いたところで休憩にしたのですが、その時にAが私にボソっと「道間違えたかも」って漏らしました。
私は冗談まじりに「勘弁してくれよ~」などと返しました。
するとAが更に言います。
「30分も歩けば川沿いを歩く道になる、でも未だに山の中って感じやん・・・でも分かれ道なかったしなぁ」
私は「霧で歩くスピードが遅くなってるからやろ?」と言うと、Aは納得したようで、
引き返して確認せずに、このまま進むことにしました。

それからまた30分程歩いた所でやっと川沿いになり、霧も晴れてきました。
Aもみんなもホッとしたようです。
そしてもう少し歩き、河原に出てテントを張りました。
霧が完全に晴れると、とてもきれいな場所だということがわかります。
そこで2泊して楽しく過ごしました。

次の日は快晴だったのですが、最終日は朝から雲が厚く、どんよりしていました。
雨が降る前に準備して出ようって事で、急いで帰り支度をして歩き始めたのですが、また濃い霧に覆われました。
行きの時と同じように1時間強歩き車に戻ってきたのです。

224以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/26(日) 11:32:22.94 ID:YWZ3Ie7C

845 :844:02/07/09 18:55
そんなこんなで車を走らせ、高速に乗って、順調に帰ってきました。
しかし、地元のインターを出たときに気づいたのです。
高速の伝票の日付が8月11日なのです。
私が運転してたので、他の者はそれを見てないのですが・・・
まあ機械の故障だろうと思っていたのですが、様子が違います。
高速を降りたときに、女の子の一人が自宅に電話をかけてたのですが、親と電話でもめています。
電話を切った後、何かあったのか聞いてみると、
「帰ってきたよ」って言ったら、『予定繰り上げたのか?』って言われたらしく、
「何で?」って言うと、『一日早いじゃない』と言われたらしいです。
「そんな事ない」と反論していたのを聞いていた我々は、その子が嘘を言ってるのではないとわかりました。
そして全員の携帯をチェック。私の携帯は8月12日・・・Y、Mの携帯も8月12日・・・しかしAの携帯は8月11日なのです。
なんか車内が不穏な空気になりました。「何?」「何で?」「どういう事や?」といった感じでした。
私は先程受け取った伝票の事を思い出して、みんなに見せました。
「うーん確認が必要やな」と思った私は、コンビニがあったので、
そこに車を停めて、コンビニの店員に「今日って何日でしたっけ?」と聞くと、「11日っすよ~」と返ってきました。
コンビニにあった新聞も、チラっと見ると11日です。
電話も色々かけて聞いたりしましたが、やはり11日です。

つまり、我々が8月10日に出発して、2泊して返ってきたのに、今日は8月11日といった現象。
女の子達は意味がわからず、泣き出したりしていました。
私はふと思い出し、みんなに携帯をキャンプ中どうしていたか尋ねました。
すると、A以外は持っていってたのです。
Aはどうせ圏外だからといって、車に置いていたとの事。
我々の結論としては、あの霧が我々をアウターゾーンへと導いたのでは、ということになりました。

結果的にお盆休みが一日延びたからラッキーだったのかな?
ですが、その後しばらくはその話を他の誰かにする度に電波扱いでした。
もちろん、最近は誰にも話してません。ですが2ちゃんなら、と思い書きました。

225以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/28(火) 07:30:59.93 ID:cs0bAhc0

226以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/28(火) 18:52:36.30 ID:1wEIVdCI

868 :これはもうスカイフィッシュだけの問題ではない:02/01/23 23:10
これは今から13年前に起きた出来事です。
今でもあれが何だったのか分かりません。早く忘れられれば良いと願っています。

当時私は上京してきたばかりで、右も左も分からない状態でした。
祖父からもらったぼろぼろでいつの時代かわからない東京マップを手に、見知らぬ都会をさまよいました。
上京の理由は職探しでした。
地方で職にあぶれていた私は、遠い親戚を頼って来たのでした。
「職は知らんが、住む場所なら安く提供してやろう」
叔父にあたる其の人は、電話でしか話したことも無く、まったくもって不安でした。
しかし今になって思えば、あのときの不安な気持ちは、虫の知らせだったのかもしれません。

目的のアパートに着いたときは、日が暮れかかっていました。
そこには大柄なおばさんが立っていました。
「ようこそおいでました。お疲れでしょう。案内します」
私は案内されるがまま、その薄暗いアパートへと入っていきました。
入り組んだ場所に建っているだけでなく、建物自体がさらに奥まったところへ伸びている為か、
私はなにかいいしれぬ圧迫感を感じました。雑草も伸び放題。
実際、日は暮れかかってましたが、まるで暗い洞窟に入っていくような錯覚すら感じました。

いつのまにかおばさんの背に止まっていた蝿が妙に恐ろしく、私は荷物を握り締め、
「いやー、東京は始めてなので、人がおおくって」と、声を大きめに云いました。
するとおばさんは振り向いて、「静かに!!!」と怒鳴りました。
私はそのとき、そのおばさんが女装したおじさんだと分かりました。
とっさの怒鳴り声が男の声だったのです。


869 :これはもうスカイフィッシュだけの問題ではない:02/01/23 23:12
私は意気消沈し、そのときは都会の恐ろしさを感じました。
今となっては、そこが異常なところであったと自覚しています。

部屋は生臭いのを除けば、家具も揃っており文句の言いようがが無かった。
しかし東京の家賃は、いくら親戚価格で提供してくれているといっても、9万と高かった。
六畳が一間と、床板のめくれた台所。水は耐えず濁っていた。
だが、私専用のトイレは有り難かった。
しかし和式トイレの穴は、夏の熱気によって凄い匂いだった。フタをしても匂ってくる・・・
おばさん・・・いや、おじさんの厚化粧はぎらぎらと輝き、むっとする化粧の匂いがいつまでも吐き気を催しました。

227以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/28(火) 18:53:17.89 ID:1wEIVdCI

そして化粧を落としてきたおじさんが、今度は何事もなかったかのように再び訪れて来て、挨拶をしました。
「遠いところご苦労様。所用で迎えに行けなくて申し訳無い。女性が応対しただろう?どうだった?」
「え?」
「綺麗だったか?」
そういうと小太りのおじさんは、私の目を除きこみました。
アイラインと言うのでしょうか?目のあたりが、まだ化粧が落ちずに残っていました。
「なんとも・・・」
あいまいに口だけで返事すると、おじさんはあからさまに機嫌が悪くなりました。
部屋に漂うすえた匂いと、私の脂汗と、おじさんの化粧の匂いが、風も無い六畳に充満していました。

その夜、備え付けのほこり臭くゴワゴワした布団に入り、疲れていたのでむりやり眠りました。

どれくらい時間がたったのでしょうか。暗い部屋の中に複数の動く物があります。
気配というか、音というか、腐ったような匂いと言うか・・・とにかく、何かが私の布団の周りにいるのです。
しかし、私は強引に目を瞑って眠りました。相当疲れてもいたようです。

次の日、いくつかの場所をあたってバイトを探しました。
しかしなかなかに見つからず、喫茶店でコーヒーを頼み、街の喧騒に怯えながら小さくなって寂しい思いでした。
ふと私は、自分のコーヒーカップを持つ手首に目がとまりました。
・・・歯型?
良く見ないと気づかない。しかしはっきりと歯型がついていました。
私は寝ぼけて噛んだのだろうと思いこみました。
私のものよりはるかに小さな歯型がついた手で飲むコーヒーは不味かった。
正直、帰りたかった。


870 :これはもうスカイフィッシュだけの問題ではない:02/01/23 23:15
しかし帰る場所はアパートでした。
おじさんに会うのではないか?と怯えながら、部屋に足早に戻り鍵をかけました。
血なまぐささは幾分収まりましたが、化粧の匂いが新しく残り香として部屋に漂っていました。

228以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/28(火) 18:53:58.69 ID:1wEIVdCI

その夜、私がたくさんのよだれのついた布団をかぶり眠っていると、またもいくつかの気配が感じます。
猫だと思いますが、私は熱帯夜のような(実際にはまだ夏ではなかったです)蒸し暑さの中で、
汗をたらしながらも布団の中でふるえていました。
しかし私は逆に耐えきれず、暗闇の中布団からいきなり手を出し、その黒い塊のほうへブン!と布団を持って払いました。
気のせいだと確かめたかったのです。
しかし、私の手の甲はある冷たい物にぶつかり、それは勢い良く壁にぶつかり畳に転がったようでした。
私は手に感じた感触に背筋が凍りました。
昔、若い頃に喧嘩をして殴った頬の感触と同じだったからです。
黒い塊がころころと転がってとまりました。そのときふいに、それが人間の頭部であると理解出来ました。
その刹那、
「ここどこ!!」
突然それが低いドスの聞いた声で叫びました。
その叫び声を聴いて私は気を失ったようです。

目覚めると、たくさんの頭部は消えていました。
私は汗びっしょりだったので、体を拭くためにシャツを脱ぎました。そして驚愕しました。
・・・全身歯型だらけだったのです。自分で寝ぼけてやったのではありません。
その証拠に、私の頬に血が出そうなほどの歯型がついていました。
しかもその歯型は、大きいのから小さな物までさまざまでした。
私は悲鳴をあげて出ていこうとしましたが、髭を剃るのは忘れませんでした。

おばさんおじさんは現れませんが、私はどんどん追いこまれていきました。
実際このころの私は、今思っても行動がおかしいです。
その最たる理由は、相変わらずその部屋で寝ていたことでしょうか。

私の体重は10キロ以上減り、傍目から気味悪がられるほど青白くなっていました。
そのせいか仕事もまったく見つからず、疲れ果てて帰るという毎日でした。
歯型は1日消えることなく全身に及び、面接官のひとりから「その歯型は?」と質問されましたが、
さしてうまい良いわけも見つからず、そのまま「噛まれているようですね」と言ったところ苦笑されました。
彼女にやられたとでも思ったのでしょうね。

しかし、私の限界は近くなっていました。
幻が見えるようになり、歯型を隠すため全身に包帯を巻いたりもしました。
そのくせ表を出歩き、見知らぬ人に「おはようございます!」などと大声で言ったりしてました。
気が狂う直前だったようです。

229以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/28(火) 18:54:33.70 ID:1wEIVdCI

その夜、おじさんからさし入れと書いた紙と、栄養ドリンク剤が部屋に置いてました。
私は疲れていたので、遠慮なくゴクゴク飲みました。
そして私はいつもより深い眠りにおちたようです。
そのおかげか、夜中に目が覚めたとき、すっきり頭がさえてました。
そして、私の体にとりついている10数個の黒い塊が私を噛んでいる事を、異常だとはっきり気づいたのです。
怖がってる場合じゃないと。
まぁそうですね。そう思っている私は冷静なつもりでしたが、ピークに達していたのでしょう。
ムクっと起きあがると、暗い部屋の中で黒いかたまりがズズズっと畳を転がるように進み、
台所に消えていったのを感じました。

871 :これはもうスカイフィッシュだけの問題ではない:02/01/23 23:17
私は「待てぇ!!!」と、今まで上げたことの無いような声を上げると、台所に行きました。
そして、それらの影がなぜかトイレに逃げたような気がして、トイレにかけこみました。
トイレは和式でしたが、中は真っ暗です。
電気をつけようとしましたがつかず、私は荷物箱をひっくり返し懐中電灯を手にしました。
そして笑いながら、トイレの中にライトを向けました。
闇に照らし出される汚物。目を凝らすとウジがうごめいているのが分かります。
そして其の中に、うつろに見上げるたくさんの腐った生首や、白骨した頭部が私を見上げていました。
私の糞尿にまみれて・・・
ぎゃぁああああ
私は悲鳴を上げ、なぜか帽子を手にとると、下着姿のままドアを蹴破るように飛び出しました。
「ぎゃ!!」
ドアの向こうに誰かがいたようでした。
振り向くと、女装したおじさんがマスターキーとノコギリをもって倒れていました。
「いきなり開けるな!!」
そう怒鳴られ私は無償に腹が立ち、近くの石をどんどん投げつけました。
おじさんは悲鳴を上げうずくまりました。
私はいつしか、投げている石が人の頭であることに気づきました。
それらがおじさんにどんどん噛みついています。
おじさんは肉を食いちぎられているのか、悲鳴を上げ続けてました。
私は怖くなり、アパートを飛び出しました。

あれ以来、おじさんとは連絡をとっていませんし、連絡も来ません。
あの頭部が幽霊であってほしいと思っています。
そうじゃないと私は、あのアパートにいる間、ずっと毎日、糞尿を・・・

あれから13年がたち、今では遠い記憶になりましたが、
私の首元に残る一つの歯型は、しばらく消えませんでした。
私が殴った生首が噛んだ跡だったのかもしれません。

230以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/28(火) 19:45:12.87 ID:jTf+ZwSl

怖いどころか笑えたwww

231以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/29(水) 14:35:55.36 ID:zRzWU6u3

あげ

232以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/30(木) 11:15:56.46 ID:XBhquCAn

606: 本当にあった怖い名無し 投稿日:2009/12/05(土) 16:47:55 ID:gTiQIO2J0

東日本の有名観光地に実際にあるかなり有名なホテルなんだけど
そこは部屋のナンバープレートを金物で作って飾ってあるのね。

ある日、502号室に泊まった時にね、不可解なことがあって。
その左横は「501」で右横はロビーみたいになってて机と椅子が置いてて
前の部屋は「512」とプレートがあった。
まぁ、気にも留めてなかったんだけど何となく見てたんだよね。
それから飯をレストランで食べて貸しきり風呂で良い気持ちに。

さて部屋にもどって寝ようかとエレベーターで5階を押して部屋に。
そこで廊下の突き当たりに(501号室とその前の部屋の間)に
横向きに置いてある絵を見て少しゾクっとした。

絵がさ、真っ赤な風景の中に湖の前の家を描いてるようなんだけど
なんか家が火事で燃えてるような感じにとれるんだよね。
それで、これホテルには似つかわしくないなぁ、と。漠然と思ってた。

部屋に戻ってからも何故か火事のイメージが強くて結構気になっちゃって
案内書とかで非常階段調べたりさ、タバコを吸ってたから一々灰皿に水入れたりしてたんだよ。





607: 本当にあった怖い名無し 投稿日:2009/12/05(土) 16:48:37 ID:gTiQIO2J0

それからしばらくして部屋が乾燥してたからフロントに電話して
加湿器を借りたんだ。

ノックがしたので持ってきてくれたかとドアを開けて加湿器を借りて
部屋に設置して、窓の前のカーテンを全部閉めて寝る準備を万端に。
寝てて喉が渇いて起きるのも嫌だから冷蔵庫の中からお茶出して枕元に置いとこうと
冷蔵庫を開けたけど、生憎ウーロン茶しかない。あまりウーロン茶好きじゃないから
部屋の横のロビーの自動販売機でお茶買うかと何気なくお金もって部屋を出た。

その時は10時30分ぐらい。

自動販売機で麦茶を買ってお釣りを取ろうとしゃがんで手を伸ばしたときに
後ろの廊下を誰か歩いてる気配がした。別に気にする事では無いし
わざわざ振り返って挨拶するのも気が引けるからちょっと遅めに行動して
お釣りを取って振り返ったら ちょうど誰かがロビーを抜けようとしてた後姿が見えた。
ドアの音がしてから自分の部屋に戻ろうと思って再度待ってたのよ。
501号室とかの人だと鍵開けてる最中に顔を合わせるのとかを避けたいから。

だけどしばらく待ってもドアが開く音はしないのよ。

233以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/04/30(木) 11:17:39.04 ID:XBhquCAn

608: 本当にあった怖い名無し 投稿日:2009/12/05(土) 16:49:44 ID:gTiQIO2J0

もうそろそろ戻ろうと思って部屋に向かったら
廊下には誰も居ないのね。
おお?と思ってキョロキョロしても誰も居ない。
流石に怖くてね。急いで鍵を開けようとしてたら鍵を落としちゃって
しゃがんで取ろうとしてたら後方からガチャガチャ、ドンってドアの音が。

さっきまで居なかったから誰か出てきたのか。と思って振り向いたけど誰もいない。

怖くて急いで鍵を拾って開けて最後にもう一度廊下を見たのよ。
そしたら、絵に違和感が。さっきまでの絵のイメージは真っ赤な風景+家
だったのがそれに黒い人影が足されてるのね。というか真っ黒な人が家の
玄関から這い出てるように見えたのよ。

その瞬間に怖くて怖くて金縛り状態に。
おいおい、火事の絵に見えるんじゃなくて
これって火事になってる家を描いた絵そのものじゃないのか。とその時に思った。

そこでフッと、501号室の前のドアに目が行ったんだけどそこだけプレートが剥がれてる。
プレートのあった場所だけ白くなっててそれを淵どってペンで黒く番号が
はっきりと 「407」 って残ってるのね。

ここは5階だからまず4から始まらない。
しかもドアを態々4階から外して持ってこない限りプレート番号の跡は残らない。

609: 本当にあった怖い名無し 投稿日:2009/12/05(土) 16:51:44 ID:gTiQIO2J0

長くてごめんね。これで終わります。

そこで又絵に目が捉われたんだけど、さっきの黒い影が家の前にある湖に向かって
這いずり出してるようにしか見えなくなっちゃって。

直ぐに部屋に戻って部屋に御札なんか無いだろうな!と探したときに
ふっと時計に目をやったら時間が1時52分になってるの。

横の自動販売機にお茶を買いに行っただけなのに約2時間強経ってることに。
恐怖とパニックで部屋中の電気とテレビつけて、面白くもないバラエティー番組を
音量上げて流して朝まで布団に包まって見てたの。

その日の予定は全部切り上げて直ぐに家に戻ることに決めて、
朝食も食べずにチェックアウトを。その際に
「5階にある絵、あれは変わってますねー。火事を連想するからあまり芳しくないのでは?」
と言ってみたのよ。そしたら「あの絵は当ホテルが創立時よりありますので。」と。

創立時からって。お宅一度火事で全館焼失しましたよね。と。
建て直して今のホテルがあるんじゃないの・・・。と。
聞けなかったですけどね。

ネットで色々調べてみたけど別に心霊現象があるとかって情報は無かったけど、
あそこの501号とか512号とかの宿泊者は横のドアの番号を見たことあるはずなんだけど
気にも留めないのかな。

以上が自分の体験。まぁ、恐怖から色々と見たと錯覚してるのかも。
文盲だから糞みたいな文章なのはご愛嬌で。(ごめんよ。)
その辺は考慮してください。ただ怖かったから二度といかないぞ!!!ちきしょう!
絵外しやがれ(つд;`)

234以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/05/01(金) 15:27:50.81 ID:KzYTfTzU

長過ぎるとダメだな
ID(1/20)とか無理5位で頼む

235以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/05/01(金) 15:56:53.22 ID:KzYTfTzU

>>229
祖父がくれたマップでダメだったw


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