俺は上機嫌で家路についた
通行人がやたらこちらを見てくるが、たぶん今の俺の心が輝いているからだ
『偽善』、言ってしまえばそうかもしれない
でも一人の孤独な少女を見捨てることはできなかった
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ハゲ「おう、なんかお前輝いてんな」
おっさん「そう思うか?まぁな、俺の前世はキリストかもしれん」
ハゲ「気持ち悪ッ!しかもなんか臭ぇよなんだ、マヨネーズ?」
おっさん「あぁこれな。この前話したマッサージ店のオイルだと思う」
ハゲ「……お前、また行ったの?」
おっさん「いやぁ、色々話を聞くとな、あの子苦労してるんだわ。何かの縁で出会ったわけだし、見過ごせなくてな」
ハゲ「……はぁ。お前さ、またぼったくられてんぞそれ」
おっさん「『ぼったくり』って言うなハゲ!!中国じゃあな、『馬鹿娘』って意味なんだよ軽々しく使うなハゲ!!」
ハゲ「はぁ?中国語に『ぼったくり』なんてねーわアホか」
おっさん「いやあの子は……」
ハゲ「ググってみろよ」
おっさん「……」
ハゲ「な?お前たぶんまた騙されたぞ」
おっさん「いやでも最高級のオイル……」
ハゲ「そんなんただのマヨネーズに決まってんだろ。なんで気づかないの?」
おっさん「……」プーン
ハゲ「お前、まじで匂うぞ……」
おっさん「……俺騙されたの?」
ハゲ「ああ。どうせ『父親のDVで出稼ぎにー』とか言われたんだろ?それみんな使ってる常套句だからな」
おっさん「……」
ハゲ「とりあえずお前、五万回風呂入れ」
おっさん「……」