安価でSS書くわ #311

311以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2015/03/07(土) 21:18:59.42 ID:MnRIm4hO

ダンボール「やっぱりあなた、最高の歌声だわ!」

おいたん「あぁ知ってるさ……。俺は昔ミュージカル俳優を目指してたからな」

ダンボール「でも、だからこそ心配なこともあるの……」

おいたん「ん?なんだ?」

ダンボール「いつか私……廃品回収に出されるんじゃないかって……」

おいたん「そんなわけない。俺がお前を家に選んだ理由……何度も言ったろ?」

ダンボール「えぇ……。でも私、不安で不安で……。お願い、あの言葉をもう一度言って……?」

おいたん「はぁ……しょうがねぇな……。好きだぜ、ダンボール」

ダンボール「……」

ダンボール「それ本当に思ってるの……?」

おいたん「思ってるって」

ダンボール「なんか気持ちこもってない。まるでダンボールに話してるみたい。なんなの!?私は、あなたにとってただのダンボールなの!?」

おいたん「違う。お前は特別だ……」

ダンボール「……そう」

ダンボール「ごめん、私ちょっとおかしかった。最近ストレスで雨がよく染みるの……」

おいたん「お、おいおい……大丈夫なのかよ……」

ダンボール「大丈夫……。だからお願い、あの言葉をもう一度言って?」

おいたん「好きだぜ、ダンボール」

ダンボール「またなんか気持ちこもってないんだけどー!!私はあなたにとってなんなの!?ただ雨風をしのぐだけの存在!?違う!私はもっと輝けるの!!なんであんたみたいなホームレスと一緒に………………」

おいたん「はぁ……」

おいたん(こんなやり取りでも、俺にとっては大事な習慣だ)

おいたん(最初ここに来た頃は、誰とも会話なんてできなかった)

ダンボール「だいたいあなたいつも帰りが遅い!昨日だって何してたの!?私は必死に床を暖めてたのに!!」

おいたん(こうして対等に怒ってくれて、同じ目線に立ってくれる)

おいたん(あいつらとは……大違いだ)

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