欧州連合(EU)のア シュトン外交安全保障上級代表は二十四日、ウ クライナの首都キエフで、トゥルチノフ大統領 代行と会談し、財政支援をめぐり協議した。親 欧州政権の誕生を受け、欧米はウクライナの財政破綻を避けるための支援を本格化させる。アバコフ内相代行は最高会議(議会)によって大統領を解任されたヤヌコビッチ氏について、大量殺人の容疑で逮捕状をとり手配したことを明らかにした。
ウクライナは、ロシアからの天然ガス輸入代 金や国際通貨基金(IMF)への借金返済などで巨額の資金が必要。ただ自力での調達は難しく、国際的な支援の取り付けが緊急の課題。タス通信によると、ウクライナ財務省などは今後二年間で総額三百五十億ドル(約三兆五千億 円)が必要と試算。大統領代行は、国際的な支援の枠組みをつくるための会議を一~二週間のうちに開くよう求めている。
英国のオズボーン財務相は二十四日、シンガ ポールで「国の未来を欧州と結び付けたウクライナを、欧州は追い払うのでなく抱きとめるべ きだ」と、支援への理解を求めた。ロイター通信によると、EUの欧州委員会高官は二十四 日、支援をめぐり「日本、中国、カナダ、トル コ、米国と連絡を取っている」と話した。
一方、アバコフ内相代行は二十四日、治安部 隊が多数のデモ参加者を殺害したことを受け、 大量殺人の容疑でヤヌコビッチ氏に逮捕状が出 たことを明らかにした。前大統領は二十三日、 南部クリミアの軍空港や私邸に現れたが、新政権に掌握されていると悟り、側近や護衛と車三 台で走り去ったという。その際、前大統領は「一緒に来るか、別れるか選べ」と伝えたところ数人が離れたという。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2014022502000112.html