[東京 8日 ロイター] - 建設現場などでの人手不足の対応策として、政府部内で
外国人労働者の受け入れ拡大が本格的に検討されはじめた。
3年間を上限と定めている技能労働者の滞在期間の5年間への延長について、
年央までに結論を出す。単純労働者の受け入れ解禁も中期的に検討対象に浮上している。
ただ、政府・与党内には異論もあり、検討は慎重に進めることになりそうだ。
政府の産業競争力会議は昨年12月26日、「雇用・人材分科会」の中間整理で、
技能労働者を受け入れる外国人技能実習制度の滞在期間を現在の3年から延長するよう、
法務省の懇談会で議論し、2014年央までに結論を得ると盛り込んだ。
これに先立ち政府が設置した農林水産業・地域の活力創造本部がまとめた答申でも、
実習制度の3年から5年への延長が盛り込まれ、法務省の懇談会で14年内に結論を
得ることとなっていた。
(中略)
政府内でも「経済財政諮問会議では、2%の経済成長が必要としているが、逆算すると
労働者足りない」(関係者)として、外国人労働力の必要を唱える声が出てきた。
(中略)
もっとも政府内にも慎重な意見も多い。首相官邸や、財務省など経済系官庁は前向きだが
「厚生労働省と法務省が慎重な立場」(政府関係者)だ。国内で職に就かず学校にも通わない
ニートが多数いる現状で、外国人労働を増やすことへの抵抗感があるほか
外国人労働者の増加によって、治安が悪化するリスクを指摘する声も広がりをみせている。
菅義偉官房長官は8日の記者会見で、外国人労働者の拡大検討に言及したが、
あくまで「慎重に検討する」と強調した。2020年の東京オリンピック開催や震災からの
復興の中で「建設に関する人材不足や資材不足といった問題があることは承知している」と指摘し、
「まずは若者をはじめとする潜在的な労働力の活用が大事だ」としつつ、「同時に、
外国人労働力も、建設需要の規模や国内の労働市場、国民生活への影響などを踏まえながら、
政府全体として慎重に検討していきたい」と述べた。
(以下省略)
〔アングル〕政府が外国人労働者の拡大検討、年央までに結論 単純労働者受け入れも浮上 (01/08 20:50 REUTERS)
http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPL3N0KI2E320140108