感謝祭明けの週末を迎えた米国では、１年で最もにぎわうショッピングシーズンである
年末商戦が本格的にスタートした。大勢の買い物客が各地のショッピングモールに
押し寄せるとみられる中、大手小売り各社は売り上げアップと店内の事故防止を両立させるべく、
あの手この手の対策に余念がない。
調査会社のＩＢＩＳワールドは、感謝祭翌日の「ブラックフライデー」からネット販売が盛り上がる
週明け月曜の「サイバーマンデー」までの小売り売上高について、前年比２．２％増の
４０５億ドル（約４兆１５００億円）に達すると予測する。
調査結果によれば、この週末の買い物への人出は米国全体で１億４０００万人に上る見込みだという。
こうした買い物客の多くは、目当ての商品すべてをなるべく１つの店舗で購入しようという考えから
ウォルマート・ストアーズやターゲット・コープ、シアーズ・ホールディングスといった
大型の小売りチェーン店に集中する傾向がある。
全米小売業協会（ＮＲＦ）で損失防止に向けた取り組みを統括するリッチ・メラー氏は
「この時期の買い物客は、商品を買い逃すまいとの思いから相当殺気立っている。
店内でのトラブルを避けるためには、売り場の配置や商品在庫に関する十分な情報を
適切に伝えることが欠かせない」と指摘した。
ＮＲＦは毎年この時期になると、大挙して押し寄せる買い物客に対応するための指針を公表する。
各店舗に向け、買い物客をいらだたせる長蛇の列やトイレの混雑といった事態への備えを
呼びかける狙いがある。指針の送付が始まったのは２００８年。ブラックフライデーのセール中に、
ウォルマートの店内で発生した死亡事故がきっかけだった。
このときニューヨーク州にある同社の店舗には２０００人あまりの買い物客が殺到。
混乱の中、従業員１人が床に押し倒され、そのまま窒息死した。
米労働安全衛生局は０９年５月、「店内の混雑状況への対処が不十分だった」として
ウォルマートに７０００ドルの罰金を科している。
（以下省略）
米年末商戦は安全第一 １億４０００万人殺到 小売り、事故防止あの手この手 (11/30 05:00 Bloomberg/SankeiBiz)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/131130/mcb1311300502003-n1.htm
【関連記事】
ワールドビジネスサテライト：米 年末商戦前倒し (11/29 23:00 テレビ東京)
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/market/post_5537