[モスクワ 1日 ロイター] プーチン・ロシア大統領は3カ月足らず前の主要国(G8)首脳会合で、
シリア問題をめぐりのけ者扱いされた。今週5、6日にサンクトペテルブルクで開く20カ国・
地域(G20)首脳会合(サミット)では、オバマ米大統領に反撃する機会をうかがうことになる。
米国はシリアへの軍事攻撃の判断でジレンマに陥っているため、サミットに向けてより強い重圧に
さらされているのはオバマ大統領の方だ。8月31日には議会の承認を得るため攻撃を先送りした。
翻って6月に北アイルランドで開かれたG8首脳会合では、シリアのアサド大統領を支持する
プーチン大統領が孤立し、オバマ大統領との会談ではしかめ面だった。オバマ氏はその後、
プーチン氏を 「教室の後方で退屈している子供」 に例えた。
プーチン大統領はこのあざけりを無視し、シリア政府が8月21日に化学兵器を
使用したとするオバマ大統領の指摘を退けてアサド大統領支持を貫いている。
シリア問題で米国、フランス、英国の首脳らが追いつめられる様に意を強くしたプーチン氏は、
「ノーベル平和賞受賞者の」オバマ氏を皮肉り、米国の外交政策の失敗を指摘して反撃に出始めた。
プーチン大統領は8月31日にウラジオストクで記者団に対し 「過去10年間の出来事を
思い起こす必要がある。米国は何度、世界のさまざまな地域で武力紛争を主導したか。
それでたった一つでも問題が解決しただろうか。アフガニスタンやイラクでパートナー諸国が
追求したとされる平和や民主主義は結局実現していない」 と話した。
アサド政権が国内で化学兵器を使用したとの考えについては 「途方もないたわ言」 と切り捨てた。
プーチン大統領は西側諸国に対し、G20サミットではシリア問題で対決する用意があり、
米国を「不良少年」の姿に描き出す機会を狙っているとのメッセージを送っている。
(以下省略)
焦点:G20でプーチン氏がオバマ氏に反撃へ、シリア問題めぐり (09/02 13:52 REUTERS)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE98103I20130902