801サロン@チラシの裏避難所 2143枚目 #808

808名無しさん@Next2ch:2021/02/25(木) 12:32:33.70 ID:???

図像資料からはペスト医者が様々な衣装を身に着けていたことが分かるが、中にはひと目で分かる独特の格好をする者もいた。できるだけ肌を露出させないよう全身を覆う、表面に蝋を引いた重布か革製のガウン、つば広帽子、嘴状をした円錐状の筒に強い香りのするハーブや香料、藁などをつめた鳥の嘴のようなマスク(ペストマスク)[13]、木の杖のひと揃いがその典型であった[14][10]。これは1619年にシャルル・ド・ロルム(英語版)が考案した一種の保護衣で、初めパリで用いられていたが、その後ヨーロッパ全土に広がった[15]。

マスクの嘴に詰めた香りの良いものとは、例えばアンバーグリス、バームミント、ショウノウ、クローブ、 アヘンチンキ、没薬、バラの花びら、エゴノキなどである[6]。これらが瘴気を発する「悪性の空気」から身を守ってくれると考えられていた[16]。藁もその「悪性の空気」からのフィルター代わりとなる。マスクは目の部分に赤いアイピースをはめこむこともあったが、これは悪霊を払うためであった[10]。アイピースのような目の覆いは、感染力が強いペストは当時「患者の視線」も感染原因と考えられており、患者と目を合わせるのを防ぐためでもあった[17]。木の杖は患者に触れることなく診察するための道具であり[18][19]、古来こうしたワンドは治療者のシンボルであったが、ペスト医者も職業がすぐ分かるように携帯することが求められていた[20]。

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