はぁんむかしのわらしの読書感想がめっちゃ知的だったからチラシちゃんに書き起こしちゃうぅ
ネタバレ注意だよぉ
趣味の問題
試食係としてやとわれたにこると、やとったフレデリック。「執着」を「愛」と言い替えられるならば、ふたりにあるものは愛である。
フレデリックはニコルを「もう一人の自分」とするために、味覚を変え、嗜好を自身に寄せていく。
ニコルはフレデリックに応え、彼と外界をつなぐ、唯一の存在になっていく。フレデリックはニコルの判断に依存し、ニコルはフレデリックに見捨てられることを何よりもおそれる…。
最後に待つのは、もちろん破滅だ。
彼らの間にあったのは、「フレデリック」である。
フレデリックは(大方の人間がそうであるように)自己の偶像を作り上げることに腐心していた。
それはニコルに対する「教育」を通し強化される。
ニコルは「フレデリック」をトレースする。
ふたりとも「フレデリック」が愛想を尽かすことを何よりもおそれているのだ。1990年代のBLによくあった、「とらわれたのは、ドッチ…?」に通ずる構造である。
とらえていたのは、ふたりに共存している「フレデリック」である。