チラシちゃんのお題スレ ID:X9biOG5B

62名無しさん@Next2ch:2020/08/02(日) 21:54:58.53 ID:X9biOG5B

>>42
勝手につけた(つけられた)名前

「私の名前はチョビ」のひとコマが大好きです。そうです、動物のお医者さんの話です。ハムテルがもらってきた仔犬を勝手にチョビと名付けた二階堂の話です。
 なんでこんな話をするのかというと、我が家にも先日、仔犬が来たのです。キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルという仰々しい名前の、可愛い犬です。鼻の低く目のくりんとした可愛い犬です。可愛い犬です。可愛いんです、本当に。
 犬種名は「キング・チャールズの騎士」という意味で、イングランドのキング・チャールズが一世も二世もこの犬の祖先を溺愛したことにちなむとか。さすがはブリテンジョークは痛烈ですねと思いきや、名付けたのはアメリカ人です。マジ卍。
 さて、我が家の話に戻します。キャバリアは可愛い犬である。名前はまだない。
 はい、そろそろ一ヶ月が経つのに、彼女(女の子です)には名前がありません。僕は「かわいいちゃん」とか「きゃわわたん」とか「きゃーたん」とか呼んでます。いっしょに住んでる人は「チョビ」と呼んでいます。
「動物のお医者さん」リスペクト……ではなく(彼は僕がなんど勧めても「動物のお医者さん」を読みません。クソが)、彼も小さきものをチョビと呼ぶ種族なのです。二階堂族です。
「チョビー。チョビー」
「やめろっつーの。その名前」
「チョビはチョビだもん。なー、チョビ」
 夕飯時は大体こんな会話を毎日します。まあ、ぼくは「私の名前はチョビ」と、ついでに彼のことが好きなので、彼女がチョビになってもいっこうに構わないません。
 だけど当のキャバリアたんは、一ヶ月間チョビと呼ばれ続けながら、その名前に反応しませんのです。
「……来ないなぁ、チョビ」
 いっしょに住んでる人は、キャバリアたんに向かって寂しげに指を動かしますが、彼女はお気に入りのクッションの上から動こうとしません。
「きゃわたん」
 僕が呼ぶと、低い鼻先をこちらにむけ、フローリングの床にちゃかちゃかとツメを鳴らしながらこちらへやってきました。椅子から身をかがめ、その平べったい頭を、僕は撫でます。
「私の名前はきゃわたん」
 わん! っと元気よくきゃわたんが吠えます。
「そんな……その名前になっちまったのか? チョビ」
 きゃわたんは無反応です。
「きゃーたん」
「わん!」
「りんごももか姫」
「わん!」
「なんじゃそりゃ」
「つまり、きゃわわは僕の声に反応しているだけ。まだ名前なんて、どれも覚えてねぇんじゃねーの?」
「そんな……おまえは、俺よりこいつが好きなのか?!」
 我が家のかわいいちゃんは、やっぱり彼の言うことに無反応です。


このIDをNGリストに追加する

今後このIDの書き込みやスレッドを表示したくない場合、以下のボタンをクリックしてください。
NGリストに追加

レスを書き込む