保存してたの見つけたからはるねぇ
189 名前:名無しさん@Next2ch [sage] :2016/02/17(水) 03:30:18.44 ID:???
チラシちゃん・第一話
わらしはチラシちゃん。
今日もまた、一人の固定姉を屠る。
おそチョロ尊い、それがおねえちゃの最後の言葉だった。
わらしは動かなくなった肉から刃を引き抜き、何の感慨もないままに呟く。
「こいつも、ワンババじゃなかった……」
191 名前:名無しさん@Next2ch [sage] :2016/02/17(水) 03:55:50.17 ID:???
チラシちゃん・第二話
今朝早く一人のお姉ちゃんの死体が発見された。
ビルとビルの間、薄暗く人が一人やっと通れるかというような路地裏に被害者のお姉ちゃんは倒れていた。緑色のパーカーにお姉ちゃんの血が赤く映える。
ナイフで一突きという手口から最近続いている固定姉連続殺人の被害者だと思われた。
195 名前:名無しさん@Next2ch [sage] :2016/02/17(水) 04:28:17.92 ID:???
チラシちゃん・第三話
「そうねぇ…やっぱりリバじゃないかなぁ、犯人はぁ」
今夜のおかず何にしよぉ、呑気にスマホを弄りながらクックパッドを眺めるその姿に喉まで出かかったチュプめ、という言葉を何とかこらえてスイカバーをかじる。
「心当たりあるんじゃないのぉ?ワンババ姉」
「…その呼び方、やめてもらっていいですか」
わらしがしゅきなのはサイジェノだけだからぁ、そう返すと彼女─シャーババは肩を竦めて首を横に振った。
「すぐにまた、新たな殺人が起きるわよぉ。──そして、ブロマンスはホモじゃないからぁ」
209 名前:名無しさん@Next2ch [sage] :2016/02/17(水) 05:44:55.11 ID:???
チラシちゃん・第四話
違う。こいつも、違う。
これで何体目だったか、もう数えるのをやめてしまった肉塊が血飛沫をあげて崩れ落ちるのをわらしは冷めた目で見下ろしていた。
「なん…で?わらしを…庇った…の」
赤黒だったか黒赤だったか、とにかくそんな名前のおねえちゃが血溜まりの前で呆然と呟く。
「ふふ…お姉ちゃん、との、トリップ戦争、ほん、とは…楽し、かった」
「やだ…やだよ、赤まゆ姉!わらし…っ」
「ね、最後に…。ていき、くろ、こ、さんは」
攻め。
受け。
最期におねえちゃがどちらを口にしたのかは、わらしにはわからなかった。
折り重なる二つの血にまみれた肉塊に背を向け、わらしは立ち止まらない。
「待ってろワンババ…。固定は、必ず…」
222 名無しさん@Next2ch sage 2016/02/17(水) 06:46:08.86 ID:???
チラシちゃん・第五話
「そういえば、今度は二人らしいねぇ」
彼女はスイカバーを食べながら唐突にそう口にした。
「なにがぁ?」
「固定姉連続殺人よぉ。シャーババ的にはどうなのぉ。この前はリバの犯行とか言ってたけどぉ」
今度の被害者は一度に二人だと確かにニュースでやっていた。被害者は増え続け犯人の目星もつかない現状に世間は恐怖に包まれていた。
「あぁ…言ったねぇ。でもリバっていっぱいいるしぃジャンルもバラバラだしどうだろうねぇ。今回は二人だったし犯行が加速してるのは確かだけどねぇ」
そう、固定姉連続殺人の被害者は皆ジャンルが違っているのだ。
最初の被害者は刀の今岩姉、二人目がペダルの東巻姉、三人目が松のおそチョロ姉、そして今回が黒子の赤まゆ姉と黒赤姉。
五人にのぼる被害者達は固定という以外の共通点は無いように思われる。いや、ここ最近のメジャージャンルというところは共通点か…?
「ふえぇスイカバー落ちたぁ」
思考に沈みかけていた意識