「動いちゃらめだよぉ跡になりゅからねぇ」
こちらを見下ろしながら悪びれるふうもなく言い放つおねを見上げ、わらしは衣のなかで身動ぐのをやめたよぉ
おねの言うとおり、ちょうど尻尾の付け根に取り付けられた手錠が赤く揚がった表皮を削るのがわかったからねぇ
あと余った片方の輪が邪魔くしゃくてやらやら
「おねはどこにもいけないよぉ」
そう囁いてくる声音にわらしは確かにおねの狂気を感じたんだぁ
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チラシのあな専売です。お見のがしなく!
13 名前:やまなしおちなしいみななし [sage] :2020/08/16(日) 22:29:27.00 ID:???
「おねはどこにもいけないよ」
わらしは眼下に広がる景色に絶句した。
目眩がするような一面の赤。
わらしはゴクリと息を飲んだ。額を大粒の汗がつたう。
「動いちゃらめらよぉ、跡になるからねぇ」
おねの言う通り、わらしはここから一歩も動くことはできない。一歩でも踏み出したが最後、
塗り立てのペンキが剥げてしまう!
17 名前:やまなしおちなしいみななし [sage] :2020/08/16(日) 22:31:06.01 ID:???
>>13
猫の足跡ついてるやつかあいいじゃん
いけるいける
わらしは走り出した!
30 名前:やまなしおちなしいみななし [sage] :2020/08/16(日) 22:40:43.48 ID:???
>>17
わらしは走り出した!
ステップにあわせて舞う赤いペンキが衣を汚すのも気に止めず前へ駆ける。
何て爽快感。
おねはどんな顔でわらしを見ているのだろうか。彼女が愛しそうに見つめていた美しいものを一瞬にして汚される絶望?
ふふふふわらしに意地悪をしたんだ、そのくらいの報いは受けてもらうよぉ。
そして顔をあげる。視線の先のおねは。
「どうしてそんなに嬉しそうなのぉ」
「おねがわらしを選んでくれたからー」
暖かいものが胸をみたす。わらしはおねの胸に飛び込んでいた。