800 名前： あなたのうしろにちらしさんが・・・ 04/03/29 03:01
わらしにはちょっと変な趣味がありまぁす。
その趣味って言うのが、夜中になると家の屋上に出てそこからチラシちゃんで望遠鏡で自分の住んでいる街を観察するよぉ。
いつもとは違う、静まり返った街を観察するのが楽しいよぉ。
遠くに見えるおっきな給水タンクとか、
酔っ払いを乗せて坂道を登っていくタクシーとかぁ、
ぽつんと佇むまぶしい自動販売機なんかを見ていると妙にワクワクしてくるねぇ。
わらしの家の西側には長い坂道があって、それがまっすぐわらしの家の方に向って下ってくるよぉ。
だから屋上から西側に目をやれば、その坂道の全体を正面から視界に納めることができるようになってるのねぇ。
その坂道の脇に設置されてる自動販売機を望遠鏡で見ながら「はぁん、大きな蛾が飛んでるぅ」なんて思っていたら、 坂道の一番上のほうから物凄い勢いで下ってくる奴がいたよぉ。
「ふえぇなぁに？」と思って望遠鏡をぞきこんだ！ら全裸でガリガリに痩せたガチムチみたいな奴が、
満面の笑みを浮かべながらこっちに手を振りつつ、猛スピードで走ってくるぅ。
奴はあきらかにこっちの存在に気付いているし、わらしと目も合いっぱなしだよぉ。
ちょっとの間、あっけに取られて呆然と眺めていたけどぉ、
なんだか凄くやばいことになりそうな気がして、急いで階段を下りて家の中に逃げ込んだよぉ。
801 名前： あなたのうしろにちらししさんが・・・ 04/03/29 03:03
ドアを閉めて、鍵をかけて「ひえぇどうしよぉ、なんなのあれぇっ！！」って怯えていたら、
ズダダダダダダッって屋上への階段を上る音がしたんだよぉ。明らかにわらしを探してるよぉ。
「凄いやばいことになっちゃったよぉ、どうしよぉ、ふえぇ、なんなんだよぉ」って心の中でつぶやきながら、
声を潜めて物音を立てないように、リビングの真中でアイロン（武器）を両手で握って構えてたんだよぉ。
しばらくしたら、今度は階段をズダダダダッって下りる音。
もう、バカになりそうなくらいガタガタ震えてたら、
ドアをダンダンダンダンダンダン！！って叩いて、チャイムをピンポンピンポン！ピポポン！ピポン！！と鳴らしてくるんだよぉ。まじこわいよぉ。
「チッ、ンーッ！チッ、ンポーーッ！」って感じでねぇ奴のうめき声も聴こえるんだよぉ。
心臓が一瞬とまって、物凄い勢い脈打ち始めるんだよぉ。
さらにｶﾞｸｶﾞｸ震えながら息を潜めたら、
数十秒くらいでノックもチャイムもうめき声止んで、元の静かな状態……。
それでも当然、緊張が解けるわけもなく、日が昇るまでアイロンを構えて硬直してたよぉ。
あいつはいったい何者だったのぉ…。
もう二度と夜中にチラシちゃんで望遠鏡をのぞきこんだりしないよぉ。