あくまでも個人的な感想だが、2008年に秋葉原や茨城で続発した無差別殺傷事件は、
00年代の露悪的で殺伐とした空気(勝ち組負け組、格差社会、下流社会、自己責任論など)と、
90年代(発祥はバブル期か?)から続いてきた容姿や恋愛の価値を過大評価する風潮の、
醜悪で悲惨な集大成だったように思える。
その翌年の2009年に、上昇志向とモテることに否定的な草食系男子が流行って、
ようやく若年層男性を疲弊させてきた体育会系バカマッチョ的価値観の弊害が、
徐々に認識されつつあるんじゃないかと少し期待感を抱いたが、
3.11以降はその流れも完全に忘れ去られ、「がんばろう、つながろう」というフレーズが、
(もちろん善意も含まれているだろうが)妙な強迫感を持って、巷に溢れるようになった気がする。