小林製薬は23日、取締役会を開き、創業家出身の小林一雅会長(84)と小林章浩社長(53)の辞任を決めた。紅麹(べにこうじ)サプリメントとの関連が疑われる健康被害の把握から発表まで約2カ月を要し、批判が集まっていた。後任の社長には山根聡専務(64)を充てる方針。章浩氏は取締役として健康被害の補償を担当する方向で調整している。
小林製薬は、経営陣の問題対応を調査した事実検証委員会の調査報告も23日に公表する方針。
小林製薬は1919年の設立以来、創業家が社長を務めてきた。一雅氏は76年から2004年まで、長男の章浩氏は13年から社長を務めた。山根氏は創業家以外で初めての社長となる。
小林製薬は、1月15日にサプリによる健康被害を把握。3月に、腎疾患と関連が疑われる死者を5人と発表した。一方で、6月には、腎疾患以外の症例も調査対象にする方針に転換。その結果、因果関係の調査が必要な死亡疑い事例は、当初発表分を含めると7月21日時点で計101人となった。医療機関を受診した人は延べ2千人以上に達した。