季節の便りスレッド ID:WvRA9EsY

55akitsuha◆.R0AyPJLCQ:2014/04/25(金) 16:59:46.30 ID:WvRA9EsY

たれこめて春のゆくへもしらぬまにまちし桜もうつろひにけり(古今和歌集・藤原因香)

病みあがりですがそろそろと、また何か書いていこうと思います。
さくらとうぐいすの三月四月ものどかで華やかで好きなのですが、それにもまして青葉とほととぎすの五月六月、これから来たるその季節が、自分は大好きなのであります。

56akitsuha◆.R0AyPJLCQ:2014/04/25(金) 17:07:20.42 ID:WvRA9EsY

夏衣きていくかにかなりぬらんのこれる花はけふも散りつつ(新古今和歌集・源道済)

乗り換えを待つ駅のホームで、目の前にせまる山のみどりをながめていました。

木々の新緑が風にさわだち、うすい紫の藤の花ぶさが、しずかにおもげにゆれています。
遅咲きのやまざくらの花と葉の色も、すこしまじっているでしょうか。
ウグイスや名も知れぬ鳥たちが賑やかにさえずりかわして、見るもの聞くものすべて初夏(はつなつ)のあかるさです。

57akitsuha◆.R0AyPJLCQ:2014/04/25(金) 17:23:02.47 ID:WvRA9EsY

深山がくれの渓流には、たぎつ瀬の波のしずくに濡れて、やまぶきの花など清らかに咲いているでしょうか。みどりの山のおもてから目には見えないその奥処まで、遠く心が思いやられて、古く詠まれた情景などもおのずと胸にうかんできます。

吉野川岸の山吹さきぬれば底にぞふかき色はみえける(千載和歌集・藤原範綱)
岩根こす清滝川のはやければ波をりかくる岸の山吹(新古今和歌集・源国信)
駒とめてなほ水かはん山吹の花の露そふ井手の玉川(新古今和歌集・藤原俊成)


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