東大 [ アル中死事件 ] の もみ消し
3年前の夏、東大の男子学生がサークルのコンパで昏倒、急死した。その両親が先ごろ、同席していた学生らに損害賠償を求めて提訴に踏み切ったのだが、そこで明かされたのは「飲酒カルト」ともいうべき酒宴の実態、さらにはメンバーによる周到な“隠蔽工作”であった。
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実際に「マキバ」が始まると、異変は直ちに見てとれた。1本目の途中で嘔吐した滉さんは、3本目に入ると昏倒。すでに失禁しており、ズボンを脱がされたまま輪の外に寝かされ、狂気の宴はなおも続いた。23時頃、近隣の苦情を受けた警官に注意され、一団は場を移す。その際、昏睡状態の滉さんの四肢を持って運んだメンバーらが汗で手をすべらせ、滉さんは2度にわたりアスファルトで頭部を強打してしまった。
「最初の強打で、滉はけいれんを起こし、その後は動かなくなりました。2度目に落ちた時も、彼らは“今のは痛いよな”などと言うだけで、滉を草むらに寝かして飲み続けたのです」
結局、119番通報がなされたのは午前2時6分。人事不省に陥ってから、滉さんは実に4時間にわたり放置されていたことになり、死亡推定時刻からもすでに2時間が経過していた。