http://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/kaigai/20140526_650009.html
DDR系の汎用メモリモジュール向けのDRAMが行き詰まり、スタックドDRAMが広帯域DRAMとして台頭。
そして、(うまく行けば)新不揮発性メモリが、ワーキングメモリの領域に進出する。
ここに見えるのは、DRAMの分化・多様化と新メモリの台頭、そしてメモリ階層構造の根本変化だ。
こうした変化が起きると、長年に渡って保たれて来たメモリ階層が崩れ、コンピュータシステムの作り方が変わり始める。
具体的には、帯域が必要な頻繁に使用するホットなデータはHBMなど近いDRAMの上に置き、
それほど頻繁には使わないコールドなデータはDDRのような遠くて容量の大きなDRAMに置く。
こうした制御を行なうためには、ソフトウェア側にインテリジェントなメモリ管理が必要となる。
DRAMの一部が不揮発性メモリへと置き換わって行く場合も、この問題の解決が重要となる。
筑波大学の発表
「Language Runtime Support for NVM/DRAM Hybrid Main Memory」のスライドだ。
新不揮発性メモリとDRAMが混在するメモリ上で、ランゲージランタイムによってホットなデータを管理するメソッドを提案している。
メモリハードウェアだけでなく、メモリを扱うソフトウェア側にも変化が必要となる。
現在のソフトウェア階層は、メモリを均質なプールとして捉えており、ハードウェアキャッシュはソフトウェア側からは不可視な存在となっている。
すでに、ハードウェアの変化に合っていない。
しかし、いったんソフトウェア側がメモリ階層を理解できるようになると、メモリハードウェアには柔軟性を持たせることが可能になる。
異なる帯域や異なる特性のメモリを連続したアドレス空間上にマップして自由に使うことができるようになる。