1982年大会の“ヒホンの恥“
日本は28日に行われたロシア・ワールドカップ(W杯)グループH最終節でポーランドに0-1で敗れるも、決勝トーナメント進出が決定。ドイツではこの試合の終盤で日本がとった時間稼ぎの行為により、1982年大会の“ヒホンの恥“の記憶が呼び起こされている。
ポーランドに先制点を奪われ、一時的にグループH3位に後退した日本だが、その後、同時開催のセネガル対コロンビアでコロンビアが勝利。フェアプレーポイントの差でセネガルを上回った日本が2位に浮上。日本は終盤、ポーランドに得点を決められ、セネガルが同点に追いつけばグループステージ敗退となる中で、パス回しで時間を稼ぐことに。最終的にはこの2試合でのスコアは動かなかったため、コロンビアと日本が勝ち上がっている。
しかし、各国メディアからその日本のプレーに非難が殺到。ドイツ誌『シュポルト・ビルト』も「22人の選手がプレーを止める!」と大々的に伝え、日本対ポーランドの終盤を「今大会、最も敬意に欠ける10分間」と形容。
特にドイツでは、過去に西ドイツとオーストリアが対戦時に選んだ、“ヒホンの恥”、“ヒホンの不可侵条約”として知られる試合の記憶が呼び起こされ、『One』での中継では実況を担当するコメンテーターも、その当時の試合との比較を度々口にした。
1982年大会では、西ドイツはアルジェリアに敗れるも、グループ最終節でオーストリアに1-0で勝利してグループステージを突破。オーストリアも1点差の敗戦なら勝ち上がれる状況だったため、談合が疑われる試合内容に。またこの試合は、グループ最終節の同時開催が導入されるきっかけともなった。
今回、W杯史上初めてフェアプレー規則によって1チームの決勝トーナメント進出が決定。『ドイチェ・ヴェッレ』によれば、2014年大会までは最終節後に2チーム以上が勝ち点、得失点差で並んだ場合、くじ引きで最終順位が決められていたが、日本対ポーランドは、その規定が再検討されるきっかけになるという。