5.0原作も良いが映画も良い。
2013年2月13日 形式: DVDAmazonで購入
サユリストには堪らない映画でした。原作は名作ですが、ちょっと違う味付けをされたこの映画もなかなかのモノでした。
4.0女ざかりとは男の憧れなり 2017年3月31日 形式: DVD
生活部記者の主人公南弓子(吉永小百合)は、その実績を買われて社説の編集委員となる。その移動のシーンから映画はスタートする。熱に浮かされたような甘いテーマ音楽をバックに南弓子は癖の強く毎日が談論風発の編集委員たちのマドンナとしてその世界に身を置く日々はスタートすることとなる。前半30分その談論シーンに使われるのにはびっくりした。しかしいかにも映画だなと思わせる吉永小百合が当時の世相と相まって女性の社会進出の象徴として君臨するのがまた面白い。そして話の進展は彼女の社説のミスに発端するわけで、そのミスが化学反応のように巻き起こすこの小さな新聞社のささやかな慶事である本社の新社屋移転を阻止しようとする政治と南弓子の冒険と副題のあるように、彼女その政治からを守ろうとする同志たちの活躍がストーリーの主題となる。
その中心となるのが論説が「書けない」編集委員の三國連太郎であり、また南弓子の不倫相手の大学教授津川雅彦である。微笑ましいのは彼女の地位を守ろうと必死になって動き回る彼らであり同時にそうした大林ワールドの作り出す空間である。最後の彼女の達観のような一言を推す向きもあるが、私としては吉永小百合の正しく女ざかりの魅力により導き出される男たちの英雄的行動と彼女への憧れからくる忠誠心を引き出した大林監督の手腕に大きく惹かれ私もまあその一員となったといえる。視聴者としてそれが一番の喜びであった。三國連太郎の「あなたとやりたい」と砂に書くシーンも私にとっては素直に可愛い感じがした。やはり南弓子の冒険に2時間浸れることが何よりもこの映画の魅力であるに違いない。やはり大林宣彦監督の優しい目線が光る作品であった。