■3歳までなら許容範囲!? 母の持つ息子への疑似「恋愛感情」
「これから彼が成長する過程をできる限り、共にしたいです。できれば高校卒業くらいまでは一緒にお風呂に入って、話ができる関係を築きたいです。彼がどう思うか?そこは彼の意思よりも、母親としての私の希望が優先です!」
実のところ、このアイコさんにみられるような、母親の近親相姦的な愛着について、あるカウンセラーのひとりは、「特に目新しい話ではない」とした上で次のように語った。
「子どもの成長と共に、母親もまた成長します。なので、息子が小さいうちはその可愛さから異性への恋愛感情に似たそれを持つことはあっても、いつまでも続くものではありません。多くの母親は、息子の成長と共に感覚が健全になり、『子ども』としてみていくものです。息子もまた、母親から『親離れ』していきます。もちろん5歳を超えて性器にキスするようでは、ちょっと考えものですが、3歳くらいまでなら、まだ『ママも若かった』で済まされる範囲でしょう」
元を正せば、母親の身体の一部だった我が子。3歳くらいまでは、母子の一体感が恋愛感情と紙一重であっても「異常」とは言えないのだ。
このカウンセラーは「目新しい話ではない」と言うものの、近年、アイコさんにみられる「ムスコン母」が目立ってきたのはなぜか。その要因には、家庭における「父親不在」の状況があるという。
「父親不在というのは、何も離婚や別居により家庭内に父親(夫)が居ないという状況だけではありません。家庭に父親(夫)がいても、夫婦仲が良くなく、その存在をないがしろにしている状況は、実質的に父親(夫)不在と同じです。現在、この父親不在が多くの家庭で起きていることが、分かっています」(前出のカウンセラー)
ここでいう「父親(夫)不在」は、セックスレスの状況でもある。もし母親が夫とセックスの関係があれば息子に性的感情を持つことはない。夫が難しい場合、夫以外の男性でも、ある程度の代わりにはなるだろう。しかしそうした存在がない場合、母親はもっとも身近な異性である息子に性的感情を抱くことになるという。前出・カウンセラーが続けて語る。
「妻や母親という立場をとても重く捉えていて、かつ性への嫌悪感が強い女性ほど、夫や婚外の異性の代わりとして、息子に近親相姦的愛着を持つ傾向が顕著だという印象です」
この「性への嫌悪感」は2つのパターンに分かれる。ひとつは先述のアイコさんにみられるような夫との不仲である。しかし妻であり母親である立場を重んじれば、婚外で性的欲求を満たすわけにはいかない。なので、息子に近親相姦的愛着が向けられるという理屈だ。
そして、もうひとつはこれから紹介するミサキ(35)さんにみられるように、若い時分は性に奔放だったが、子を持ち母親となった途端に責任感や倫理観から性的欲求を封じ込めたため、そうした欲求が息子に向けられるというパターンである。