体内にワイヤ残し手術せず手で抜き死なす 生野理事長らを書類送検(大阪府寝屋川市)
大阪府寝屋川市の寝屋川生野病院で平成29年11月、カテーテルのワイヤを抜き忘れる医療ミスにより同市の無職、鈴木博さん=当時(69)=が死亡した事故で、
大阪府警は1日、業務上過失致死容疑で、社会医療法人弘道会理事長の生野 弘道 容疑者(76)を書類送検、
適切な措置を取らないままワイヤを抜いて死なせたとして、同容疑で「明生病院」(大阪市都島区)の男性医師(47)も書類送検した。
生野容疑者については起訴を求める意見を付けたという。
捜査1課によると、鈴木さんは寝屋川生野病院で肺炎と診断され、脚の付け根からカテーテルを誘導するためのワイヤを挿入。
カテーテルの挿入完了後、ワイヤをすぐに抜き取る必要があるが、生野容疑者は「(鈴木さんの)容体が悪化し、その処置をしている間にワイヤを抜いたと思い込んだ」と説明している。
また生野容疑者は、カテーテル挿入後に撮った胸部のレントゲンにワイヤのようなものが写っていたにもかかわらず、
別の治療で使った医療チューブが体内にあると思い込んで詳しい検査をしなかったという。
鈴木さんはその後、明生病院に転院。明生病院の医師は、レントゲンで体内のワイヤを発見し、手で抜き出したが、鈴木さんは容体が急変して死亡した。
府警は2人の医師の過失が重なり、鈴木さんを死亡させたと結論付けた。
(2019年8月1日 朝日新聞)