「なあ、える。今日は帰りにどこか寄ろうか?」
「あなたはどなたですか!?」
「……えっ?」
「折木さんなら私のことを『千反田』と呼ぶはずです! さあ正体を現してください!」
「千反田……昨日、『二人だけの時はえると呼んでください』と言ったのはおまえじゃないのか」
「あっ、そうでした!」
「それに俺のことも『奉太郎さん』と呼ぶんじゃなかったのか」
「ご、ごめんなさい!」
「ああ」
「…………うふ」
「ん?」
「ふふ……うふふ」
「おまえまさか……またウイスキーボンボンを食べたのか!?」
「奉太郎さん、楽しいことしましょ?」
「こ、この酔っぱらい!」