「闇バイト」募集、対策急務 官民でSNS監視強化へ 課題も山積・全国連続強盗
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全国で相次ぐ強盗事件を巡り、多くの容疑者が加担するきっかけとなった「闇バイト」は「犯罪の温床」と指摘される。
ただ、募集の際に仕事内容を明示しないことが多く、刑事罰適用へのハードルは高い。警察当局や民間事業者はSNSの投稿監視を強化するなど対策を急いでいる。
インターネット上で闇バイト募集が横行する情勢を踏まえ、警察庁は今月、強盗や殺人の実行役を勧誘する投稿を「有害情報」として扱う運用を始めた。委託先の「インターネット・ホットラインセンター」(IHC)が国内外のサイト管理者やSNS運営業者に削除を要請する。
同庁は全国の警察に対しても、サイバーパトロールで闇バイト募集とみられる書き込みを発見した場合、削除を求めるように指示を出した。
国内通信業界の4団体は今月、ガイドラインを改定。具体的な仕事内容を明示せず、高額な報酬で人を募集する投稿などを禁止し、見つけ次第速やかに削除を求める取り組みを始めた。
ただ、SNSの投稿に対する削除要請には、課題も多い。警察庁によると、投稿の中に「強盗」「タタキ(強盗の隠語)」など違法行為を表す文言が無い場合、IHCの削除要請の対象にはできない。プロバイダー側には要請に応じる義務もないという。
捜査関係者によると、強盗や特殊詐欺の実行役を募る勧誘役の摘発は、投稿者を特定した上で、募集行為と実際に発生した事件の関連性を裏付ける必要があるなど立証のハードルが高い。いたずらの可能性も排除できず、「投稿行為の刑事責任を即座に追及するのは難しい」と指摘する。
別の警察幹部は、捜査の徹底や粘り強い削除要請などあらゆる手段を通じ、「闇バイトは危険なものだと世間に浸透させる必要がある」と強調した。