アフリカのルワンダとコンゴ民主共和国にまたがるキブ湖(Lake Kivu)には、浮体式発電所が設置されている。昨年5月、コンゴ側の火山が大噴火を起こし、激震が湖水を揺さぶったとき、技術者らはただ不安げに見守るしかなかった。
彼らが恐れたのは、ニーラゴンゴ山(Mount Nyiragongo)から噴き出る溶岩流ではなく、キブ湖に大量に存在する高濃度の爆発性ガスだ。
キブはアフリカ大陸の大地溝帯(Great Rift Valley)にある湖沼の一つ。緩やかな緑の丘陵が湖面に映る景観は穏やかに見える。
だが、実態はその穏やかさとはかけ離れている──そう語るのは、湖沼学者で、湖水から抽出したガスを利用する電力会社キブワット(KivuWatt)で環境管理を担当するフランソワ・ダルシャンボー(Francois Darchambeau)氏だ。
数千年にわたる火山活動の結果、キブ湖の深層堆積物には大量のメタンや二酸化炭素(CO2)が蓄積されている。万が一、そのガスが噴出すれば、途方もない破壊力を持つことになる。
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https://www.afpbb.com/articles/-/3390159