南アフリカのアパルトヘイト(人種隔離)政策に反対し、その功績でノーベル平和賞を受賞したデズモンド・ツツ元大主教が26日、亡くなった。90歳だった。
同国のシリル・ラマポーザ大統領は、ツツ氏は後世に「解放された南アフリカ」を残す手助けをしたと追悼した。エリザベス英女王やバラク・オバマ元米大統領も追悼を寄せた。
南アフリカでは1948~1991年、大多数の黒人の国民を少数の白人政府が治めるアパルトヘイト政策が敷かれていた。ツツ氏は、反アパルトヘイト指導者で同国初の黒人大統領となった故ネルソン・マンデラ氏と同世代で、同じくこの政策の廃止に尽力。1984年にノーベル平和賞を授与された。
同国のイギリス国教会(聖公会)は、1週間の追悼期間を設ける予定だと述べた。1月1日の公式葬の前に2日間、遺体を公開して弔問の機会を作るとしている。
南アでは先月、アパルトヘイト時代最後の大統領だったFW・デクラーク氏が85歳で亡くなったばかり。
ラマポーザ大統領は声明で、ツツ元大主教は「傑出した精神的指導者であり、反アパルトヘイト活動家であり、世界的な人権活動家だった」と追悼した。
また「比類のない愛国者だった。『行ないのない信仰はむなしい』という聖書の知見に意味を与えてくれた、信念と実践(じっせん)の人だった」と故人を振り返った。
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