政府が子どもDB構築へ 貧困や虐待防止へ情報一元化し早期発見、支援狙い
https://www.nikkansports.com/general/news/202111230000487.html
政府が子どもの貧困、虐待を防ぐため、家庭の経済状況や子どもの学力といった幅広い情報を一元化するデータベース(DB)を構築する方針を固めたことが23日、分かった。困難を抱える子どもを早期に見つけ出し、支援につなげる狙い。月内にも関係副大臣会合を設置する。自治体の部署間での情報共有が壁となっており、データベースで扱う個人情報に関する指針も作成する。早ければ2023年度の全国展開を目指す。
岸田政権が推進するデジタル改革の一環。デジタル庁を中心に関係省庁の副大臣らで議論を進める。
新型コロナウイルス禍の影響により、親の減収で子どもの食事量が減るなど貧困状態に陥ったり、虐待が深刻化したりしていると指摘されている。子どもや保護者が行政に助けを求めることに抵抗を感じることや、自治体で福祉や教育といった部門ごとにデータが分散して保管され、支援が行き届かないケースがある。
政府は当初、貧困対策のDBを検討していたが、虐待にも範囲を広げることにした。大阪府箕面市など一部の自治体で独自に運用しているDBを参考に、実証実験を行い、課題を整理する。自治体や学校が持つデータを突き合わせ、支援が必要な子どもを特定。ソーシャルワーカーや学校のカウンセラーにつなげたり、行政の支援制度や、民間団体による子ども食堂や学習支援を案内したりする。
集約するデータは、自治体が把握している生活保護や、比較的低所得のひとり親が対象の児童扶養手当のほか、就学援助の受給状況、学校で行う学力・体力調査も検討する。
岸田文雄首相は16日に開かれたデジタル臨時行政調査会の初会合で「保護を要する子どもたちを見守るため、生活に関わるさまざまな情報を集約するデジタル基盤を整備する」と表明していた。