米国人記者が驚いた「日本メディア」の談合体質 「忖度」や「同調圧力」が当然の雰囲気
PRESIDENT Online 2019/09/12 6:00
マーティン・ファクラー元ニューヨーク・タイムズ 東京支局長
日本独特の謎制度「記者クラブ」が抱える問題点
部数減でも日本の新聞社に「危機感がない」ワケ
国内の新聞社やテレビ局などで構成される「記者クラブ」は日本独特の制度だ。元ニューヨーク・タイムズ東京支局長のマーティン・ファクラー氏は「この制度の存在に何度も驚かされてきた。忖度や同調圧力が飛び交う雰囲気のなかで、半ば談合的に記事が生み出されているのではないか」と指摘する——。
「質問を事前に伝える」謎習慣
日本ならではのシステムと言っていい、この記者クラブ制度という存在に何度も驚かされてきた。
たとえば2003年。私はAP通信からウォール・ストリート・ジャーナルへ移り、東京支局の特派員として取材にあたっていた。日本銀行の福井俊彦総裁の記者会見が開かれ、私もぜひとも取材したいと日本銀行広報部へ連絡を入れた。返ってきたのは意外な言葉だった。
「私どもではなく、記者クラブの許可を取ってください」
記者クラブは加盟しているテレビや新聞各社が、持ち回りで幹事社を務めている。幹事社の担当記者に連絡を入れると、記者クラブ加盟社ではないという理由でいきなり断られた。食い下がると、ある条件つきで出席を許可された。それは福井総裁へ質問をしないことだった。
日本の場合は総理大臣をはじめとする政府高官の記者会見において、質問を事前に通告する習慣が定着している。アメリカではありえないことだ。たとえばトランプ大統領の記者会見では何をぶつけてもいい。
以下ソース
https://president.jp/articles/-/29766