犬猫の殺処分「ゼロ」は見せかけ? 実は568匹処分 茨城県の独自基準を愛護団体が批判
2020年5月28日 07時13分
県が、二〇一九年度に県内で殺処分された犬猫は「ゼロ」だったと発表した。担当課は「地道な啓発活動の効果が出た」と胸を張るが、「攻撃性がある」などの理由で「譲渡不適」と判断して殺処分した数は除外されている。「収容中死亡」も含めれば、実際の殺処分数は犬が百四十四匹、猫は四百二十四匹。動物愛護団体は「殺処分の実態が隠れてしまう」と県の姿勢を批判する。(鈴木学)
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県が二十六日に公表した資料のタイトルは「本県における犬及び猫の殺処分ゼロの達成について」。「譲渡適性があると判断した犬猫の殺処分数がゼロとなり、県総合計画の目標を達成した」と宣言した。
環境省は全国の自治体に対し、犬猫の殺処分について(1)攻撃性があったり、治療が難しい病気があったりするなどで譲渡不適(2)譲渡適性はあるが、適切な譲渡先が見つからないなど(3)病死や老衰を含む「収容中死亡」−の三区分に分類して報告するよう求めている。
県は昨年六月、環境省の基準に沿う形で譲渡適性を判断する独自のガイドラインを作成し、「譲渡適性あり」の犬猫の殺処分ゼロを掲げた。これが一九年度に達成できたというわけだ。
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https://www.tokyo-np.co.jp/article/31632